4月のコラムは「戦争と平和」。



戦争と平和


 「平和」について、「戦争」について、今、人類につきつけられている重要な課題を目の前にして考えあぐねている自分がいる。この原稿を書いている3月29日現在、ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻は続いている。この原稿が掲載されるときには、停戦が合意されていることを望まずにはいられない。

 2月24日の侵攻開始からもう1ヶ月以上が過ぎている。

 「戦争と平和」、戦争の反対は平和、平和の反対は戦争、それはあまりにも短絡的で、平和とは何かと考えたとき、人類が求める最高の目的が平和、平和の樹立こそ人間社会の最高の目的であり、平和を実現する手段にはさまざまなものがあるが、その手段として「武力の行使」だけは絶対に無い、ということだけは言える。

 今、ウクライナで起こっていることは間違っている。しかし、その事実を間違いと認識していない国のリーダーが存在している事実に強い憤りを覚える。

 では、戦争の反対は何か。戦争を終わらせるには、そのことを考える必要がある。戦争の反対は、話し合い。武力行使への対処は、防衛、抗戦、武力以外では経済制裁、などあるが、最後は和平交渉、停戦交渉、つまり話し合いしかない。早い段階から交渉のテーブルに着こうとする侵略を受けた側のトップ、ゼレンスキー氏はその話し合いを有利に進めようとさまざまな手段を使って世界を味方につけようとしている。彼にとっての目指すべき場所は、世界を味方につけることではなく、その先の平和、自国の平和こそが目指すべき場所、つまり人間社会の最高の目的のために、武力行使以外のさまざまな手段を駆使しているのではないかと想像する。

 目的とその手段。仕事を進めていく上で、常に意識しておくことが必要と感じている。両国のトップの目的が、「平和の樹立」であってほしいし、そのことを認識してほしい。


枕崎市長 前田祝成