中国ナマコ消費最前線

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卒業論文紹介



ここでは、私が中国大連市で行った卒業研究を要約します。早い内に本文(全69頁)を紹介したいと思います。


キーワード:ナマコ、中国大連市、消費者

1.問題意識の所在

中国では刺参と呼ばれるマナマコが高級食材として位置づけられており、日本国産のナマコ資源が確保されていることを前提とした上で、中国向けに輸出することは、漁業者の所得向上に直結する。しかし、日本側産地漁業者は、中国においてどのようにナマコが認識されているのか、十分に理解されていないのが現状である。 

  そこで本研究では、中国大連市におけるナマコ製品に焦点を当て、消費者のナマコ製品に対する認識や購入動機、消費動向などについて明らかにする事を目的とした。

2.研究の内容

はじめに中国におけるナマコの消費実態についての知見を得るため、文献調査、店頭のナマコ価格と他製品との比較、企業側のナマコ製品に対する認識、ナマコ産業関係者からの聞き取り調査などを行い、消費者のナマコ製品に対する認識、購入動機、消費動向について仮説を立てた。次に仮説の検証を行うため、大連市の消費者を対象に質問紙を用いた調査を行った。その後、調査結果をクロス分析し、仮説の検証を試みた。

3.結論及び考察

大連市はナマコ産業が盛んであり、最近はナマコ製品が多様化、高次加工化している。消費者はナマコ製品に対して健康に良い高級食品との認識がある。ナマコ製品の購入動機は主に自家消費向けであり、贈答品向けは少ない。消費者のナマコ製品購入頻度は低く、年に一回や半年に一回、あるいは購入しない消費者も多い。購入しない主な理由としてはナマコ製品の価格が高く、購入したくても購入できないという現状が挙げられる。贈答品向けには干ナマコが支持されており、主に両親やお世話になった人へ感謝の気持ちで贈答する。一方、自家消費向けにはレトルトナマコが支持されており、主に男性が消費している。ナマコ製品に対する認識、購入動機、そして、消費の関係は所得の差が大きく影響している。調査結果から、低所得者ほど購入に占める贈答用の割合が増え、高所得者ほど購入に占める自家消費の割合が増えている事が分かった。また、所得が高くなるほど消費頻度が高くなり、逆に所得が低くなるほど消費頻度が低くなっている事、高所得になるに従って、一日一回食べている消費者の割合が高くなる事などが分かった。このように、ナマコ製品を消費する上で所得の差が消費できるか否かに大きく影響していることが分かった。さらに、消費者の69%が所得の向上しだいでナマコの購入量を増やしたいと考えており、中国が今後も順調に経済成長した場合、大連市におけるナマコの消費はますます増加していくと考えられる。