本日から9月定例会の一般質問が始まりました。

 

今回は、2日間で11名の議員さんに登壇いただきます。

 

その1番目の議員さんからの質問で、3年前の選挙公約の現状についての質問がありましたので答弁をアップいたします。

 

(長文です)

 

市長選挙での私の訴えですが、産業競争力の向上、子育て支援、コミュニティの再構築を3つの柱として述べさせていただいておりました。

 

まず、産業競争力について、本市は元来、産業競争力を強みとして地域経済を牽引してきた歴史があります。

 

3年前、私の選挙での訴えの1番目に産業競争力の向上を掲げたのは、本市のその強みをさらに強くして、今後も経済を牽引していくことが本市のさらなる成長につながるとの考えからのことでした。

 

その時の私自身の本市の産業についての見方は、まず一次産業の農林水産業に関して申し上げますと、従事者の高齢化、次世代の担い手が少ないといった課題がある一方、お茶や花き、畜産などの中でも比較的規模の大きな農家においては一定の後継者がおり将来に期待する部分も十分にあると評価しておりました。

 

一方、需要の面では生活者の嗜好の変化、例えば、お茶で言えばペットボトル茶飲料の台頭、花きでは葬儀や墓参りなどの生活習慣の変化などにより、新たな需要創出の課題を抱えている状況であるということも認識しておりました。

 

農業に関しては、就任後も市場価格の低迷などもあり、これらの課題に対して抜本的な解決を見ていない状況であると認識しております。

 

質問者の言われるとおり、現役・将来世代への利益と申しますか投資という部分は産業の未来を作っていく上でも重要と考えておりますので、今後も相応の取り組みを行ってまいりたいと考えております。(質問の中で、質問者は「現役・将来世代の利益か、高齢者の利益か、となれば現役・将来世代の利益を優先する」と発言があったことを受けて)

 

また、水産加工業を中心とした食品製造業に関しては、本市の最も強い産業部門であり、私が選挙を戦っていた3年前当時から和食の世界遺産登録等の追い風もあり、枕崎の存在感を最も発信できる産業であるという認識でした。

 

この点は就任後も、水産庁漁港漁場整備事業等を積極活用しながらチャレンジングな事業が推進されており、産業競争力の向上につながっているものと考えております。

 

細かく見ていきますと労働力の確保や食品衛生法の改定など足下の課題もありますが、組合や個々の事業者の企業努力で前に進んでいるものと認識しております。

 

また飲食業やその他サービス業についても、私の就任当時から意欲のある若手経営者の皆さんが前向きに取り組んでおり、街の賑わいに貢献していただいていたと認識しております。

 

政策の成功事例ということですが、ふるさと納税の制度を活用した、枕崎ブランドの発信に関しましては一昨年度の8億700万円、昨年度の27億4000万円という寄附額が示す通り、大きな成果だったと思っております。

 

しかしながら、この半年間の新型コロナウィルス感染症の地域経済への負のインパクトは非常に大きなものがあります。行政報告でも申し上げましたが、すべての産業において雇用の維持と事業の継続という当面の課題に対して行政としてきめ細かく対応していかなければならないのが現状であると認識しております。

 

2つ目の子育て支援についてですが、特に学校教育の面について就任前の私の認識と就任後の認識で大きく違った部分がございます。

 

就任前は、近い将来の学校の統合というのが現下の本市の課題であると認識しておりましたが、市長に就任して実際の本市の学校教育の状況、地域と学校の関係性、そして教育行政の現状を総合的に判断した時、4小4中の体制、そして各校区の小中学校連携教育の強みをさらに磨き、可能な限りこの体制を継続していくことが本市学校教育の進む方向だと認識いたしました。

 

これらは、実際の学校訪問、1回目の市長と語る会での議論を通じて、私自身が皮膚感覚として感じたものです。

 

外からの視点と実際の現場での感じ方の違いを学ばせていただいたところです。

 

政策としては、給食費について、今年度から実施しました就学援助費および特別支援教育就学援助費の対象となる世帯への給食費助成の支給割合を、80%から100%に引き上げたことは一つ成功事例と考えます。

 

3つ目のコミュニテイの再構築ですが、この点はまちづくりの根幹をなすものと感じており、その取り組みはソフト面、ハード面含めて多岐にわたるものだと認識しております。

 

就任後も様々な課題が見えてきております。

 

市民と市役所・行政とのコミュニケーションのあり方についても私自身の情報発信を含めて、さまざま課題に取り組んでいるところです。

 

ハード面で申しますとコミュニケーションの新たな手段としてのコミュニティFM開設も公約に挙げていたわけですが、この点については現在、他の自治体のFM局の視察や開設する場合の問題の洗い出しなど研究を進めております。

 

コミュニティの再構築については市民の暮らし全般についても多くの取り組み課題がありますので、この先も市民生活を豊かにするための取り組みを職員の知恵を総動員して進めてまいります。

 

この2年半での成功事例については、現在コロナ禍で中断を余儀なくされているものもありますが、高血圧ゼロプロジェクトや地域包括支援の活動範囲の拡大やブラッシュアップ、私自身の情報発信の点で申し上げますと、市長と語る会の開催、広報まくらざきへのコラム掲載などの取り組みを挙げさせていただきます。

 

長くなりましたが、以上、答弁させていただきます。

 

枕崎市長 前田祝成