世田谷一家殺害事件・その5 | 雑感

雑感

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世田谷一家殺害事件

(犯人のヒップバッグからは、アメリカ・カリフォルニア州モハーヴェ砂漠南西部にあるエドワーズ空軍基地付近のものとみられる砂が発見されたという。画像は、エドワーズ空軍基地ゲートに展示されている退役戦闘機)

 

※※ パソコンからご覧の場合で、画像によってはクリックしても十分な大きさにまで拡大されず、画像中の文字その他の細かい部分が見えにくいという場合があります(画像中に細かい説明書きを入れている画像ほどその傾向が強いです)。その場合は、お手数ですが、ご使用のブラウザで、画面表示の拡大率を「125%」「150%」「175%」等に設定して、ご覧いただければと思います※※

 

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 犯人の遺留品を見てみる(前記事からの続き)

 

4. 柳刃包丁(刺身包丁)、手袋、ジャンパー

 

柳刃包丁(刺身包丁)について、

警視庁資料(最新版、PDF)によると、

 

「商品名は関孫六・銀寿。

刃体21cm、柄の部分を含めた全長34cm。

福井県内の業者が2000年(平成12)6月に1500本製造したもの。

関東地区46店舗では、1丁3500円前後で販売された。」

 

世田谷一家殺害事件

(上は警視庁PDF、下はポリスチャンネルの動画から。箱はこういうものだったらしい)

 

ポリスチャンネルにおける、特捜本部・野間警部による解説では、

 

「全国の量販店あるいはディスカウントショップで、3500円前後で販売されていました。

長さが全長で約34cm、刃体の長さが24cmある、いわゆる刺身包丁になります」

 

PDFのそれと、ポリスチャンネルのそれで、

刃体の長さについて、21cmと24cmで差異があると。

 

これについては、2017年現在の関孫六・銀寿のネット通販を見ていると、

全長が33.7cm(約34cm)のものについては、刃体が21cm、

全長が37.5cm(約38cm)のものについては、刃体が24cmとのこと。

 

PDFもポリスチャンネルも、凶器の全長については「全長約34cm」として一貫しているので、

刃体については、おそらく「21cm(最新版PDFのそれ)」が正しいのかな、と想像します。

 

ところで、これまでクラッシャーハット、ラグランシャツ、チェックのマフラー、

ドラッカーノワール、黒ハンカチと見てきて、

そこには、ある種の統一性みたいなものが感じられなくもない、と思うのですが、

違和感を覚えるのが、この「柳刃包丁(刺身包丁)」であると。

 

「若いのかな?」「いわゆる、ストリート系?」

事件現場の隣がスケボー公園だし、もしかしてスケーター?

刃物出すなら、バタフライナイフとか?・・・そう思って見ていたら

いきなり、全長34cmの刺身包丁が出てきたと。

 

この事件は、「偶然そこにあった刃物を手に取り、殺傷した」という事件ではなく、

「あらかじめ用意した刃物を持ち込み、殺傷した」(とみられている)事件であり、

柳刃包丁(刺身包丁)を凶器に選んだという点には、

犯行の目的や、犯人の性格、

もしかすると、民族性なども表れているかもしれないなと。

 

凶器に柳刃包丁(刺身包丁)を選ぶという点で、

どこの国の人間なら違和感がないのか、そこを考えてみると、

まず日本人は普通にそれはあるとして、

それ以外、例えばスラセンジャーなどの絡みでよく噂される韓国人、

あるいは、中国人(吉林省ではスラセンジャーが買えたという)はどうか、

ウィキペディアなどを見てみると、

世田谷事件のほぼちょうど1年後(2002年1月)に、

刺身包丁によるこんな事件も起きており、

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%88%86%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E6%AE%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

大分夫婦殺傷事件

「2002年(1月)に大分県速見郡山香町(現・杵築市)で起こった中国人留学生らによる強盗殺傷事件である。

別府大学の留学生、元留学生であった中国人A(当時21)、B(23)、C(23)、D(19)と韓国人E(26)の5名は共謀し、留学生の身元保証人の建設会社社長(73歳)から現金やキャッシュカードを盗み、監禁して暗証番号を聞き出そうと計画。

2002年1月18日未明、4名が被害者夫婦宅に押し入り、2階で寝ていた妻を脅して腹部等を刺して1ヶ月の大けがを負わせ、妻を助けようと2階に上がってきた夫を刺身包丁で刺殺した

