Oさんち 足場解体 | ヨネダ設計舎のブログ

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伊勢市Oさんち


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足場が外れました.

建主さんから初期に頂いたご要望が、『四角い無骨な小学校』のイメージ.

1階鉄筋コンクリート外断熱.

2階木造の混構造.

大きな屋上もアリマス.(学校のよう)

僕も建主さんも、時間とともに外壁に汚れが滲んでいって、いい感じに古びていってほしいと思っています.

建物には時間の付着を許容する佇まいと、それができない佇まいがあると思っていて、今回前者を狙っています.

規則的に並んだ窓.

ある種の単色の量感と質感.

ここで書くのは初めてですが、僕の随分以前からの建築の関心のひとつに画家のジョルジョデキリコの作品にある寂寥感のような雰囲気を、意識的に建物につくれないか、ということがあります.(陽だけじゃなく、えも言われぬ薄い陰がある.)

現実において、キリコが絵の中で紡いだ白昼夢のような世界をたちあらわせると、現実でありながら、ふわっと魅惑的な佇まいができるのではないかと考えています.

そこは、視覚的印象だけでなく、人の感情をも受けとめうる場所になるのではないか.



連続的な窓.奥行や陰影での細部の整えをあえてしないこと.モノ感をつくるテクスチャー、平面的な量感.

色々な要素を検討しながら、絵を描くように建築をつくりたい.

何もそれは複雑なカタチをつくることが目的ではなく、意識と視覚、平面と現実の狭間にある世界の心地に興味と可能性を感じています.


(あ、念のため・・・.ご依頼いただいたプロジェクトに強引に自分の関心をあてはめるようなご提案はしないですのでご安心ください.今回のように建主さんのご要望と僕の考えていることが丁度合致した際には是非また設計したいです.)





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