世田谷一家殺害事件・その13 | 雑感

雑感

たまに更新。ご覧いただきありがとうございます。(ごく稀にピグとも申請をいただくことがあるのですが、当方ピグはしておりません。申請お受けできず本当にすみません)

世田谷一家殺害事件

(動画の画面を、継ぎ目もそのままに、荒っぽく合成したもの。宮澤家裏手のフェンスに上り、中2階風呂窓あたりを調べる捜査員の姿。右足をフェンス、左足を、おそらくは家の壁を真横に伝う何かの配管にかけていると思われる。フェンスのポッポ公園側にある、椿の花も確認できる。事件発覚直後、現場に駆け付けた捜査員は、公園側の椿の赤い花びらと小枝が散らばっているのを不審に思っていたという。)

 

※※ パソコンからご覧の場合で、画像によってはクリックしても十分な大きさにまで拡大されず、画像中の文字その他の細かい部分が見えにくいという場合があります(画像中に細かい説明書きを入れている画像ほどその傾向が強いです)。その場合は、お手数ですが、ご使用のブラウザで、画面表示の拡大率を「125%」「150%」「175%」等に設定して、ご覧いただければと思います※※

 

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さて続きまして、

 

7. 犯人像(当時の居住地域)

 

犯人の全員、または少なくとも一人が、宮澤家からそう遠くない地域に住んでいた、と想像。

 

そう遠くない地域、という言い方が微妙ですが・・・。

 

あくまで、「複数犯、外国人による金目当ての犯行」という見方に立ったうえでの想像です。

 

犯行前に、宮澤家の風呂窓が開いている~あるいは、鍵がかかっていないことを数度にわたって確認し、犯行を思いついた者がいるのではないか、

そして、その者は、普段から宮澤家をよく目にしていたのではないかと。

 

「その1」でも触れましたが、宮澤家は微妙な位置にあり、

最寄り4駅からの距離は、それぞれ、

 

仙川駅から(1.6km、徒歩20分)

千歳烏山駅から(1.6km、徒歩19分)

成城学園前駅から(2.0km、徒歩20分)

祖師ヶ谷大蔵駅から(2.1km、徒歩25分)

 

どの駅からもそこそこの距離あり、

もし犯人が、この陸の孤島的なロケーションにある宮澤家をよく目にしていたとか、

犯行前に、その風呂窓が開いている(あるいは鍵がかかっていない)ことを、数度にわたって確認していたとすれば、

その者は、宮澤家からそう遠くない地域に---具体的には、上祖師谷であるとか、祖師谷、成城とかの地域---に住んでおり、祖師谷公園などにも、よく来ていたのではないかと。

(風呂窓の状態の確認なら、祖師谷公園あたりの知人の家に2~3日泊まりに来ていた「よそ者」でもできますが、その線は、ここでは考えないとして。)

 

イメージとしては、こんな感じかと。

 

世田谷一家殺害事件

(中央の赤ピンの先が宮澤家、赤い四角で囲まれているのが最寄りの4駅)

 

犯行に加わっていた者が---私は2~3人だったのではないかと思いますが---

ここでは仮に5人いたとすると(A、B、C、D、E)、

そのうち、少なくとも一人が(画像ではA)、

画像中央、薄ピンクに色付けされたあたりに住んでいたのではないか、

 

住んでいた場所は、それこそ宮澤家の間近にあるアパートでもよければ、

宮澤家から徒歩約8分のところにあり、360名収容可能という「留学生会館」(上祖師谷4丁目、現・国際交流会館)でもよく、

 

また、そこに住んでいた理由は、通学でも就労でも何でもいいですが、

とにかく、犯人らのうち、少なくとも一人がこの地域に住んでいたと。

(画像ではA、これが風呂窓を数度確認)

 

世田谷一家殺害事件

(画像向かって左下が、留学生会館。現在は上智大学が買い取り、日本人学生・留学生双方のための学生寮「国際交流会館」として運用している、とのこと)

 

他の共犯ら(B、C、D、E)の居所は、極端に言えばどこでもよくて、

二つ上の画像のように、犯行現場を取り巻く都内のどこかであるとか、

 

あるいは、事件が起きたのが12月30日(土)で、多くの人々にとって年末休みであり、国内外への移動も活発な時期だったことを思えば、

もしかすると、風呂窓を確認した一人(画像ではA)が、全国に散らばる同郷の仲間らを招集していたかもしれず(可能性は低いと思いますが)、下図のような分布もありかなと。

 

世田谷一家殺害事件

(赤ピンの先が宮澤家)

 

ともあれ、宮澤家からそう遠くない地域に住むAが、夏か秋か、どの時点かは不明ですが、

「宮澤家の中2階風呂窓が、夜間も少し開けられている(あるいは、窓は締まっているが、鍵がかけられていない)」ことを、ガラス越しに目視した、

 