(中略)また、AとDは、2001年12月に大阪府大阪市北区のホテルにて、風俗店勤務の女性(35歳)を刺殺し、キャッシュカードを奪った強盗殺人事件にもかかわっていた。(後略)」

 

2006年には、滋賀県長浜市で中国人の女が

2人の園児を刺身包丁で滅多刺しにして殺害する事件も起きており、

 

また韓国については、韓国ヤクザ、刺身包丁、武装すり団などと調べてみると、

韓国武装すり団(強盗団)が刺身包丁で武装し、

あるいは、日本警察に対して刺身包丁を振り回して抵抗した、とかの記事もあり、

 

さらに真偽は不明ながら、「韓国ヤクザは、刺身包丁にはこだわりがある」などといった記事もあり、
日本人以外にも、韓国人(や中国人)については、

凶器としての柳刃包丁(刺身包丁)への親和性は、そう無理なく認められるという気がすると。

 

 

手袋については、

エドウィン社製

内側にボア付き、外は豚革

サイズ26cm(フリーサイズとする情報も)

1998年(平成10)~2000年(平成12)の間に10755ペア製造。

当時1980円位で販売

主な販売先は、株式会社ジーンズメイト、株式会社マルフル(M/X)等

同じ販売先で、遺留品と同じクラッシャーハットやラグランシャツも買えたとのこと。

 

世田谷一家殺害事件

(上、警視庁PDF、下、ポリスチャンネルより)

 

犯行時に使用された形跡はなかったが、

刃物で自らの手を負傷した犯人が、負傷後にこの手袋を着用したらしく、

 

「廊下には犯人が脱ぎ捨てた黒い手袋があったが、中はA型の血液がこびり付いていたという」(『真犯人に告ぐ!』)

 

雪国でもなく、また事件現場でアイスを4個むさぼり食ったという、

寒さに強そうな犯人にしては、妙に仰々しく思えるこの手袋、そこから、

 

「犯人は、日常的にバイクや自転車を使っていたのでは?」

「事件現場へは、バイクか自転車で来たのでは?」

 

といった見方もされている。

 

 

ジャンパーについて、

ユニクロ製のエアテックジャケット

黒色、サイズL

2000年(平成12)の10月から事件発覚日の間に、全国で82000着が販売された。(都内10194着)

販売価格は3900円~5900円

販売先はユニクロ直営店(通販、ネット販売有り)

 

世田谷一家殺害事件

(袖口からは、犯人の血液型と同じA型の汗が検出されたとのこと)

 

販売時期について、ポリスチャンネルの動画では

「2000年(平成12)の11月から販売となり、すぐに完売した人気の商品」

とされており、

「2000年10月から販売開始」

としている警視庁PDF(最新)とは若干のずれがあるが、

いずれにしても、これが犯人の遺留品だとすると、

事件発生(2000年12月)の直前ともいえる時期に犯人の手に渡った・・・とは言えるかと。

 

返り血も浴びず、2階リビングの椅子に掛けられていたその状況から、

 

「犯人は当初、客人として、招かれて家に入ったのでは?」

「本当に犯人の遺留品だろうか? 宮澤みきおさんのものだった可能性もあるのでは?」

 

などの声も聞かれる。

 

ちなみに、商品説明によると、

 

「エアテックとは、ポリエステル100%の高機能中綿(なかわた)素材のことです。エアテックの繊維構造は、マカロニのような形(中が空洞)をした超極細繊維が立体的に複雑に絡み合ったような形状をしていることから、軽いうえに繊維が空気をいっぱい含む特性があります。」

 

当初、「家庭での水洗いOK」とされていたこのエアテック、

実際に家庭で水洗いしてみると、洗濯機の異常振動や破損・転倒の事故が起きることがあったらしく、

それへのお詫びと、洗濯方法の変更を依頼するアナウンスが、2000年12月27日になされている。

 

「ユニクロのエアテック製品に関してのお知らせとお詫び

お客様各位

日頃はユニクロ製品をご愛用頂き厚く御礼申し上げます。

さて、本年10月から弊社が販売しておりますエアテック製品につきましては、ケアラベル等において洗濯機による洗濯が可能であることを表示しております。

しかしながら、洗濯機による洗い・すすぎ・脱水をされた場合、一部の洗濯機においては水を含んだエアテック製品の重量によって異常振動が起こり、振動による洗濯機の大きな破損や転倒につながるおそれのあることが判明いたしました

