メディアで「高齢化社会」という言葉が使われるようになって、すでにずいぶん経ちます。地方都市である豊岡市でも同様で、今でも重大な課題ですが、今後さらに重要度を増す課題になっていくと思われます。



老人クラブ

 高齢者にとっての最大のコミュニティといえば老人クラブです。そこには沢山のお年寄りの方が集い、様々な事業を行っていただいております。グラウンドゴルフやゲートボール、手芸教室、ウォーキングなど沢山の笑顔を見ることができます。


 行政にとっても、こうした老人クラブの活動は、健康な活動を送ることから介護予防に寄与すると考えており、老人クラブを通じて元気体操などを奨励しています。

 

 また、同居家庭が減少する中で、お年寄りが地域で孤立することを防ぐ役割もありますし、こうした方々の見守りにも大きな役割を持っています。


 さらには、今後の地域包括ケアシステムの中でも大きな役割を持ってもらうことが期待されています。


 しかしながら、その大切な老人クラブがどんどん弱体化しております。下の図が今の老人クラブの現状です。



老人クラブの現状


 豊岡市には358の行政区がありますが、年々単位クラブが減少していることが解ります。短期間に1,000名近くの人数が減少していおり、ついに加入につも1/3を切ってしまいました。


 このままだとお年寄りにとってのコミュニティであり、行政としてもお年寄りとの接点である老人クラブが崩壊してしまう可能性があります。これをなんとか防がねばなりません。


 アンケートを見ると、お年寄りが老人クラブに入会されない理由に、活動内容に魅力がないということや、自分の趣味に合う活動がないなどのものがありました。細かく読んでみると活動内容についての理解が進んでいないこともあるようです。

 ところが、市内の老人クラブの中にはとても素晴らしい活動をされているところもあります。そこで、そういった活動の水平展開や、クラブ内に偏りがちな広報活動を、クラブ外の市民の皆さんに伝わる努力が求められます。


 また、クラブの補助金についても言及しました。単位クラブに対しての補助金はクラブの規模や活動内容によって決まりますが、どんなに多くても上限95,000円であることがあります。

 沢山の会員を募っても、補助金がふえないので活動に影響があったり、増員の活動に結びつかないのではないかと感じました。


 また、大きすぎて活動が困難という理由で分割しているクラブもあるでしょうが、中には分割して一人当たりの補助金を多く得るというところもあるかもしれません。

 それはそれでいいのですが、今の問題のひとつがリーダーがいないことです。なかなか会長として事務作業をしたり、事業の面倒を見る育たないという現状があります。補助金のために分割した場合において、リーダーがいなくて活動が活発化しないということもあるようです。


 そこで補助金の一部を人数に応じて加算する仕組みが必要だと思い、提案させていただきました。


 こうすれば、大規模なクラブの運営を支えることもできますし、分割したクラブを統合することもできて、リーダーの育成も少なくすみます。

 

 さらには、老人クラブの無い地区のお年寄りを、隣接の老人クラブが吸収して、コミュニティに加えることもできます。


 財政的に難しい時期に、補助金の増額は難しい麺がありますが、介護費用の減少や地域包括ケアシステムの中の一機能を担っていただくなど、行政にとってのメリットもあるはずです。


 お年寄りの皆さんが、孤立せず、健康で幸せな老後を送っていただくために、老人クラブを応援したいと思います。