「特等席みたいなところにあるなぁ、金持ちかな・・・」

 

目の前にあるフェンス、壁を真横に伝う配管、給湯器、

そして、少し開いている(あるいは鍵のかかっていない)窓へと視線を這わせながら、そんなことを思ったのだった。

 

世田谷一家殺害事件

(中2階風呂窓は、そのガラス越しに鍵の状態が確認できるという。画像はストリートビューのそれだが、これでもけっこう見えている。より鮮明な画像もネットでは見ることができるので、関心のある方は探してみてください)

 

東側にあるスケボー広場前の通路に立ち、それとなくその家に目をやると、

玄関などは二つもついていた。

 

その後もAは、日中~夜間に何度か風呂窓を確認しに来たが、そのたびごとに、窓は少し開いていた(あるいは、クレセントがおりていないのがガラス越しに確認できた)。

 

「習慣なのかな。これは、いけるかも」

 

そう思ったAは、日ごろから

 

「金が欲しい」

「脅してカードを奪えば、簡単に大金が手に入る」

 

などと軽口を叩きあっていた仲間の一人に、

 

「チャンスかもしれない。入れそうな家があるんだ」

 

などと相談、その結果、「時機を見て狙おう」ということになっていた。

 

あるいは宮澤家がそこまでの長期間、風呂窓を開けておく(あるいは、鍵を掛けないでおく)ほど不用心だったとは思えないとすれば、

もしかすると、その風呂窓の状態は、一時的なものだったのかもしれないと。

 

では、どうやってその一時的な状態が生じていたのか、

そこを妄想してみるとすると、

 

例えば、あの年の12月28日(木)、午前か午後かは不明ながら---この日は泰子さんが運営していた学習塾(公文式)の年内最終日だった---泰子さんは空いた時間に、年末大掃除の一環として、中2階の脱衣場やトイレの掃除に着手、

 

床や壁、天井、洗面台などの細部に至るまで、丁寧に掃除し、

場所によってはカビキラーを吹き付け拭いてみるとか、パイプクリーナー、ハイター、ブリーチなどの塩素系漂白剤を使い、

 

作業中には換気扇を回すと同時に、

風呂窓や中2階踊り場の窓、トイレの窓など、北側(ポッポ公園側)に面するすべての窓を全開(網戸のみ閉める状態)にしていたが、

 

「開いてるなあ・・・」

 

そう思いながら、ポッポ公園の丘から見ている者がいたのである。(この場合はA)

 

世田谷一家殺害事件

(以前掲載した画像ですが、風呂、踊り場、トイレなど、北側の窓はこの配置)

 

一方の宮澤家では、掃除終了後もカビキラーなど洗剤のにおいが残り、

換気扇を回しても、鼻奥の粘膜にまで付着したようなそれは、なかなか消えてくれたような気がしない、

 

泰子さんはそれが気になって仕方なく、

28日(木曜日)夜に、帰宅したみきおさんに相談、

 

泰子さん「今日、脱衣場とトイレを掃除したんだけど、嫌なにおいが残っちゃったのよ」

みきおさん「ああ、それでか。玄関開けたとたんに、プールみたいな臭いがすると思ったんだ」

泰子さん「換気扇を回して、窓も少し開けてるんだけどなかなかとれなくて・・・。でもあした(29日)まだお風呂の掃除が残ってるのよ、あっちのほうがにおいは凄いことになりそう」

みきおさん「そうか、土曜日(30日)まで待ってくれれば、僕も手伝えるんだけどね・・・」

泰子さん「でもあなたはこのところずっと帰りが遅いし、私の手が空いてる時間に一つずつ済ませておいたほうが、土曜日の大掃除も楽になっていいでしょ。今日で塾は終わりだし、あしたはわりと手が空くのよ」

みきおさん「そうか、すまないね、なんにしても体にいいものではないから、作業中はしっかり窓を開けて、子供には洗剤を触らせないように。あと、明後日くらいまでは、入浴時以外は風呂窓を少し開けておくといいよ」

泰子さん「うん、悪いけどそうさせてもらうわ。あなたも、お風呂場に入るときに少し寒くなるけど、ごめんなさいね」

みきおさん「なに、手伝えなくて謝るのはこっちのほうだよ。それに、2~3日の我慢だ。土曜日の夜に、僕が寝るときに閉めて、それで終わりにしよう。それと、入浴中はちゃんと閉めておくんだよ? 公園から人が覗くといけないからね」

泰子さん「ええ、わかってます」

 

