女性や体の不自由な方々の避難には十分な支援が必要ですが、避難所での生活も災害弱者にとっては困難が多くなると思われます。


 そこで、災害弱者に配慮した避難所運営と整備について論じてみました。




実際に発生した昨年8月の広島豪雨災害では沢山の方々が小学校などの体育館やホールにて長期にわたり避難生活を送られておられました。

 その中で、女性の方々は様々な困ったことがあったようです。例えば体育館という広い場所なので


・着替えることができない

・赤ちゃんの授乳時には人目から離れたい

・下着を干すのが恥ずかしい


 等など。さらに心身障害者の方々からも


・知的障害をお持ちの方が不安で大きな声を上げることがあり、周りの理解が得られない

・難聴者の方の補聴器のハウリング音がうるさいということでトラブル


 このほかにも多くの事例があがることは想像できることです。


 豊岡市としては特に必要な場合には老人ホームなどの福祉施設を福祉避難所と指定して移動してもらうことになっていますが、実際はどこもすべて満床状態で多くの人々を収容できることはできません。

 ですので、女性の更衣室や授乳室などを設けたり、障害者の方々にはまとまって小部屋を用意するなどの配慮が避難所で必要になります。


 そのためには各避難所では運営に当たり自治組織がつくられますが、これに女性の代表者、障害者の代表の方を参画できるように、現状検討している豊岡市防災計画に盛り込むことを求めました。


 

 また、もう一つの問題は学校施設のバリアフリーと洋式トイレの整備です。



日高小学校


 豊岡市では学校施設の洋式トイレの整備をコスト抑えるために耐震工事と合わせて行っております。ところがあまりに少なく、または耐震工事の必用の無い学校や体育館には整備されておりません。

 特に豊岡市内で2番目に生徒数が多い日高小学校では耐震工事の必要がないために、いまだ洋式トイレが整備されていません。この学校の周囲は人口が多い地域であり、大規模災害時にはたくさんの方々が利用されると予想されます。今の現状では障害者の方々は利用が難しくなります。

 また、設置された他の学校でも、設置数は僅かです。これでは災害時において大きな問題になる可能性があります。

 学校教育という意味においてはそれでも我慢できる範囲かもしれませんが、大規模災害時の臨時避難施設としてはあまりに整備が遅く小規模だと思われます。


 学校施設のバリアフリー化と洋式トイレの整備を急ぐべきだと考えます。