本日、6月定例会の一般質問でした。



新型コロナウイルス感染症による本市経済への影響に対する本市の経済支援策の全体的な考え方、方針を答弁する機会をいただきました。今後の感染症との共存、地域経済活動の回復というテーマにおいて非常に重要な答弁になったのではと感じております。その大まかな内容をご紹介したいと思います。




まず前提として、この新型コロナの影響は長期に及ぶであろうと考えております。今回の感染症拡大による経済的な影響は、ローカル(地域社会)に発生し、さらにグローバル(輸出入、貿易)に拡大、その対応の巧拙によってはフィナンシャル(金融)にまで影響が広がると考えています。ローカル経済のところでも地方経済から、さらに国内経済(ドメスティック)、グローバル経済においてもインバウンド、アウトバウンド、というステップを踏んで影響が拡大するものと思っています。


リーマンショックの時はまずフィナンシャル(金融)に影響がおよび、その影響がグローバル、ローカルと伝わり、地方への影響波及には時間がかかったと認識しておりますが、今回はまずローカル経済を直撃してリーマンショックの時と逆の流れで影響が広がっていると感じています。


さらに悪いことに、今回の場合はその影響が、こんどはフィナンシャル、グローバルからローカルへ折り返してくるのではないかと危惧します。そのような経済の流れをイメージしますと、ひじょうに長期に渡って影響が出てくると思いますし、その影響も大きいものになるのではと考えております。


さて、本市独自の支援策の考え方ですが、そのような影響が長期に及ぶであろうことを頭に入れながら、それぞれの事態、状況をきめ細かく見つつ対応を図るべきだと考えています。


ここからは私の考え方ですが、他の自治体等では、コロナ禍発生の早いタイミングで市民に定額の商品券が配られたり、一定の売り上げ減少があった事業者に対して支援金が出されたりといった施策があることは当然、承知しています。そのようなスピーディな施策が評価されているとも承知しています。


一方本市は、雇用の維持、事業の継続を最優先課題と考えて、国の雇用調整助成金の活用に対する支援や、飲食業・サービス業などの小規模な事業者に対する賃料補助など固定費負担分の支援で事業継続、雇用維持を図っていただくという施策を実施しました。


国や県からも様々な支援策が示されていますが、その支援策も活用しながら、目的である事業者の事業継続、市民の雇用の維持を図っていこうと考えます。


国の施策でいいますと、一律10万円の特別定額給付金や事業者向けには雇用調整助成金はもちろん、持続化給付金、家賃補助などの支援、農政施策においては高収益作物(花き、お茶、果樹など)に対するかなり手厚い補助金が示されるなど、感染症による影響を見ながら政策が追加、変更されてきており、今後もその動きには注視する必要があります。


県においても、休業協力金や飲食店のデリバリー取り組みへの奨励金などその時々の影響を踏まえながら施策の追加等がなされている状況です。また、本県においては7月の県知事選挙を控えており、候補者の公約等にもすでに交付金だけでなく、財政調整基金の投入を検討するなど踏み込んだ支援策を公約に掲げている候補者もおりますし、今回のコロナ対策の具体案が多くの候補者から示されることも考えられ、そのような政治日程も考慮に入れる必要があります。


先ほどは各自治体の施策について申し上げましたが、それぞれの施策については相当な額の経費がかかっていると思われます。例えば、1万円の商品券配布を本市が約2万人の市民に配布するとしたら2億円を超す経費がかかります。減収事業者向けの支援金に関しても相当額が予想されます。これらの施策の後に国からの国民ひとり10万円給付金が発表される、あるいは減収農家等への一律支援金施策の後に、高収益作物に対する手厚い補助金が示されるなど、当初の予算が「生きたお金」として認識されにくくなることが起こっているのではないでしょうか。


冒頭申し上げましたが、この新型コロナは長期戦です。第二波、第三波にも備える必要がありますし、国も10兆円に及ぶ予備費を計上しております。今後、国や県の支援策を、ある意味、強かに活用する、それでも届かないところ、必要なところには、もちろん本市独自の対策を図っていくというのが現在の私の経済支援策に対する考え方です。持続可能な事業経営に資する支援を行ってまいります。


厳しい状況ではありますが、他のご質問でもありましたが東京一極集中の是正への動きなど地方都市にとって追い風になるような部分もありますので、そういったところでの「生きたお金」の使い方を、財政状況等を踏まえ、交付金なども活用しながら、積極的に行って地域経済の活性化、持続可能な産業構築を図ってまいりたいと考えます。国の二次補正予算も国会を通過(6月12日)いたしましたので、本市としての次のアクションを早急に立てて、ウイズコロナ、アフターコロナに向けて職員の知恵を総動員して経済対策に取り組みたいと考えます。




上記が答弁の主な内容となります。明日も2名の議員さんの一般質問があります。なんといっても今いちばん重要な課題は、新型感染症についての市としての在り方です。市民のこれからの生活を最優先事項として、質の高い議論を進めてまいります。


枕崎市長 前田祝成