(注: 入江さんによると、みきおさんは12月、仕事でずっと遅かったとのこと。また、年末の大掃除ということについて、入江さんによると、30日の午後、入江さんが夫を車で床屋に送った際、宮澤家の玄関先で、バンダナをまいたお掃除姿のにいなちゃんが「みんなで大掃除してたの!」と言いながら、他の家族3人とともに、正月のしめ飾りの用意をしていたのを見かけたとのこと)

 

いずれにしても、28日の午前か午後に行われた脱衣場~トイレの掃除以降、

宮澤家では、入浴時以外は、夜間も風呂窓が少し開けられた状態となっており、

 

そして、28日の日中に発見した「開いた風呂窓」のことが気になり、28日夜にポッポ公園を再訪したAに、

その状態(つまり、夜間も風呂窓が少し開けられている状態)を、見られていたのではないか・・・

 

さらに、その窓のことが気になったAは、翌29日の午前にも、再びポッポ公園を訪れたかもしれず、

その時も、やはり風呂窓が開いていた(泰子さんが風呂掃除中なら、公園側の窓は全開、掃除後なら、少し開けられていたとか)、

 

Aが、吉祥寺あたりに住む仲間のBに電話をしたのは、

29日昼頃のことだったかもしれない。

 

A「俺らにもチャンスが巡ってきたかもしれない」

B「なんだ?」

A「金が欲しいって話をしてたろ? いい仕事があるんだ、やらないか?」

B「どういうことだよ?」

A「俺の近くに金持ってそうな家があるんだ、お前もたまに来てるから知ってるだろ、ほら、あの列車のある公園の裏の・・・」

B「ああ、スケボーやるところの横にある、あれか」

A「そうそう、そのスケボーやるところの横にあるあれがさ、裏の窓が開いてて、フェンスに上れば中に入れそうなんだ。夜は人目もない」

B「中に入って・・・殺るのか?」

A「なに、ちょっと脅してカードを奪うだけさ。殺ることはない」

B「そうか、どんなやつが住んでるんだ?」

A「見たところ、40歳くらいの母親と、小さな子供が二人、あと婆さんだよ。旦那はまだ見てない」

B「ふ~ん、そこを確認しなきゃな」

A「だからさ、今日明日でそれを確認しようってことだよ。明日は土曜だから、旦那もたぶん家にいるだろ。とりあえず武器になるものを用意して、今からこっちにこないか?」

B「わかった。でも俺のとこは雑魚部屋だから、部屋のは持ち出せないぞ」

A「新しいのを買えばいいよ。吉祥寺なら駅前に西友ってのがあるだろ、あそこなら買える。なるべく見た目、凄そうなやつを頼む」

B「なら刺身包丁だな。あれは柄が滑って人を刺すには向かないだろうが、細長くて先が尖ってるから凄そうには見えるよ」

A「OK、それで頼む。金を奪えば簡単にペイするよ。安い先行投資だ」

 

世田谷一家殺害事件

(吉祥寺の西友から赤ピン先の宮澤家まで、約6.6km、自転車なら20分程度だろうか)

 

こんな共同謀議がなされたのかもしれず、

あるいは、他にも招集をかけられた仲間がいるかもしれず、

 

29日午後~30日夜にかけて、さらに宮澤家周辺の下見をし、

どうやら、一家の主(あるじ)は、ひげを生やした小柄で行儀のよさそうな40年配の男性であることを確認し、

 

30日の深夜(午後11時半ごろ)に侵入開始、

(注: もしかすると、29日夜のうちに決行しようとしたが、隣のスケボー広場やポッポ公園あたりにひと気が多くて、その夜の決行は断念した、とかの経緯があった可能性も)

 

ところが、一人目(例えばB)の侵入が成功した時点で、不測の事態が発生、

言い出しっぺのA(と、もしかするとその他数人)が逃げてしまい、

刃物を持ったBは、一人、屋内に取り残されてしまった。

 

侵入前に逃走したAらについては、仮に、彼らが宮澤家周辺の在住だったとしても

結果として現場に痕跡を残さなかったので、その後の捜査の網にはかからなかった、

(警察が聴き込みで「手を見せて」「指紋を取らせて」と言っても、引っ掛かりようがない。Aが飛び出しマンだったとすると、そのイラスト=手袋着用に見えるので、網戸を受け取り、フェンスに立てかけた時にも指紋は残らなかったかと。足跡なども、現場的にめぼしいものが残らなかった可能性が高いかと)

 

世田谷一家殺害事件

(向かって左、飛び出しマン。右、吉祥寺西友男)

 

一方のBは、犯行時に手に怪我をし、現場にDNAや指紋を残したが、

こちらは、現場からやや離れた地域の住人であり、

宮澤家から抜け出した後は、少し離れたところに駐輪していたチャリで逃走、

転がり込んだAの部屋で、自分を置き去りにして逃げたことをなじるも、

 

