制限の中にある極上 | 前田文香オフィシャルブログ Powered by Ameba

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一日をスタートする前や


ゴールした後は


楽しく喜びを感じているのだけれど



総体的にみて


レースが始まれば 大目に見ても


9割は苦しく 楽しいのは1割ほど


荷物ははっきりいってストレスだし



肩や腰に当たる所が傷む…



三分も走れば 汗は全身を覆いつくして





シューズの中の足は





日に日に水膨れやマメが増えて 


二日目が終わったあたりから 


両親指の爪が赤黒く腫れて浮いてきた







石がゴロゴロする道を走ると


気をつけていても 


シューズの外側から親指めがけて


何度も石がぶつかってくる


飛び上がる暇なく 全神経が足元に注がれて


次の足のやり場を瞬時に選ぶ 



それでも容赦なく 沢や泥沼が飛び込んできては



足首までを浸して



そんな道でうろたえてる暇なく



段々それも楽しくなるほど




三分休憩すれば 歩き出す度



固まって痛い筋肉が循環するまで



三分つらい時間を要する

    





歩きながらの行動食のメインは 


自分で作って焼いた


エナジービスケット 



おまけに入れたぬれおかきは 重たかったから



一日一個限定



取りだしやすい腰にあるポケットには





これら一日分を詰め込んで


さらにミルクキャラメルなんかも


美味しくて 元気がでた







時折眼下に見える景色は 自分へのご褒美みたいだったな






レースで用意されている 飲料水は


もちろん白山の水







静かな山の中



土を踏みしめる 自分の足音 



腹からの息づかい



どこか高い木々から届く鳥の声 蝉の音 



山の水しぶきが岩にあたる音が聞こえてくるころ



空気が一気にヒンヤリして からだの熱を奪ってくれる





日に日に身体が山に溶け込んで



白山と一つになってゆくよう





これだけしかないけど



これはもしかして  極上の世界…