大学紛争の嵐が吹き荒れていた1969年に、その頃、東大理学部・物理学科に在籍、学生運動の指導をしていた山本の『知性の反乱』を読みすごく感動した記憶がある。彼は卒業して予備校教師をつとめる傍ら『磁力と重力の発見』の著作で毎日出版文化省や大佛次郎賞などを得ている。この本は分厚く高かったので市図書館から借りて読んだ。
福島原発に関連する情報誌を本屋で探していて彼の『福島の原発事故をめぐって』を入手し夢中になって読んだ。「日本における原発開発の深層底流」「技術と労働の面から見て」「科学技術幻想とその破綻」の3章に分け、物理学者としての社会的責任を自覚しつつ書いている。