「悪かったよ、でもあれは仕方なかっただろ。それに、今はそれどころじゃない。見ろ、テレビで大騒ぎになってる。ひとまず東京を離れたほうがいい」

 

などと促され、急ぎ、怪我した右手を処置すると同時に、

日光あたりの雑魚部屋に住む同郷の知人を頼って、電車を乗り継ぎ、

31日の午後5時20分ごろ、東武日光駅に到着、

 

世田谷一家殺害事件

世田谷一家殺害事件

 

「ここまで来れば、もう安心」

 

そう胸をなでおろすも、雑に処置しただけの右手の痛みが止まらない、

駅員室で、再び痛む右手の治療を受けたが---男は「電車内で包丁を落とし、拾おうとして手を切った」と説明したという。外国なまりがあったかどうかなど、なぜ公表されないのだろうか?---警察の初動の遅れもあり、結果として、こちらも捜査の網にはかからなかったと。

 

「東武東上線東武日光駅で31日午後5時20分に目撃された、右手から出血していた30代の男の情報・・・情報提供があったのは発生直後だが、捜査本部は犯人の逃走は30日夜とみていたため、(この情報は)放置された

しかし31日午前10時過ぎに逃走となれば、話は違う。検証の結果、現場から北千住を経由し、日光へ犯人が到着する時間はちょうど午後5時過ぎとなり、慌てて捜査を1年後に始めたという。

日光へ2班の捜査員が動員されたが、目撃証言は男の手を治療した東武日光駅駅員以外、見つからず、結局は頓挫したという。」・・・『真犯人に告ぐ!』より

 

以上、妄想話に過ぎず、

この流れの通りだったとは、私も思いませんが、

 

しかし、「犯人らの、当時の居住エリア」ということについては、

おおむね、上のような感じではなかったのかな、と。

 

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8. 犯人像(殺害犯はスケボーをやる人間だったのか、そうではなかったのか)

 

これが難しく、最後まで、「こうだろう」というイメージがわきませんでした。

 

「殺害犯と、スケボーとの関連」をうかがわせる状況証拠的なもので、

従来言われているのは、次の①~⑤かと。

 

 宮澤家のすぐ隣に、スケボー広場がある

 犯人の遺留品とされている黒ハンカチに、ドラッカーノワールという香水がついていた

 犯人の遺留品とされているヒップバッグから、スケボーのデッキテープの削りカスである可能性のある成分が検出されている

 犯人の遺留品とされているヒップバッグから、カリフォルニア州のものとみられる砂や、エアテックのポケットからは、スケボーパークのある三浦半島のものとみられる砂が検出された

 宮澤みきおさんとスケーターが、騒音や乱暴なマナー(スケーターがにいなちゃんに追突しそうになった・・・)のことで、トラブルになっていたとの話がある

 

その他、遺留品のラグランであるとか、クラッシャーハットであるとかが、

なにげにスケボーをやってそうな、ストリート系のファッションを連想させる部分もあり、

 

また、こちらでは、「留学生その他の外国人による、金目当ての犯行だろう」としてきたわけですが、

だからといって、「スケボーをやる人間ではないだろう」とはならないわけで(二者択一の関係ではない)。

 

仲間とつるんで、金目当ての強殺をやるような留学生その他の外国人でも、

スケボーをやって遊んでいたかもしれません。

 

そういったことも含めて、①~⑤を素直に解釈すれば、

犯人像として、「スケーター」の線は普通にありかと。

 

しかし一方で、その犯人像には違和感を覚える点もあると。

 

それは主に二点で、一つはあの「犯行態様」、

つまりスケボーをやっている人間が、たぶんに普段の自分の遊び場であっただろう、あの祖師谷公園スケボー広場の隣にある宮澤さん宅に乗り込んで、滅茶苦茶な殺し方をした上に、家中をひっくり返し、

遺体に書類その他をぶちまけ、どうも暗証番号を推測しようとした痕跡を残し、

ウンチをして逃げる・・・という光景が想像にしくいということ、

イメージが結びつかないんですよ、イメージの問題です・・・。

 

「宮澤さん一家に対し、何らかの恨みを抱いたスケーターが、突如、玄関先で旦那さん(奥さん)を刺して逃走した」

とかなら、まだわかるのですが、あの犯行態様が、どうしても、隣の広場でスケボーやってる人のイメージと結びつかないと。

 

そして、もう一つは「スラセンジャー」。

スケボーの動画を見ていても、スケーターの靴底は、フラットなものばかりなんですよね、

それは、自分が閲覧した範囲に過ぎないので、中には、そのタイプでない靴で滑っているスケーターもいるのかもしれませんが、

しかし、スケボーの場合、靴底の基本は、あくまでフラットなもののようだと。

 

ところが、スラセンジャーの靴底は(テニスシューズですから当然でしょうが)

