職人さんの技 | ヨネダ設計舎のブログ

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20161214

ある日、僕が設計監理している現場での休憩時間、いつもお世話になっている左官職人のカズさんと尾崎さんに、12月14日に赤福のおくどさん(竈)の塗り替えをするから、よかったら見においで、とご案内をいただきました.

赤福では、毎年年末、一年に一回、その年の感謝と新年のお迎えの為に、竈の塗り替えをされています.

カズさんの著書でも詳しく語られている伊勢磨き.

もはやできる人がほとんどいない伝説の技.

薄く塗った色漆喰を何層も、何回も様々な鏝でおさえ、磨き上げていくことで、漆喰が輝く究極の技術.

(もしかしたら社交辞令でお声がけいただいた部分もあるかもしれないけれど)滅多にない機会、僕は是非とも拝見したい、と手帳に日付をマークし、今月初めてのOFFの日をつくって、見学させてもらいました.




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モノ凄いものを見た・・・.


最初、下地が見えていた状態から、何時間も鏝、鏝、鏝、最後は手のひらでおくどを磨き、輝く姿.

毎年異なるその日の温度、湿度、コンディションと漆喰の状況を読み、対話しながら生まれる輝き.

内側からのエネルギーがみなぎったフォルム.それでいてやさしい.生命感のある豊かなふくらみ・・・.


カズさんが力を込めて鏝を入れる息遣い、この仕事を何十年もやってこられ、技術をのこされる尾崎さんの鏝さばき.30代にしてこの技術を受け継ぐリョウタくんの真剣な眼差し.


月並みな言い方だけど、ビリビリ鳥肌がたって、感動して目頭が熱くなった.泣きそうになった.

僕も最後、触れさせてもらった.

おくどの湿感、触感、しとやかで、生きているような肌.


本物の仕事.生き様.


ご自身の技を日々研鑽されている職人さん.

ものつくりの道の偉大な先輩の背中を見て

なんというか、その技にふさわしい、とはおそれ多くてとても言えないけれど、

僕は僕の仕事と真っ向から向き合い、自分の心にも相手方に対しても絶対に恥じない仕事をする.

それが出来てはじめて対話ができること.


それは義務であり、そこができなかったら、もはや嘘つきだ、、、


大きな気付きと心構えをいただきました.


貴重な機会をありがとうございました.



2016年、年末.

独立して3年.たくさんのモノ、コトとのご縁をいただき、たくさん反省をしながらですが、気持ちも技術も自分自身成長を感じています.



今後ともご指導のほどお願いいたします.










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