淡路さんが亡くなって以来、今夜僕と二人でのんだ。その時、社長は初めて教えてくれた。
それは、淡路さんとの最期の会話だ。
淡路さんはこう言ったという
私が死んだら、しっかり焼いてよ!
ミディアムレアは嫌よ!社長が答える。
頑張って最後まで見届けるからね!
静かに笑いながら、淡路さんは次にこう言った。遺骨はさんコツしてね?散骨の場所は、銀座。1丁目から8丁目全部ね!
撒いたらすぐに拾ってね。迷惑がかからないようにしたいから!
でも、許可がでないかもね。でも、大好きな帝国ホテルはどうしても撒いてね。
社長は困ったけどOKサインを出したという。淡路さんの瞳からゆっくり涙が枕に落ちた。社長は涙をふきながら思い切り笑いながら、自分もポタポタ落ちて仕方がなかったそうだ
社長は元タカラジェンンヌ、淡路さんは元松竹歌劇団出身。踊り子同士の長年の友情を、あらためて感じた。いい話を聞き私はかなり酔っていた。