かなりはっきりした凹凸がついており、スケボーシューズとしての基本から外れていると。

 

スケボー時ではなく、普段履きでこれを履いていた可能性も考えてみるのですが、

ナイキ、アディダス、ニューバランス、プーマ、ダンロップとかなら、まだわかるのですが、

 

たとえ普段履きだとしても---先入観全開ですが---スケーターが「スラセンジャー」なんて靴を履くのだろうかと。(しかもどうやら、日本市場に流通していなかったサイズ)

 

もちろん、履いても構わないのですが、

「もしかしたら、こんなスラセンジャーなんて靴の、しかも、日本市場には流通してなかったであろうサイズを普段履きしていた、変わり者のスケーターがいたかもしれない」とか、あるいは、

「殺害犯の友人にスケボーをやる人間がいて、その友人について祖師谷公園のスケボー広場に遊びに来ていた、当初はベンチに座って見ているだけだったが、ある日その友人が、『きみもやってみろよ』みたいな感じで、古いスケートボードをくれたので、自分も休みの日にはちょいちょい滑りに来ていた、その程度のレベルのにわかスケーターだったので、靴には、全くこだわりがなかった」

とかの可能性を考えるよりは、いっそ、

「犯人は、スケーターではなかったのだろう」

としたほうが、すっきりするのではないか、と。

 

そこでとりあえず、「殺害犯は、スケーターではなかった」という観点から

先の①~⑤を検討してみると、

 

まず、「宮澤家のすぐ隣に、スケボー広場がある」については、

宮澤家の隣にあるのは、スケボー広場だけではなく、まず真裏にポッポ公園があり、古いアパートがあり、駒大グランドがあり、宮澤家の西を流れる仙川沿いには遊歩道があり、スケボー広場の隣には運動広場があり、その隣にはテニスコートがあり、

そしてまた、テリー伊藤さんの動画でも言われてましたが、駒大グランド側のバス通りからこの祖師谷公園の入り口にやってくると、景色がパーッと開けて、引き込まれるような雰囲気があると、

つまり、様々な人々が、様々な目的をもって(あるいは、目的はなくても不思議と引き込まれるようにして)宮澤家周辺に流れ込んで来ていたのであり、

そこに来ていたのは、スケーターに限ったことではないと。

 

次に、「犯人の遺留品とされている黒ハンカチに、ドラッカーノワールという香水がついていた」について、

ドラッカーノワールは、80~90年代のカリスマスケーターであるクリスチャン・ホソイが愛用していた香水とのことで、そのため、この香りを遺留品の黒ハンカチに残した殺害犯は、スケーターだったのではないか・・・と言われるのですが、

しかし、この香水も単に外国人に人気の香水だったと捉えれば、これをつけているからと言って、必ずしもスケーターとは限らず、単に、そのあたりに住んでいた(あるいはよく来ていた)外国人の可能性もあるのではないかと。(留学生、労働者その他)

 

、「犯人の遺留品とされているヒップバッグから、スケボーのデッキテープの削りカスである可能性のある成分が検出されている」について、(デッキテープとは、スケボーに貼る滑り止めのことで、紙やすり、サンドペーパーみたいなものを連想していただければと)

これも、ヒップバッグから採取されている極めて微量の粒は、「スケボーに貼るデッキテープの削りカスである可能性がある」ということであって、そうだと決まっているわけではなく、ウィキペディアによると、

 

「(ヒップバッグから採取された)ガラス球は、チタン、バリウム、シリカなどで形成され、白いパウダー状、直径約50マイクロメートルのものが、5、6粒入っていた。このガラス球は、アメリカのミズーリ州のガラス加工メーカーが製造し、国内では京都府のメーカーが製造する印刷機の特殊フィルムに使用されていた。(産経新聞2001年12月27日付・朝日新聞 同月28日付)」

 

つまり、その5、6粒については、「印刷機の特殊フィルムに使用されているもの」というのが、確かなところであって、そのため、警察のプロファイリングの一つも、

「(犯人の)職業は、印刷工業者の可能性がある」(『真犯人に告ぐ!』)

となっており、

ヒップバッグから検出された粒は、デッキテープの成分とは限らない以上、

必ずしも、「犯人=スケーター」ということを、指し示してはいないのではないかと。(単に、印刷工場の労働者・アルバイトの可能性)

 

さらに言えば、ヒップバッグから採取された粒が、仮にデッキテープの削りカスだったとしても、スケボーとは無関係の人間のヒップバッグにも、それが入る可能性はあると思うわけで、

つまり、祖師谷公園のスケボー広場では、大勢のスケーターが滑っているので、

スケボー広場内や、その周辺に落ちているデッキテープの削りカスは、ミクロのレベルでいえば、それはそれは膨大な量だろうと思うわけで、

 

