
5種類の野ネズミのうち、広く森が伐り開かれた跡地の人工林では大発生を繰り返したのは草食性のエゾヤチネズミだけでした。これは、新しい植林地に食草が豊富に繁茂したからです。あの頃から50年ほど経ちました。植えたカラマツの苗木も背丈が20m、太さが30cmほどに育ちました。生育の途中に、周辺から広葉樹が侵入してきたため、いまでは天然林型の天然林方に似た森になりました。これにつれて木の実を食べるアカネズミやヒメネズミも戻ってきました。捕食獣としてのイタチやキツネや野鳥たちも加わり、いまでは、昔のような平和な森に戻りつつあります。天然林を広く丸裸にさえしなければ、特定の動物が大発生して、人間どもに逆襲して来ることはないのです。