(この顔は、この行方不明事件を考える上での大きなヒントではないかと、わりとマジで思ったりする)
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引き続き、補足的な情報をこまごまと。(天気のことや沢、川のことなど)
■ キャンプ期間中の天気
小倉家が参加したグループキャンプは、2019年9月21日(土)~9月23日(月)の、2泊3日の予定だった。
もともと9月21日(土)には、美咲ちゃんが通う千葉の成田小学校では運動会が予定されていたが、台風17号の接近に伴い、9月24日(火)に延期になっていた。
その台風17号の、9月19日(木)15時の時点での進路予測が下の画像。
キャンプ初日(21日)と2日目(22日)で、台風はこの位置と予測されていた。
23日は、昼頃にはキャンプ場をチェックアウトして、千葉に帰る予定の日だった。
9月20日(金)---キャンプ出発の前日、気象庁は、台風17号の進路や、各地方の風雨について「警報級」「警報級の可能性」の有無に関するテレビ会見を行っていた。その時の資料が以下。
予測がこれだったので、山梨あたりでのキャンプを予定していた人々の中には、当日の天候を楽観視した向きも多かったのではないかと。
それでは、キャンプ期間中の実際の天気はどうだったのか。道志村のデータは見当たらなかったので、同村に比較的近い「大月市」におけるデータを見てみると(下図)、
風については、キャンプ初日~3日目まで、問題ないレベルかと。
しいて言えば3日目の13時以降すこし強めになっているものの、そもそも3日目は昼頃にはチェックアウトして千葉に帰る予定の日だった。
また雨についても、2日目の19時~23時にかけて1時間に1.5~3ミリと、そこそこ降ってはいるものの、これも、「その中でキャンプをしていることがあり得ない~非常識なレベルの雨量か?」というと、そうは思われないのだった。
仮に小倉さん達のグループが、天気予報の内容からキャンプ期間中の天気を楽観視していたとすれば、実際の天気も、その楽観的な見立てとそう大きくたがわないものだったと言えるのではないかと。
下の画像は、2019年9月21日正午頃の「道の駅どうし」の様子で(行方不明発生現場からは西に7kmほどの地点)、ユーチューバーの「プリパルライダーズ 娘とタンデム」氏の国道413号ドラレコ動画からお借りしたもの。小倉さんたちのキャンプ初日の、キャンプ場付近の空模様や人出の様子を窺い知ることができる。
ちなみに、当初運動会が予定されていた9月21日(土)の成田市の天気がこれ。
風が午前中に風速5m前後吹いているものの、運動会をやろうと思えばできた天気ではないかと。しかし「瞬間最大風速」ということもあるし、何かにつけて責任責任と騒ぎ立てる社会的風潮の中では、この天気でも「大事をとって24日に延期してよかったね」となるのかもしれない。
テントの使用目安
いずれにしても、当時の天気予報の内容からすれば、小倉さんたちのグループが、何か「とんでもない暴風雨に直撃されるのを分かっていてあえてキャンプを強行した」とかの状況ではなかった・・・ということが読み取れるのではないかと。
■ 椿沢と道志川
椿荘オートキャンプ場内には「椿沢」という沢が流れており、キャンプ場の北側には本流である道志川が流れている。
上の画像中、道志川には3つの橋が架かっている。
「美咲ちゃんの最後の目撃地点」からそれら3つの橋までのルートを、水色・ピンク・黄色の線で示してみた。それぞれの距離は、約1.1km(水色)、約950m(ピンク)、約1.2km(黄色)。
(ちなみに、美咲ちゃんの最後の目撃地点から椿沢と道志川の合流点までは、直線で約500m。)
いずれにしても、行方不明となった現場あるいはその近辺にこうした水の流れがあるということで、美咲ちゃんについては、
「椿沢か道志川で溺れて、流されてしまったのでは?」
という見方があった。
『仰天ニュース』でも、警察は当初、椿沢に流された可能性を疑ったとされていた。