世田谷一家殺害事件

(宮澤家やスケボー広場一帯の図)

 

そのデッキテープの成分が、風に舞い、

あるいは人々の靴の裏、自転車のタイヤ、車のタイヤ、動物の足の裏などに付着して移動し、

当然にそれは、スケボー広場の隣にある運動広場や、テニスコートにも、

ミクロのレベルで大量に落ちているのではないかと、

おそらく、運動広場やテニスコートで、掃除機を使ってチリを集め、

それを顕微鏡で見てみれば、デッキテープの成分が少なからず確認できるのでは?・・・

と思うのですが(みきおさんや泰子さん、にいなちゃん、礼君の靴裏にも付いて移動し、採取しようと思えば、宮澤家の玄関からでも、それは採取されただろうと想像します)、

 

世田谷一家殺害事件

(ひとつ前の画像の一部を、赤で着色したもの。例えばの話、赤く着色された部分あたりには、ミクロレベルでいえば、膨大な数のデッキテープの成分が落ちているのではないかと)

 

その運動広場で、誰かがキャッチボールをする、あるいは、テニスコートで誰かがテニスをする、

あるいは何かをコートの上に置くなどして、そのボールや何かをヒップバッグに入れて持ち帰ったら、

もうそこには、直径50マイクロメートルのデッキテープの粒が5、6粒程度入ることも、ありうるのではないかと。

(ちなみに、犯人がその足跡を残したスラセンジャーは「テニスシューズ」です。犯人がそこでテニスをやっていたかどうかはわかりませんが。)

なので、ヒップバッグから採取された粒が、仮にデッキテープのそれだったとしても、必ずしも、スケーターによる犯行とは限らないのではないかと。

 

の、「犯人の遺留品とされているヒップバッグから、カリフォルニア州のものとみられる砂や、エアテックのポケットからは、スケートパークのある三浦半島のものとみられる砂が検出された」について、

これまで何度か書いたのですが、砂については、そもそも間違いなくカリフォルニア州の砂なのかどうか、アジアや中南米、オーストラリアでもいいですが、とにかく、カリフォルニア以外の砂である可能性もあると考えれば、

「砂はカリフォルニア産だった。だからスケーターだろう」とは見ないことも、ありではないかと。(砂の由来がカリフォルニアで間違いなければ、見方も変わるとは思うのですが)

また、エアテックのポケットから出てきたという「三浦半島の砂」についても、それが三浦半島の砂で間違いないかという問題もありますし、

それが三浦半島の砂であっても、別に、「スケートパーク@うみかぜ公園」でスケボーをしているときにポケットに入った砂ではなく、例えば、「三浦海岸で、1週間ほど住み込みで、冬場の大根干しのアルバイトをした時にポケットに入った砂」かもしれず、

その時のバイトの雇い主のオヤジさんが、

 

「うちで飼ってる文鳥の世話もしてくれや。毎日の餌やりと、2日に1回ケージの掃除だ」

 

などと言ったとすれば、

「エアテックのポケットに入っていた、三浦半島のものとみられる砂」とか、「人口飼料を食べたとみられる、スズメよりも小さい鳥のフン」とかは、この、冬場の大根干しのバイト時に入ったもの、という見方もできると思うのであり、

いずれにしても、ヒップバッグやエアテックの砂は、必ずしも、スケーターのみを指し示しているわけではないだろうと。

 

、「宮澤みきおさんとスケーターが、騒音や乱暴なマナー(スケーターがにいなちゃんに追突しそうになった・・・)のことでトラブルになっていた、との話がある」については、

そういう話がある、ということであって、信ぴょう性は別と思いますし、

また仮に、そのトラブルが本当にあり、スケーターの一人(または数人)が、宮澤さんへの恨み(逆恨み)を抱いて犯行を行ったとしても、

例えばそれなら、「玄関先で、いきなり刺して逃げる」とかならまだわかるのですが、

4人全員を殺害の上、家中をひっくり返し、遺体に書類その他をぶちまけ、おそらく暗証番号を推測しようとした痕跡を残し、ウンチをして逃げるとは・・・、

「宮澤さんとトラブっていたスケーターの怨恨による犯行」にしては、私には、どうしても違和感を覚えてしまうと。

 

こんなところでしょうか。

 

スケボーとの関わりをうかがわせる状況証拠的なもの(①~⑤)を、素直に受け取れば、犯人像としてスケーターの線は確かにあり、

 

しかし、①~⑤については、上に書いたような見方もできると、

さらには、ヒップバッグやドラッカーノワールについては、

例えば、「留学生仲間内でのフリーマーケットや、職場の同僚などから、有償無償で譲り受けた」「盗んだ」などの可能性も考えると、

 

