本日(8月16日)第3回新薩南病院基本構想策定委員会において、新薩南病院の移転候補地が加世田村原に一本化されました。


場所決定のプロセスを確認すべく会議を傍聴させていただきました。


最終的な候補地として南さつま市加世田村原と南九州市川辺永田の二ヶ所に絞られておりましたが、南九州市が推した永田は民有地で、令和4年開設を目指す候補地としてクリアしなければならない条件のハードルも高く、最終的にはその不確実性が指摘され加世田村原に一本化された形になりました。


が、会議の進め方、議論の流れを見る限り、「南さつま市加世田村原ありき」で進められた感は否めない、なんとも虚しい会議でした。


今回の新薩南病院移転新設の一番のポイントは今後、南薩医療圏、特に指宿地区を除く旧川辺郡区(南さつま、南九州、枕崎)に存続が難しいとされた周産期医療を請け負える医療機関であるということ。


さらに、薩南病院に以前は設置されていた小児科、整形外科を復活させること。


そして、南薩医療圏の災害拠点病院としての機能を強化すること。


など、これまでの薩南病院をさらに機能強化し南薩医療圏の中核的な公立病院としてその価値を高めていくものと認識しておりました。


ところが、今日の会議ではそのための最適地の決定というより、現在の薩南病院の患者の継続性、医師や職員の仕事の継続性、南さつま市との関係性、といったなんら未来志向や新しいチャレンジ精神の感じられない議論に終始し、新病院の経営改善、事業継続性、新価値創造といった未来に希望の持てる会議にはなっていませんでした。


どちらの場所が、新病院の価値創造強化のために最適か、域内の利用者のアクセスであったり、ヘリポート設置の話もありましたがその立地条件としてはどちらが最適か、災害拠点病院としての立地としてどちらが最適か、それらの視点が場所、最適地を決定する上で必要であり、その議論が明らかに不足していました。


事業を進めて行く上でどちらが障害が少ないか、ハードルが低いかを決める会議なら、会議を開く必要はありません。


そんなことは、誰が見ても明らかです。


新薩南病院の価値を高めるためにどこに建てるかは、さまざまな要素をテーブルに上げて議論すべきでした。


今回の基本構想策定委員会は、当初、本市に参加メンバーとしてのお声掛けが無かったというところからも、非常に偏った閉鎖的な印象を持ちましたが、今日の会議はまさにその印象が強まるだけのものでした。


いずれにせよ、新薩南病院にはこの人口減少が進む南薩医療圏のすべての市民からの大きな期待があるはずです。


その期待に応えられるような医療機関としての充実を望みます。


枕崎市長 前田祝成