ここ数年、電線のリサイクルや貴金属・レアメタルのリサイクルという

看板を掲げた会社が多くなったと感じませんか?


リーマンショック以前に銅をはじめ、金やプラチナ、果てはステンレスやアルミと

いった金属類が高騰した時期がありました。

為替の影響やワールドワイドな資源への投資、世界中の経済動静が起因となり

日本国内の相場も上昇し、金属泥棒も頻繁に発生しテレビを賑わした事もありました。


その後、リーマンショックが起きて金属相場は大崩れ。

大きな痛手を被った企業様もたくさんありました。


もちろん弊社、前田金属所も例外ではありませんでしが、生き残っております。


金属リサイクルの企業は大きく分けて2つに分類されます。

1つは金属スクラップの排出先からスクラップを購入し、海外をはじめとした

リサイクル技術を保有する企業へ右から左で流通させる企業。

もう1つは自社でリサイクル技術を保有し資源として再生させる企業。


ちなみに冒頭でお伝えした看板を掲げている企業のほとんどは前者です。

右から左で流通させるビジネスは利益率が高く、人手もかかりません。

必要なものは『お金』だけと言っても過言ではありません。

しかし、買い取った時点から売却する時点で相場が下がっていればたちまち

赤字になってしまいます。

体力=お金の無い企業はどんどん潰れていきます。

相場を先見の明で見通したとしても、いつでも好きな時にスクラップを買える

訳ではなく、お客さんが持って来た時に買わなければ、そのお客さんは

他所にながれてしまうので買わなくては商売が続きません。

いわば、運・不運で商売が左右される要素が大きいのです。


さて、弊社、前田金属所はどうかと言えば、後者の自社でリサイクル技術を保有し

自社工場でリサイクルを行う会社です。


リサイクル技術の中でも廃電線から銅を取り出す、ナゲット加工がメインです。

排出先からお預かり、もしくは買取りさせて頂いた電線スクラップを自社の

リサイクルプラントにて粉砕・選別を行い銅ナゲットとして再生しております。


右から左へ流通させるビジネスに比べ、技術や設備、人手が必要であり

コストはかかってしまいます。

しかし、国内で発生したスクラップを国内でリサイクルし、国内で使用する。

その循環型社会の一翼を担っております。


それと、必ずしも買取りだけでなく、受託加工というスタイルもあります。

素材としてリサイクルされたものを自社で再利用をされる企業様であれば

一度、購入した原料を最後まで使い切る事が出来ます。


スクラップを売っておしまいという事ではなく、スクラップがどのようにリサイクルされ

しっかりと管理されて、再び流通に戻っていくかを知る事も企業活動においては

重要な事だと思います。