小さな建築 | ヨネダ設計舎のブログ

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今から45年前、象設計集団を創設されたメンバーのひとり

富田玲子さんの著書 小さな建築 を読んでいます.

今まで設計してこられた建物のこと  生い立ち 思想 象の考え方 などがそれぞれの章に分かれて記録されています.

建物と人の関係、そのほほえましい関係の描写を見ていると思わず泣いてしまいそうになります.
(今日、電車の中でヤバカッタです)

老人ホーム、地域の集会場、市庁舎、小学校・・・・.

象設計集団が設計された笠原小学校の卒業生が、大人になってから「これが私の学校よ.」とフィアンセを連れて案内しに来るという話しのところは特に感動します.

それくらいひとに愛される建築.

相思相愛の姿.

象設計集団の軌跡を拝見していると、建物とひとの幸せな関係、設計することの本質を教えられます.


そして、象設計集団が被爆50年を迎えた年の広島にてある小学校を設計する際に基本計画として掲げた、平和と創造についてのまとめが素晴らしかったのでここにご紹介させて下さい.


*平和とは、戦火、焦土、汚染とは正反対のもの。争い、いじめ、幽閉、統制、強制とは正反対のもの。不安感、恐怖感、疎外感、無関心とは正反対のもの。

*平和とは、愛と誇りに満ちた状態。一人一人のちがいを認めながら、共に生きる状態。緑、風、光、水、土、鳥、虫、子どもたちが共に暮らすこと。

*創造性とは、破壊、沈滞、後退、自閉とは正反対のもの。均質、没個性、過保護とは正反対のもの。

*創造性とは、個性の解放、心身の伸びやかさ、鮮やかな感性、元気、やさしさ、探求心、好奇心、感動する心である。



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僕も先月、沖縄に行った際、平和について改めて考えました.
平和とは、、、と考えたとき
文化や思想、考え方が違う個人同士の社会(世界)において、それぞれの主張や利権がある状況で本当の平和、というものはないんじゃないか.
その中で、強いものがもつ(主張する)権力、ある種の武力、緊張の上でなんとかバランスを保っているのが「平和という状態」なのではないか、としか答えがでていませんでした.

このすばらしい言葉に出会い、救われた気がするのと、大きな希望をいただいたように思います.

『一人一人のちがいを認めながら』












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米田雅樹 三重県 建築設計事務所