今日はガラスファイバーの粉砕加工をご紹介いたします。
依頼先はガラス繊維を扱う商社、ユージー基材様。
社名を出す許可を頂きましたので少しユージー基材様の紹介もさせて頂きます。
ユージー基材㈱様
住所は京都府の久御山町にあり、ガラス繊維の流通商社でもありながら、自社工場において
ガラス繊維をカットする技術をお持ちです。
ユーザーの用途に応じたサイズにカットする事により様々なアイテムへ利用されています。
特に使用用途が多いのはFRP樹脂の骨材であったり、耐熱・断熱素材の補強材です。
取り扱いはガラス繊維全般です。
もしガラス繊維を使用する案件等がございましたら、ご一報ください。
さて、では本題の弊社の粉砕加工についてです。
原料は上記のユージー基材様より納入して頂き、150ミクロンまで粉砕をしていきます。
カットされたガラス繊維の使用用途としては数ミリから数センチのものを使用する場合が
多いのですが(FRPの材料や断熱材の材料)、これは特殊な塗料と混合を行い、
耐熱塗料として使用します。
具体的には塗料とは違うのですが、読者の方々にイメージして頂きやすくする為に
あえて塗料と言わせて頂きます。
この粉砕されたガラス繊維(ファイバー)混合をした塗料を建物に塗る事で
防火・耐火処理を施すことができます。
万が一、火災が起きた時に火の周りを抑えたり延焼するのを遅らせる効果があります。
粉砕されたガラス繊維が数ミリというサイズでは大きすぎて塗料として扱えませんし、
粉体と言われる数十ミクロンでは細かすぎて耐熱の効果が薄れます。
またこのサイズにする理由としてはガラス繊維が塗料の中で重なり合う事により塗った素材
そのものの強度を高める事が出来ます。
ガラス繊維の直径は約5~10ミクロン程度ですので、150ミクロンに粉砕するというのは
非常に難しい内容でした。
大きいサイズならハサミのような機械で端からカットしていけばできます。
粉体であればひたすら粉砕をし続ければできます。
大きすぎてもダメですし、小さすぎてもダメです。
前田金属所では特殊な方法と機械設定と技術を駆使して安定して生産を行っております。
諸条件を変更する事で、100ミクロン単位でお客様のご希望にあった繊維長の粉砕品も生産する事が可能です。
そしてやってみて初めて知ったのですが、意外と1m/m以下の数百ミクロンサイズのガラス繊維の
粉砕品というのは世の中に出回っていないようです。
長い繊維長では成型しにくく、短い(細かい)繊維長では強度が出ないなどでお困りの企業様がおられましたら、ぜひ、ご相談ください。
過去のブログでも伝えしましたが、この中途半端な粉砕粒度に私たちは挑戦しています。
どんな難しい案件でも「No」とは言わずに挑戦し続けてまいります。