左上の歯が竹を割ったように上から下まで割れてしまいました。通常は、破折すると抜歯の対象になりますが、ちょうどうまい具合歯根の分かれ目で割れていたので

外側の目立つ方を残して内側の歯を抜歯しました。





この部位での分割抜歯はあまりやらないんですが、審美的に得るところが大きいので、患者さんに説明のうえ保存しました。

 今は抜歯部位も治り、クラウンを装着しました。根っこが半分に減ってその分弱いので心配だったんですが、一応噛めるようです。よかった、よかった。


歯医者でもっとも恐れられている器具の一つ、抜歯カンシです。ペンチより


まだごっついもので歯をつかまれるんですからひと目みて、たいがいの人


はひるみます。


見ると怖いですから見ないようにしましょう。麻酔効いてるので痛くないは


です。


一番大きな大臼歯を抜くカンシがやはり一番大きいです。上顎用は奥に


入るように段がついています。









細いのは残根カンシです。折れた小さい歯根をとります。こいつがケッコウ


頼りになるやつなんです。よくお世話になります。


ついでにもっとみせると骨ヤスリです。尖った骨を丸くします。



乳歯用カンシは永久歯用に比べてかなりちっちゃくてカワイイ感じがします。




歯を抜かれるのはいやなものですが、術者の方にもストレスがかかるとい


われています。ストレスがかかかると出てくる物質に注目して、抜歯後、患


者と熟練した歯科医師の血中濃度を測ると歯科医師のほうが高かったと


いう報告もあります。人を傷つけにくいように、うまくできているもんですね。













ドライバーのようなものはへーベルといい歯を脱臼させて抜きやすくする


道具です。





骨さえあれば、インプラントをして良く噛めるようになるんです。でも骨がないことが

多いので歯科医は苦労します。GBR等骨を増やす手術が考案されていますが、たく

さんの骨を一気に作るのは見通しがたち難く、私自身は行うことは少なくなってきま

した。



 海外ではダイナミックに色々試みられていています。ある先生が外国の学会に行

て驚いたのは頭蓋骨の骨を口の中に移植するという話。そのイタリア人医師に、

穴があいた頭蓋骨はどうなるの?と聞くと「脳は大丈夫だけど穴は再生しないかも

ね。」だって。


 もちろん日本でもオリジナルな研究は進んでいます。フッ素加工した次世代細胞

遮断膜を使って、良い結果が報告されています。もしかすると日本発の治療が広く臨床で使われることになるかもしれません。