ヒンターカイフェック殺人事件(警察学校生徒らの卒論の件で、追記) | 雑感

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ヒンターカイフェック殺人事件

 

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去る3月26日、実の娘(当時19)と性交した父親が「準強制性交等罪」に問われた事件で、名古屋地裁岡崎支部が無罪判決を言い渡し、人々に白目をむかせました。

 

100年前のドイツで実の娘ヴィクトリアと性交した廉(かど)で、1度の収監と1度の身柄拘束を経験したアンドレアス・グルーバー(ヒンターカイフェック殺人事件の被害者の一人)が、「100年後の日本に生まれればよかった・・・」と、あの世で地団太を踏んでいるかもしれません。

 

そのヒンターカイフェック殺人事件についての追記ですが、昨年に書いた「その2(事件の概要)」の最後のところで、

 

「2007年、ドイツの警察学校の生徒らがこの事件をテーマとして分析を試みた。生徒らの出した結論としては、あまりに原始的な当時の捜査に加えて、85年もの歳月の中で証拠は散逸し、証人や容疑者は全て亡くなり、完全解決は不可能としたが、彼らなりに一人の人物を最重要容疑者として特定するには至った。しかし、現在生きているこの人物の親類縁者たちの名誉にかんがみ、その名の公表は差し控えられた。」

 

と書いていまして、これは読みようによっては、「警察学校の生徒らが、その論文内で特定の容疑者に焦点を当て、その行動や証言を徹底的に分析し、その矛盾を暴き出して、ついに黒(または限りなく黒に近い灰色)と特定した」かのようにも読めなくもないのですが、

 

実際の論文内容は、当時のバイエルンの農民の暮らしぶりなど社会的背景や関係者の子孫へのインタビューなども紹介しながら、事件については、現代なら可能だったであろう科学捜査的なアプローチの紹介なども盛り込みつつ、すでに知られた事実を過不足なくまとめた上で(ただし、修理工が農場にエンジン修理に来た日を「4月3日(月)」とするなど明らかな誤りも見られる。資料としては比べるのもおこがましいくらい「ヒンターカイフェックネット」のほうが量も圧倒的に多く内容も精細)、

 

「事件の状況はこの通りですが、あまりに原始的な当時の捜査に加えて、85年もの歳月の中で証拠は散逸し、証人や容疑者は全て亡くなり、完全解決は不可能です。しかし分析の過程で、このテーマに挑んだ我々15人の頭の中には、早くからある一人の人物が犯人として浮かんでいました。その考えは終始一貫して変わることはなかったのですが、個人情報保護法や、現在生きているこの人物の親類縁者たちの名誉を守るという道義上・倫理上の観点から、その名の公表は差し控えることとします」

 

としたものであって( ブログ筆者注: はっきり言えば、この人物=シュリッテンバウアーです)、決して、

 

「警察学校の生徒らがその論文内で、ある特定の容疑者に焦点を当て、その行動や証言を徹底的に分析し、その矛盾を暴き出して、ついに黒(または限りなく黒に近い灰色)と特定した」

 

かのような、一部に想像されているらしいような論文内容ではありません。

 

追記するほどの内容かと迷ったのですが、時々この事件に関して、「警察学校の生徒たちが、犯人を特定済みである」として、あたかも、生徒らが徹底検証の末に、最終的な動かしがたい結論(特定の犯人)をすでに論理的に導き出し、そのプロセスを論文として公表済みであるかのようなことが言われることがあり、それは違うと、

 

またそのことを、このブログの、ヒンターカイフェックの記事を読んでくださった方々がいらっしゃるとすれば、せめてその方々にはお伝えしておくべきと考え、今回、追記をさせていただきました。

(論文の全文はヒンターカイフェックネットで閲覧可能ですので、関心をお持ちの方は同サイトで調べてみてください。)