ネズミを追いかけてイタチがやってきた!(2) | 手稲山・発寒川からの手紙

手稲山・発寒川からの手紙

北海道の野生動物や自然の状況についてなど手書きの絵などによって詳しくお伝えします。

受けたという“ネズミ騒動”のテレビ放映がありました。また、同じ頃に道南からは、「川岸の草を食べ尽くし川に集団で飛び込んだヤチネズミのおびただしい死体を目撃した」という情報が研究室にもたらされました。



手稲山・発寒川からの手紙



森にすむ動物たち

 北国の森には、ふたたび静けさがもどってきました。チシマザサの一せい開花、大量の結実と落下が起きたとき、“草食い”のエゾヤチネズミが、雪下で穂を啄み多量に萌出したタケノコをその春、食べ、さらにササの実の落下後は、栄養価の高いササの実をたらふく食べて繁殖しました。その後、これに“種子食い”のアカネズミと雑食のドブネズミが加わり、さらに彼らを捕食するイタチやトビなどがササ枯れ地に侵入するという“食うものと、食われるものの関係”の壮絶なドラマ・・・大面積にわたるササの一斉開花、結実、枯死は、その森で100年に1度あるかないかといわれるほどの稀な・・・に、私たち研究者は幸運にも立ち会うことができました。この森では一時、大混乱におちいりました。しかし、大量に落下したササの実を食べつくしてしまうと、動物たちは、雨水が地面に吸い込まれるように、知らぬ間に森から消えて、ふたたび平和がもどってきました。