必ずしも犯人像として、スケーターの線にこだわる必要はなく、

それ以外もありなのでは?・・・というのが結論でした。

 

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9. 犯人像(プロ的な犯罪組織が関与していた可能性を考えてみる)

 

この事件、「立ち退き料目当ての、組織犯罪」ということが言われることもあります。

 

そこで、暴力団など、プロ的な犯罪組織が金目当てで起こした可能性について考えてみると、

結論としては、計画立案から実行に至るまで、全て素人集団によるものであり、プロ的な犯罪組織の関与はなかったのではないかな、と。

 

(以下、あくまで「暴力団などが、金目当てで組織的に関与した可能性」について考えてみるもので、別の可能性、例えば、国家組織とか、宗教団体とかが、見せしめ~報復的な意味合いでやった可能性については考えていません。また、「侵入時間は、夜の11時半ごろ」「侵入経路は、中2階風呂窓」という、これまでの結論を前提にしての見方なので、その程度のものとして読んでいただければと。他の見方を否定するものではありません。)

 

プロ的な犯罪組織が絡んでいた、というにしては、

 

 犯行日の選定

 侵入時間

 侵入方法

 

これらすべてに疑問符がつくと。

 

について、プロ的な犯罪組織が、例えば「宮澤家に支払われる立ち退き料の噂を嗅ぎつけた」でも何でもいいのですが、

とにかく、「宮澤家には金があるはず」と踏んで、実働部隊を差し向け、金を奪う計画を立てる場合、家にある現金というよりは、むしろ、

 

「カードと暗証番号を奪い、ATMで金を引き出す」

「通帳と印鑑を奪い、みきおさんになりすまして窓口で金を下ろす」

 

そこまでを、想定するのではないか、

だとすると、銀行が休みとなり、ATMも(基本)締まっている年末年始の犯行は、避けたいところではないかと思うのですが、

世田谷の事件は、12月30日午後11時半ごろから、31日未明にかけて起きていると。

この時期に犯行に及んでいる犯人らは、年末年始のATMの稼働状況については考えてすらいなかったか、「どこか開いてるだろう」という程度の認識しかなかったのではないか

下手をすると彼らには、銀行の窓口が閉まっていることの認識すらなかったのではないか、と思うわけで、

仮にそうだとすれば、そこには、「プロ的な犯罪組織が計画を立案した」というにしては、あまりにも素人的な詰めの甘さが見えているのではないかと。

 

について、プロ的な犯罪組織なら、決行の前に、宮澤家やその周辺については綿密に調べると思われ、その場合は、「宮澤家周辺の路地で目撃されていたという不審車」も、

「黒幕と実働部隊らが、車で下見に来ていたのかも」

ということで、話はつながってくるかとは思うのですが、

しかしプロが下調べをしていたのであれば、あの宮澤邸について、

 

「一軒家に見えるが、実は、内部が壁で仕切られた二世帯住宅だ」

「宮澤家とは壁一枚隔てた隣に、イギリスから帰国中の姉夫婦やその息子がおり、また、泰子さんの実母もいる」

 

という事実は、当然に把握するのではないかと、

そしてその場合は、壁一枚隔てたところに別の家族がいる「やりにくい現場」として、敬遠するか、いっそ両方の家族を襲撃する計画を立てる、

あるいは、仮に宮澤家だけを狙うとしても、隣の姉夫婦が寝静まるだろう午前2~3時あたりを待ってから侵入するのではないか、と思われるのですが、

実際の侵入時間は「午後11時半ごろ」とされており、それは、隣の姉夫婦やおばあちゃんが起きているかもしれない時間帯であり(事実、入江杏さんの著書によると、入江さんはその時間帯、まだ寝入ってはいなかった)、そうである以上、それは宮澤家で騒ぎが起きれば、すぐに隣の家族に気づかれる恐れのある時間帯でもあったわけで、プロ的な組織が計画立案したにしては、侵入時間があまりにも早すぎるのではないかと、

むしろ、その時間に侵入してきた犯人らは、壁の向こうに姉夫婦らがいるという事実さえ知らなかったのではないか(宮澤さん家族のみが住む、一軒家とみていた)、

つまり、下調べも不十分なままに犯行に及んだのではないか、ということで、そこにはやはり、素人の詰めの甘さが見えていると。

 

について、プロ的な組織なら、侵入方法については、例えば宮澤家や隣の姉夫婦の寝静まった時間帯(午前2~3時?)に、1階の窓ガラスを焼き破る~合い鍵を使うとかの、偶然の要素に左右されない、確実な侵入方法をとるのではないか、と思うのですが、

