9月定例議会でのわたしが行った一般質問についてご報告します。


 先ずは観光戦略における周辺自治体との連携についてです。おもに但馬という枠を強く意識しての質問でした。



コウノトリ

写真:一羽でたたずむコウノトリ 


 テーマの一つが観光戦略の連携についてです。



 私たちはついつい近くの観光地に沢山の観光客が来てほしいと願ってしまいます。同じ市の中でさえあの温泉にたくさん来ているお客さんがこちらの温泉を選んでくれないかとか、海のレジャーではなく山のレジャーに来てくれないかといった具合です。市内でもそうですから、隣の市町の観光地についてもそう思っていらっしゃるでしょう。


 でも、これは到着地である観光地側の見方であり、実際に訪れる発地の試行ではないのです。




 たとえば、私たち豊岡市の観光地を訪れる方々は京阪神にお住いの方々が主になります。彼らは城崎温泉と湯村温泉とどちらに移行かと考えるでしょうか?




 まずは、海外旅行化国内旅行の選択があります。その次に日帰りか一泊か連泊化を考えます。遠くに行こうか近場で済ませるかがありますね。近隣であれば淡路島なのか、紀州白浜行こうか、岡山に行こうか、鳥取なのか、福井なのかなど、大きな地域を考えるに違いありません。次に考えるのはそこに行って何をするかでしょう。そしてそこに都合のいい泊まる場所はどこなのかを最後に考えて旅程を立てます。


 まずは地域の選択が最初になされるとすると、但馬の市町村がバラバラで観光PRするのはあまりにも脆弱ではないかという思いがあったのです。




 実際に中国地方は名を捨てて実利を獲るべく5つの県が観光について連携をとっていく組織体を作ったようです。特に出雲大社で盛り上がる島根県と砂丘のジオパークで盛り上がる鳥取の連携は素晴らしく、女性の一人旅を恋の成就をテーマに取り込み成功を収めています。




 また、最近の旅行者は温泉に浸かって満足するわけではなく、体験とかアクティブな行為を旅行に求めます。すると城崎温泉だけでは一度来たらもう一度来るのかという動機にかけます。これはほかの観光地でも同じです。


 では、出石のそばと城下町、豊岡の鞄だけでなく、竹野のマリンスポーツや神鍋のスポーツも取り入れられますし、次は但東町で田舎暮らし体験でもいいでしょう。でも、またその次は??




 そう考えると、竹田城や生野銀山、村岡の高原、湯村温泉、香住や浜坂の海の幸、朝来の竹田城など但馬にはとても魅力的な観光地や食べ物、人々がいらっしゃいます。これと連携して但馬という単位で観光戦略を立てていくことが求められると思うのです。




 市長からの回答では必用だとは考えているようですが、なかなかまとめられる組織がないということと、それぞれの市町の我田引水が激しくて調整がつかず、意思決定ができないようでした。


 


 私が思うに、各市町から職員を派遣する組織(協議会など)は期待できないのであれば、独立的な組織を共同で立ち上げて、但馬単位での旅行戦略を立てて、実行する必要があるのだと思います。




 夢というか、今までの発想では考えもつかないことかもしれませんが、周囲のライバルは県レベルですから但馬の市町レベルで戦うのは無理です。とはいえ、但馬は兵庫県では小さな一地域ですから県を挙げての施策を求めることもできません。小さなたった18万人しかいない但馬の3つの市と2つの町の調整がつくのが一番理想ですが、できないのであればその方法しかないでしょう。


 もちろん豊岡市だけでこれはできませんが、招来の人口減少を見据えてつまらない縄張り意識は捨てて、口だけの協力ではなく実行力ある仕組みを作ってほしいものです。但馬は今、存亡の危機に立たされているという自覚を持つべきです。