14.森に棲(す)む、アカネズミとヒメネズミ | 手稲山・発寒川からの手紙

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北海道の野生動物や自然の状況についてなど手書きの絵などによって詳しくお伝えします。

 北海道の森にすんでいる4種の野ネズミのうちのアカネズミとヒメネズミを紹介します。

 アカネズミは本州・四国・九州とここれの離島にも住んでいます。からだの毛は赤みがかった橙色をしているのでこの名がつけられました。体重は30gほど、体長は12cm尻尾の長さがこれより短めです。明るい広葉樹林草原や畑のまわりにもすんで、木や草のタネや穀物を食べています。現在の学名は「アポデムス・ペンスルーラー」ですが、以前は「アポデムス・アイヌ」と読んで北海道特産の種だと思っていましたが、染色体や遺伝子解析の結果、本州産のアカネズミと同種であることがわかりました。その頃、「アポデムス・アイヌ」にふくめ同種と考えていた、小型でよく似たアカネズミは、北海道以北にすむカラフトアカネズミ(アポデムス・ギリヤークス)だとわかりました。

 日本列島のヒメネズミは1種のみです。遠い昔、外国の学者が日本で採取し“お姫さん”にちなんで「アポデムス・ゲイシャ(芸者)」と名付けられましたが、現在は「アルゲンテウス」に変えられています。アカネズミにより小型の体重・体長ともに半分くらいで、体長より尾長がやや長めです。森林にすみ、針葉樹の小さなタネや虫などを主食にしています。私たちは、草食性・潜行型の野ネズミ(ヤチネズミやミカドネズミ)と比較して「種実食・跳躍型」のネズミと呼んでいます。



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