令和4年施政方針で発表しました「第六次枕崎市総合振興計画(平成28年度~令和7年度)」の6つの政策課題に沿った具体的な施策を下記に記します。


枕崎市長 前田祝成





「豊かな人間性と文化を育むまちづくり」

(政策課題⑤)


 本市の教育委員会では、児童生徒の教育の重点として、三つの教育を推進します。一つ目は、教えること、育むことにメリハリをつけた「教育」、二つ目は、学校、家庭、地域社会の三者が緊密に連携した「協育」、三つ目は、故郷を学び、故郷に学び、故郷に返す「郷育」です。

 学校教育については、知・徳・体のバランスの取れた児童生徒を育成するため、確かな学力の向上や豊かな心を育む教育の充実を図ります。同一校区に一小一中である本市の特色をいかして、小・中連携教育を推進し、研究指定を受けている学校が「学び」「心」「体」「家庭・地域」の四つのつなぎを重点化した研究の成果を公開します。

 また、国の「GIGAスクール構想」による、各学校に整備された一人一台のタブレット端末については、オンライン学習やAIドリル等の活用を更に進め、ICTを効果的に活用した個別最適で協働的な学習を実践していきます。

 さらに、特別支援教育や教職員を対象とした研修の充実を図り、教職員一人一人の指導力の向上を目指します。

 今後とも、児童・生徒の感染防止対策に引き続き取り組むとともに、ポストコロナを踏まえ、これから先の予測困難な時代を生き抜いていくために、夢を持ち、夢に向かって努力し続けることの大切さを実感できる体験的活動を推進します。

 学校施設については、学校施設長寿命化計画に基づき、枕崎小学校の長寿命化改良事業を二か年で実施するほか、立神小学校の非構造部材耐震化(外壁落下防止)事業や、小学校の学校遊具の更新など、施設の適正なきのうや役割などを考慮しながら、老朽化の進む施設・設備の補修等を年次的・計画的に実施します。

 学校給食については、安心・安全で魅力ある学校給食を実施するとともに、地産地消の拡大や食育の充実を図ります。

 生涯学習の推進については、市民の多様な学習要求に応えるとともに、市民が心の豊かさを実感しながら充実した生活を送れるよう、積極的に学習活動に取り組める環境づくりを推進します。

 青少年の育成については、引き続き家庭教育への支援や豊かな体験活動の機会の充実を図ります。

 また、地域全体で子どもたちの学びや成長を支えるとともに、学校を核とした地域づくりを目指して、学校と地域が相互にパートナーとして連携・協働して行う地域学校協働活動の積極的な活用を図ります。

 社会教育施設については、新年度は、市民会館の管理棟のトイレの様式化、多目的トイレの整備のほか、ホール棟の外壁、屋根の改修、WiFi設備の整備など、災害時の避難所としての機能性の向上も合わせた大規模改修工事を行います。また、他の地区公民館についても、今後計画的に整備を進めます。

 昨年四月にリニューアルオープンした市立図書館については、図書館システムの普及を更に促進するとともに、利用者の利便性、安全性の向上を図り、地域の情報拠点として、蔵書や各種資料の充実を図ります。

 スポーツによるまちづくりの推進については、新年度から指定管理者制度を導入し、効率的なスポーツ施設の運営や民間のノウハウの活用によりスポーツ振興を図ります。また、野球チームなどスポーツ団体のキャンプ・合宿の誘致や大会の開催を推進し、令和二年度から改修を行った市営野球場を始め本市体育施設の積極的な利用を促進することで、関係人口の増加と地域コミュニティの活性化を図ります。今後も体育施設の整備を計画的に進め、市民のスポーツへの参加促進や、健康増進・体力向上を図り、スポーツをいかした地域づくりを推進します。

 本年度、市営野球場では大型ビションやステージの新設など施設整備が進んだことで、スポーツ分野だけでなく文化的なイベントを実施するなど多目的な活用を進めます。

 二〇二三年十月に開催が決定した「燃ゆる感動かごしま国体」については、本市で行われるなぎなた競技会の広報・啓発を更に推進します。

 芸術文化のまち枕崎を深化させるため、文化庁の補助事業や民間の助成金の制度等を活用し、アートミュージアム拠点「南溟館」推進事業を引き続き実施します。

 本年度は「未来」をテーマに、「野見山曉治展」や「動くゴッホ展」を南溟館で開催しましたが、新年度は「海」をテーマに、夢と希望を与える特別企画展を開催します。また、秋に「第三回枕崎国際芸術賞展」や街中アートストリートを散策するイベントを開催し、南溟館の魅力・価値を高めていくとともに、関係人口の増加を図ります。

 南溟館が開催する企画展を一層充実させ、文化振興に寄与するため観覧料を改定します。

 伝統文化については、郷土芸能・伝統行事の保存・伝承及び後継者育成への支援を図ります。また、文化財の管理においても、その保存と活用のための対応を充実するとともに、学校教育や生涯学習等での効果的な活用を図ります。



「着実な歩みを進める連携と協働のまちづくり」


 男女共同参画の推進については、本年度中に策定する「第三次枕崎市男女共同参画基本計画」に基づき、男女共同参画社会の実現に向けた施策を総合的に推進します。

 多様化する住民ニーズや新たな行政課題等に対応するため、研修計画に基づいて引き続き職員研修を実施し、職員の資質向上を図ります。

 また、本市女性職員の活躍推進に向けて、これからの働き方やキャリアを多面的に考え、ワーク・ライフ・バランスを実現しながら、いきいきと働くための考え方などを学ぶ研修を実施します。

 国の推進するデジタル社会形成に向けて、マイナンバーカードの更なる普及に取り組むほか、マイナンバーカードを活用した転出・転入手続のシステムを構築し、手続の時間短縮・ワンストップ化を進めます。

 庁舎の整備につきましては、本年度実施した本庁舎一階の案内表示板等の設置に引き続き、新年度は照明のLED化改修工事を実施し、市民の利便性の向上と電気使用量の軽減を図ります。

 金山小学校跡地の活用策については、本市が抱える地域課題をデジタル技術の活用により解決していくためのデジタル活用推進拠点としての機能を持つ施設の整備を行います。

 施設の利活用者と連携して、IT人材の育成や地域産業のIT導入支援等による雇用の創出や産業競争力強化など、地域経済の活性化を図ります。

 広域行政については、引き続き、近隣の自治体と連携した中で、事務の共同処理等による効果的・効率的な展開を目指すほか、南薩地域全体の発展の核となる道路網の整備、JR指宿枕崎線の存続と利活用の促進についても一体となった取組を進めます。