小屋の考察 | ヨネダ設計舎のブログ

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先日、三重大生のAくんに伊勢市二見の御塩殿神社を案内してあげました(恩着せがましい言い回し・・・?).


海の近くは魅力的な小屋がいっぱい.


建築サンプリングの宝庫でした.




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かわいらしい佇まいの連続.周囲への自然な溶け込み方.



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建具が樹脂の波板!

モルタルとのコントラスト.

ビニールのラインがキッチュに光る.やれた半透明とこのライン.

スゴイセンスだ。。。普通に考えてたらこの一手は思いつかない。。。



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細い幅の変形プロポーション.




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やさしく馴染んだ白と水色との相性.



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素晴らしいコンポジション(立面構成).



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建具の取っ手の縦ライン、重心を低くする効果のある低い位置の水切り(発生の経緯は屋根が高いところはトタンの長さが足りなくなったからだと思われます)が構成を引き締める.

そして錆によるアニミズム観・・・。




かのコルビュジエがギリシャ、エーゲ海のキクラデス諸島のサントリーニという島にある集落に通い、その形態を模写し、彼の白い抽象的な造形を生み出したという有名な話があります.

その後ルイスカーンや多くの建築家がこの島の集落の造形をハント(つまり真似)しに行きました.


僕にとって、小屋たちはそのハンティングのフィールドなのかもしれません.


自分の原風景とも重なるのか、いつもとても魅力を感じます.


小屋の佇まいの魅力は、その在り方が自然なところ、なんというか、何に対しても威張ってないような、気負いがないところだと思っています.

そして時々、自然発生的に発現する、斬新な意匠の一手.


その空気感は機能に即したプロポーションであったり、簡素な材料で構成されていることから生まれているのでは、と感じています.


建物の在り方として自然に溶け込む事だけが全てとは思いませんが、小屋は風土に対するナチュラルな佇まいの答えのひとつだと思います.



なかなかこの空気感をそのままは設計に引用出来ないかもしれませんが、なぜその佇まいに魅力を感じるのか、自分の声と対話し、その魅力を編集していきたいと思います.











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米田雅樹 三重県 建築設計事務所