九州経済研究所さんが毎月発行している、鹿児島の経済がわかる情報誌KER6月号に文章を書かせていただきました。


◆◆◆


想像力を発揮して、「丁寧・本物」の枕崎市の未来を創る

 

 新型コロナ感染症が感染症分類5類に引き下げられ、いよいよポストコロナの新たな段階になりました。コロナ禍の間、本市では「雇用の維持、事業の継続」という課題に対して国や県の支援も活用しながら、市民生活を守ってきました。その中で、私が最も重要であると職員に対して求めたものは、「想像力を働かせる」ということでした。幾度も感染拡大を繰り返す先の読みにくい環境下、徹底した感染防止対策と社会経済活動の両立という難度の高い課題に対し、この先にどのようなことが起こるのか、現場に足を運び、事業者や生活者の声を聞き、常に想像力をフル稼働させ課題に向かおうと努めてきました。厳しい中にあっても、必ずやってくるポストコロナの新たな時代を想像しながら、若い農業従事者、水産加工業者などによる将来を見据えた積極的な取組が見られていることは、頼もしいかぎりです。

 その一方で、国に目を向けますと人口減少・少子高齢化による生産性の低下や、隣国の無秩序な行動による安全保障上のリスクなど、平和の実現、市民の暮らしを守るという政治の最も優先されるべき命題に対する持続可能性が危うくなってきている現状には、大きな危機感を持っています。特に少子化に関しては、政府が掲げる「異次元の少子化対策」について、その真っ只中にある地方都市の現状をしっかりと把握した上で根本的な課題解決につながる対策が立てられるかどうかを、しっかりと観察・検証しながら、地方からも声を届けていけるよう努力したいと考えています。まずは、若い世代の所得、雇用を改善させるためのマクロ経済政策が求められ、その中で地域で何ができるかを模索していかねばなりません。本市の強みである産業の競争力を高めていくことに、スピード感を持って取り組み地域経済を活性化していく、そのことがポストコロナの最優先課題であると認識しています。

 常に、社会全体を俯瞰しながら、地域のきめ細かな課題に対して取り組み、本市の魅力である「丁寧・本物」を広く発信できるまちとして成長してまいりたいと思います。


枕崎市長 前田祝成