12月のコラムは、この1年。

想像を超えるいろんな出来事があったこの1年を振り返っています。


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難しい1年


 12月になりました。今年一年をひとことで言うと「難しい1年」だったと思います。

 2年前から続いているコロナ禍の中で新しい年を迎えた翌月2月にはロシアがウクライナへの軍事侵攻をはじめました。世界中が、「まさかしないだろう」と思っていたことをあっさりと実行に移したことに大きなショックを受けました。その後の世界へのさまざまな悪影響はご承知の通りです。軍事的なリスク拡大はもとより、エネルギー資源の不安定化を生み、エネルギー価格やさまざまな原材料価格の高騰など、わが国経済へも大きな影響を及ぼしました。

 そして7月、参議院選挙の最中に安倍晋三元首相が無秩序なテロリストの凶弾に倒れました。選挙の街頭演説中に日本のリーダーの一人が暗殺されるというまさかの事件が起こってしまったことにさらに大きなショックを受けました。(安倍元首相の経済政策であるアベノミクスの功罪についてはさまざまな評価がなされていますが、今回の安倍元首相の死去でマクロ経済への視点、積極財政政策への空気がトーンダウンしていることは今後の不安材料だと思います)

 コロナ禍が始まって、私は想像力をフル稼働させてこの難局を乗り切る必要があると常に話してきましたが、国連常任理事国の軍事侵攻、元首相の暗殺という出来事は想定外の出来事でした。また、日本のコロナ対策は欧米に比べて一周遅れの感があります。それらさまざまな不確定な要素はありますが、それでも新しい年はやってきます。

 この原稿を仕上げているとき、サッカーワールドカップの初戦で日本代表がワールドカップ優勝4回を誇る強豪ドイツ代表に勝利するというサプライズがあり、日本中が歓喜に沸いています。しかし私たちからはサプライズと見えるこの結果も、選手、スタッフにとっては必然だったのではないかと思います。素晴らしい「準備」の結果だと感じます。私たちも難しい1年を終えて、新しい年に向かって、いい準備をしなければなりません。

 

枕崎市長 前田祝成