伊賀市庁舎見学 | ヨネダ設計舎のブログ

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先日、亀山市で進行中のプロジェクトの打ち合わせの後、その日ちょうど開催されていた伊賀市庁舎の建物一般公開に行ってきました.



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伊賀市庁舎  設計 坂倉準三建築研究所 1964年竣工



日本のモダニズム建築、現代建築の先駆者であり、代表者である建築家が設計した建物.

新市庁舎建設計画によって、すでにいくつかの棟が解体され、現在南館のみ現存、市役所として使用されています.

コンクリート造、直線、水平で構成された奥行と陰影のあるデザイン.

それは意匠表現としてだけではなく、周辺環境や日射調整の検討の結果としてあらわれた表情です.




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2階、ふたつの屋上庭園を囲む二重回廊のプラン.

まさに坂倉氏が師 コルビュジエから受け継いだ系譜を感じる空間.ディテール、寸法体系、素材選定.



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回廊を歩く.

目線の先、屋上庭園が展開する.その向こうの伊賀の空が動く.

気持ちの良いシークエンス.

造形的な設備塔やガーゴイル.(雨樋の放流先)

素晴らしいです・・・.


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この伊賀市庁舎は昨年docomomojapan(世界の残すべきモダニズム建築 日本支部) に認定をされた大変貴重な建物です.

自分が活動する三重県にdocomomo認定の建物がある事を誇りに思います.

建物は解体してしまったら、もう元には戻せません.

著名な設計者が設計したから素晴らしいのではなく、この建物自体が本当に素晴らしいのです.

耐震補強等、課題はありますし、立場による主張があるのもよくわかりますが、この伊賀上野の土地で50年風土とともにたち続けてきたこの素晴らしい建築をどうか、未来へと紡いでいってほしいと強く思います.



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先日docomomojapanから保存、活用について提案があった図書館と芸術棟案.

市民に開かれたカフェ.日中気軽に入る事ができ、仕事終わりにも立ち寄れる文化拠点.

この建物を改修し、この様な場所ができたとしたら、日本の中でこの伊賀の土地にしかない素晴らしい施設になる事は間違いないと思います.

それは新築では決してつくることのできない、ここにしかできない空間、文化拠点です.

近くにお住いの方が羨ましいです・・・.


最後に、この建物の保存活動をされている伊賀の建築家の滝井さん、ご案内くださいましてありがとうございました.
自分の住む街の愛する建物、風景を守るために尽力されている姿に頭が下がります・・・.





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ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所