ありがとう はなの舞/内幸町店 | まえぽん帝国

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社会人アーティスト“まえぽん”の
華麗にて波乱なる日々のドラマでございます〜!

「私、なんと居酒屋の店長をやっています!」
前の職場で一緒だったRさんからのメールにびっくりしたのを昨日の事のように思い出す。

有楽町にほど近いそのお店に何度か友人達と伺った。
そこには、同僚だった時と変わらないRさんの姿があった。

ひたむきで、どことなく儚くて、それでも強いものを持っている彼女の
「いらっしゃいませ~」
を聞くたびに、その日の嫌な事なんて吹っ飛ぶような気がした。

チェーン店でありながら、ここには他の店にはないものがあった。
それが、私には懐かしく心地よい場所だった。
「あ、店長のご友人ですね
 お待ちしておりました!」

スタッフに対する彼女の接し方が垣間見える気持ちの良い対応で
いつも迎えてくれた。

3/11の時は帰宅困難なお客さんにお店を開放して
おにぎりや飲み物を提供していたRさん。

事務で働いていた時からは想像もできない程の彼女の転身振りに驚いた。
「すごいね
アルバイトを使って、早いうちから仕込みに出て
店長さんは色々と大変でしょう?」

それでも彼女は屈託の無い笑顔をいつも返してくれた。

また頑張って、此処に帰って来よう。
彼女に会いに来よう。。。

Rさんの店は私にとって、そんな場所だった。


お店のある有楽町のガード下が耐震工事を行う為に立ち退かなければならず、
3月いっぱいで閉店したという
故郷に帰る新幹線の中で、Rさんは私にメールを送ってくれた。
2月に元同僚と伺ったのが最後になってしまった。
「新しい職場が決まったんだね、おめでとーう!」
レジで万歳してくれた。

遠く離れてしまいますが
いつまでも応援しています。
ちゃんと説明できなくてごめんなさい。
また合えるのを楽しみにしています。


ここまで来る間に
きっと彼女は様々な決断を迫られたに違いない。
人には言えない念いも…
それなのに…あの日も笑顔で送り出してくれた…
いつもと変わらない笑顔のままで…

携帯を持つ手が震え、泪があふれてきた。
そうだよ また会おう
東北は近いよ ちっとも遠くなんかない。


Rさんが疲れを癒して新たに歩き出すころに
彼女とおいしいお酒が呑みたい
それを楽しみに… 


ありがとう
そして
これからも、よろしく



ぽんはんこ