世田谷事件の犯人らは、中2階の開いていた(あるいは鍵がかかっていなかった)風呂窓から侵入していると。

そして風呂窓は、今日の昼に開いていたからといって、今夜も開いている保証はなく、

風呂窓が侵入時間帯に開いていた(鍵がかけられていなかった)のは、いわば「たまたま」であり、そうである以上は、

「12月30日午後11時半ごろに実働部隊を差し向け、中2階風呂窓から侵入する」

という計画は、その成否が偶然の要素に左右されるものであって、確実性に欠け、

そこには、プロによる筋書とは思えない詰めの甘さ、出たとこ勝負感、行き当たりばったり感が漂っているのではないかと。

 

の他にも、おそらく、自分の手を怪我して流血してからは開き直ったのだろう、と想像しますが、足跡や指紋、DNAを現場に残しまくるなど、とにかく、やり方が雑、

逃走経路も中2階風呂窓からとみられており、しかも、ポッポ公園側のツバキの花が散り、枝が折れていたところを見ると、どうも犯人は、フェンス上からポッポ公園側のツバキの木のあたりに、勢いよく飛び降りたのではないかとさえ言われており、

そこからは、そうせざるを得なくなった事情が・・・例えば、少しだけ仮眠するはずが、寝過ごして朝を迎えてしまい、早朝の公園は意外に散歩~ランニングする人など人気(ひとけ)が多く、正面玄関からは出るに出られなくなっているところに、向かいの家に宅配便のトラックが来る、電話の呼び出し音が鳴る、ついには、隣のおばあちゃんがやって来るなどして、慌てて裏の中2階風呂窓から下のツバキの木のあたりに突っ込まざるを得なくなった等、

まともな逃走経路の確保さえ思うにまかせなかった・・・という事情が考えられ、とにかく随所に、雑さ、迂闊さ、下調べの足りない感じ、行き当たりばったりな感じがうかがわれ、とても「プロ的な犯罪組織が筋書きを描いた犯行」として遂行されているようには見えないと。

 

似たような家族殺害で、背後にプロ的な組織が絡んでいたのではないか、と思われるのは、例えば2004年に起きた、愛知県豊明市の母子4人殺害などがそうではないでしょうか。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9F%A5%E8%B1%8A%E6%98%8E%E6%AF%8D%E5%AD%904%E4%BA%BA%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

こちらは、柄の滑る柳刃包丁にちゃちな滑り止めの細工などしておらず、サバイバルナイフや鈍器を用意し、しかも、灯油まで用意して火をつけて逃げるという具合で、

入念に準備し、役割分担した複数犯らが、プロが描いた筋書きに沿って迅速に遂行した、という感じが出ているのではないかと思うのですが、

世田谷事件の場合は、その雑さから見ても、プロ的な犯罪組織が関与しているとはとても思えず、素人の寄せ集めが思い付きでやったことではないか、と。

 

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10. 「紙一重の仕事」とは

 

世田谷事件を調べていると、時々出てくるこの言葉、

真偽は不明ですが、みきおさんが生前、その知人に

 

「紙一重の仕事をしている」

 

と言ったという話があり、

そこから、みきおさんは、法律すれすれの副業~裏の仕事(例えば、外国人労働者の斡旋であるとか、場合によっては諜報活動など)をしており、その件で恨みを買うとか、みせしめで殺害されたのではないか、ということが言われたりもするようなのですが、

 

私が思うに、その「紙一重の仕事」というのは、なにも「法律すれすれのやばい副業」ということではなくて、単に自分の本業のこと・・・

つまり、勤務先のインターブランド社で企業のイメージ戦略を練るとか、(入江さんの著書によれば)自身もデザイナーとしてデザインに携わっていたという、みきおさんの仕事そのものを「紙一重の仕事」と表現したのではなかったのかな、と。

(入江さんによると、入江さんの夫が独立して会社を立ち上げる際、その社名を考えたのもみきおさんだったとのこと)

 

例えば、下に二つほど画像を挙げてみると、

 

YuiAragaki

(向かって左が元画像、右が髪を黒くしたもの)

 

世田谷一家殺害事件

(上がフランス国旗、下が色違い)

 

例として適切な画像ではなかったですね、すみません。

いずれにしても、少し(?)色合いを変えただけで印象が変わる、ということを言いたく、どう印象が変わるかは人それぞれとしても、

人が抱くイメージというのは、往々にしてわずかな色合いの差だったり、言葉や音のちょっとした配列の差であるといった、「紙一重の違い」で決まりがちだと、

だから、自分の仕事のように、企業のブランドイメージを高めるとか、イメージ戦略を練るとかのためには、人の印象を左右する、その紙一重の部分を見極めていくことが重要なのだ、イメージというのは、紙一重のものなんだよ、というぐらいの意味合いで、

 

「紙一重の仕事をしている」

 

と表現したのではないかと思うのですが、どうでしょうか。