上の兄の三回忌まで後５ヶ月。「こんな兄貴の面倒なんか見たくないから家を出る。」と両親に吐き捨てるようにして家から飛び出して会社の寮に住んで間もなく３０年が経つ。
歳を重ねる毎に、兄が遺してくれた金にはかえられないものは虎の威を借る狐ではなく立派な遺産所以の財産である。その一方で今の私に課せられたのは、障がい者福祉とは何か？自閉症の拘りは何か？を考えさせらるようになってきた。
福祉とは全ての人の幸福を願う意味である。今は私一人で生活をしているが、楽しかった思い出や辛かった思い出を胸にして、今後も精一杯頑張って行きたい。
ありがとう。兄ちゃん。
前田 直貴