この春、自衛隊に入隊される枕崎市出身者2人の入隊壮行会でお祝いの挨拶をさせていただきました。


今年は鹿児島水産高校を卒業された女性2人が入隊されます。




 この4月から自衛隊に入隊される、〇〇さん、〇〇さん、ご入隊おめでとうございます。

 また、保護者の皆様にはいろいろご不安もおありと思いますが、ぜひお二人を応援、後押ししていただければと存じます。

 今、不安と希望でいっぱいだと思います。お二人には、ぜひ、それぞれに自分自身の理想の自衛官像をできるだけ早く作って、頑張っていただきたいと思います。

 さて、近年、我が国を取り巻く安全保障環境は大変厳しい状況にあります。これまで以上に抑止力を高めることが要求されている状況です。

 ご承知のとおり、自衛隊の使命には国の領土、領海、領空を他国の侵略から守る「国を守る」という使命、そして「災害派遣」など国民の安全を守る使命があります。「平和」と「安全」、国の平和を実現し、国民の安全を守る、という使命です。「平和の実現と国民、市民の安全を守る」この使命は、私のような自治体の長や公務員である行政職員にも課された使命でもあります。しかし、私たちの場合は武力を行使して平和、安全を守ることはできません。そこが、自衛隊と私達の大きな違いです。ミリタリーとシビリアンの違いということです。

 私の尊敬するある作家のエッセーの中に「一級のミリタリーは、一級のシビリアンでもある」という印象深い言葉があります。これは、その作家がもう30年も前に、防衛大学校の卒業式の挨拶で言った言葉であると書かれています。私もまさにその通りだと思います。

 これから自衛隊に入隊する、高校を卒業したばかりのお二人には、少し難しいかもしれませんが、人類にとって何よりも優先される、最も大切な「平和の実現」のためには、単なる武力だけでなく、食糧や人の配置、チームのメンバーを動機づけるリーダーシップ、チームをまとめる力といった総合的な力量が必要になってくるはずです。そのような力を備えた一級のシビリアンたる一級のミリタリーを多く持つことで、自衛隊の組織力は必ず高まるはずです。

 お二人には、ぜひ、世の中で起こっている出来事を自分の目で観察し、学び、幅広い視点で、周りにも目を配ることのできる自衛官を目指してほしいと思います。

 冒頭申し上げましたが、抑止力を高めることは本当に重要になっています。私は、そういった中でも、多くの一級のシビリアンたる自衛官を輩出することで、戦闘に訴えずとも勝者であり続ける日本であって欲しいと思います。「勝者であり続ける」とは、「平和であり続ける」と言い換えてもいいと思いますが、お二人にはそのような「国づくり」に貢献していただくよう期待したいと思います。

 結びに、お二人の未来が充実した素晴らしい未来になりますよう、ご祈念申し上げ挨拶といたします。


枕崎市長 前田祝成