ここ堂森に無苦庵を築き

慶長七年(1602)

二月二十七日


前田慶次郎利貞 生涯の地          堂森善光寺-200912301141000.jpg
慶次郎殿は この道を通って

兼続殿主催の詩歌会に参加しました。

この道は無苦庵から北へ

高畠の亀岡文殊堂へと通じています。



夏   月

夏の夜の  明やすき月は 明けのこり

        巻をままなる こまの戸の内
                         利貞


暮 鷹 狩

山陰の くるる片野の 鷹人は

        かえさもさらに 袖の白雪
                         利貞 


船 過 江

吹風に 入江の小舟 漕ぎえて

        かねのをとのみ 夕波の上
                         利貞


閏 上 霰

ねやの戸は あとも枕も 風ふれて

        あられよこぎり 夜や更けぬらん
                         利貞


樵 路 躑 躅

山柴に 岩根のつつじ かりこめて

        花をきこりの おひ歸る道
                         利貞


亀岡文殊堂奉納詩歌  前田慶次郎利貞