朝の通勤電車。

 

 

乗り換え先

ホームまで

 

 

いつも全力疾走して

常にトップ

ゴールする

「Fのおじさま」

 

 

ぼくは電車の

扉前の最前列に

陣取ったことで

 

 

勝負を挑むことを

決心しました。

 

 

 

 

乗り換え駅で

扉が開き

 

 

わずか15秒の熱戦の

火蓋が切って

落とされました。

 

 

 

 

スタート直後

一目散に逃げると

 

 

「Fのおじさま」が

まさかの出遅れ。

 

 

実は

扉が開く

直前まで

 

 

やる気のない

素振りを

していました。

 

 

 

 

スタートダッシュに

成功したものの

 

 

階段を降りていると

足音が迫ってきます。

 

 

その独特の

リズムからも

 

 

Fのおじさま

分かります。

 

 

振り返る

余裕もなく

 

 

連絡通路を

キャンター

↑全力疾走は恥ずかしくて無理でした。

走り抜け

 

 

いよいよ

最後の階段!

 

 

しかし

 

 

ぼくは

階段の脇の

エスカレーターへ。

 

 

これで

勝てると

思い

 

 

振り返った瞬間

いつもとはちがい

Fのおじさまは

階段を段飛ばし。

 

 

「やばい

ルールを

変えはった!」

 

 

と思い

ぼくも

エスカレーターを

駆け上りました。

 

 

乗り換え先ホームに

一歩を踏み出した瞬間

振り返ると

 

 

あと5段ぐらいの下に

Fのおじさまが…

 

 

勝った!

 

その開放感と

達成感に包まれ

 

 

ウィニングロード

ゆっくりと

歩いていると

 

 

ふと

Fのおじさまも

 

 

いつも

この満足感を

味わうため

 

 

全力疾走

しているんだなぁ

と感じました。

 

 

 

 

それにしても

このどうでもいいことに

一生懸命になれる

ぼく自身を

 

 

改めて

めでたい奴だなぁ

と恥じ入った

朝でした。

 

 

では、また明日!

 

 

 

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