現場近くに沢や川がある以上、真っ先に溺死と下流に流されたことを疑ったのは当然なのかなと。
ただ、道志川はともかくとして、椿沢に関して言えば、その流れのところどころに、子供にとっては危険かと思われる程度の深み(落ち込み)はあるものの(深さ1mを超える部分も数か所あるとのこと)、
全体的には浅く狭く、その狭隘な流れの中に大小の岩がいわば障害物のように無数に存在しており、上流からの物体が引っ掛かりやすい---スムーズに流れていきにくい---状況となっているため、
身長125cmの小1女子が仮に足を滑らせ転倒して頭を打ち1m程度の深みで溺死するところまでは考えられるとしても、
その遺体が途中どこにも引っかからず下流まで(本流である道志川との合流点まで)流されていくだろうか?と考えたとき、とてもそうは思えないものがあるのだった。
椿沢について、『仰天ニュース』から。
美咲ちゃんの最後の目撃地点にほど近い「椿二の橋」から、椿沢の上流を望む。(画像はだてレビさんの現地調査報告動画からお借りしたもの。)
アングルを変えて、椿二の橋と、椿沢。
西の森キャンプサイトの河原(椿沢)。
椿沢の捜索の様子。
狭くて浅くて岩ゴロゴロの椿沢とはいえ、その時々の雨量によっては、人を飲み込み本流(道志川)との合流点まで押し流す危険な流れに変貌することがあるかもしれない。
では椿沢は当日、そうした危険な流れに変貌していたのか?・・・ということを推し量るべく、キャンプ数日前からの現地の雨量を見てみると(ここでも、道志村のデータが見当たらなかったので、同村に比較的近い「大月市」における9月の日ごとの値を見てみた)、
水色の部分が、グループがキャンプを予定していた3日間(9月21日~23日)。
それより前の降雨といえば、9月8~9日にかけて2日で70ミリを超える雨量が記録されている。
しかしその後はご覧のとおりの0ミリ続きであり、16日に3ミリ、18日に7.5ミリを記録し、その後0ミリが2日続いたあとでキャンプ初日を迎えている。
山(椿沢の源流付近)の天気は里(大月市)の天気とは多少違っていた可能性があるとしても、行方不明当日に椿沢が人を押し流す激流に変化していたとは、こうしたデータから読み取れるとは思えず、『仰天ニュース』の取材でも、当日の椿沢に人を押し流すような水量はなかったとされていた。
ちなみにこの画像の(再掲)、
上の画像のピンク文字のAの地点の椿沢の様子が次のような感じ。
椿沢に関しては、よほどの豪雨か長雨で増水していなければ、遺体がどこにも引っ掛からず本流(道志川)まで運ばれていくとは思えないものがある。
美咲ちゃんが椿沢で溺れ、流されてしまった可能性は、とりあえず排除ということでよいのではないか、と思う。
「水に流されたケース」として他に考えられるのは、美咲ちゃんが何らかの理由で本流(道志川)まで移動し、そこで溺れ、流された可能性かと。
道志川の捜索の様子。
ただ道志川についても、川幅は椿沢よりは広いものの、基本的には浅いため、人が溺れて淵に沈むということはあるとしても、
遺体がどこにも引っかからず、打ち上げられもせず、人目に触れないまま下流のダムまで流される等して、捜索しても全く見つからない・・・なんてことがあるだろうか?という疑問はある。
道志川、1枚目は道志川温泉「紅椿の湯」の近く。2~3枚目はそこから1~1.5kmほど下流の様子。
また、道志川での溺死を考える場合には、川の浅さ云々以前に、そもそも小倉美咲ちゃんという人が果たして本当に、最後の目撃地点から道志川までの、友達の影すら見えない1kmかそこらの寂しい道のりを
「引き返す」
「人に道を尋ねる」
とかの選択肢も取らずにひたすら歩き通し、その挙句、
「橋から転落した」
「誰もいない岸辺に分け入り、何を思ったか、知り合いの影すら見えない川に足を踏み入れ、溺れて流されてしまった」
というようなシーンを想定するということになるかと思うのだが、
この子は果たして本当にそこまで思慮の足りない子だったのかどうか?・・・ということを、この顔をまじまじと見ながら、考えてみる必要があるのではないかと思う。