洗濯機の破損や転倒にいたる詳しい原因等については調査中でございますが、現在、弊社としては3件の破損事例を確認しております。

つきましては、お客様にこの事実をお知らせするとともに、 エアテック製品の洗濯機による洗い・すすぎ・脱水をされないよう、お願い申し上げます

ご愛用いただいておりますお客様には、多大なご迷惑をおかけしますことを心より深くお詫び申し上げます。

該当商品(商品番号)は次のとおりです。

・エアテックジャケット(430−0101〜0103)

(中略)

平成12年12月27日

山口県山口市大字佐山717番地1

株式会社ファーストリテイリング」

 

世田谷事件発生の直前になされた、この、

 

「洗濯機の破損事故が起きている」

「家庭での水洗いは不可」

 

というアナウンスにより、嫌気がさしたエアテックジャケット所有者の一人が

捨てる~他人に譲るなどすることにより、

同エアテックが犯人の手に渡ったことも考えられる、とする見方もある。

 

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5. ヒップバッグ、靴(足跡から韓国で製造された「スラセンジャー」と特定)

 

ヒップバッグについて、

深緑色、大阪の業者が2850個製造。

販売期間は、1995年(平成7)9月~1999年(平成11)1月の間、

関東地区のディスカウント店等で、2900円で販売された。(警視庁PDF)

 

世田谷一家殺害事件

 

販売期間については、ポリスチャンネルの動画によると、

「1996年(平成8)~1997年(平成9)」

となっており、ここでも警視庁PDFのそれとはズレがある。

 

また、販売地域についても、

警視庁PDFによると、「関東地区限定販売」のように見えなくもないが、

ネット上には「全国の量販店で販売」とする情報もあり、

どちらが正しいのかわからない。

 

ヒップバッグのベルトの長さは約83cm、

ここから、犯人の腰回りは70~75cm程度と推測されるとのこと。

 

このヒップバッグも、クラッシャーハットなどと同じく「韓国製」とよく言われるが、

警視庁PDFにも、ポリスチャンネルの動画にも、「韓国製」の文字がない。

 

この点、2014年12月の朝日新聞記事では、

 

「世田谷一家殺害事件で、警視庁は今月、犯人が現場に残したとみられる全10点の証拠について、朝日新聞社の求めに応じ同型品の撮影を認めた。遺留品の多さは事件の特徴だ。

(中略)数ある遺留品のうち、捜査本部が注目してきたのがトレーナーとヒップバッグだ。(中略)ヒップバッグは韓国製。国内で2850個が販売された。胴回りは70〜75センチ程度に調整され、犯人はやせ形だった可能性が高いという。バッグの中で見つかった1600粒の土砂や鉱物は、成分や混合比率などから米国のものとみられる。(後略)」

 

ヒップバッグはおそらく韓国製で間違いないとして、

韓国でも購入できたのか、

それとも、日本国内のみでの販売だったのか、

日本国内のみでの販売だったとして、関東圏以外ではどこで売られていたのか、

こういったことについては、よくわからない。

(ウィキペディアには「遺留品のバッグも、日本国内で販売されたものであることが確認されている」とあるが・・・)

 

 

靴(足跡から特定)について、

いわゆるテニスシューズで、メーカーは、イギリスの「スラセンジャー」。

韓国・釜山の会社がライセンス契約を結び、韓国で製造していた。

 

世田谷一家殺害事件

 

警視庁PDFから引用すると、

 

「日本サイズ27.5cm(韓国サイズ"280")。

1998年(平成10)10月~2000年(平成12)11月の間、韓国内で4530足製造され、

日本では4000円前後で販売されたが、同サイズは日本で販売されていない。」

 

ポリスチャンネル、特捜の野間警部による解説では、

 

「(靴の色は)白地に灰色のラインまたは紺色のラインの二つの配色(がある)。それとあわせて、ハイカット、ローカット、かかとの部分が高いか低いかというので、全部で5タイプに分かれて販売されておりました。日本では27cmまでの販売を確認しております。当時は3900円前後で販売されておりました。」

 

この、「日本サイズ27.5cm(韓国サイズ"280")」というスラセンジャーについて、

 

「日本でも買えた」

 

ということが時々言われていたりするのですが、

警視庁PDF、ポリスチャンネルともに、

 

「同サイズは日本で販売されていない」

「日本では27cmまでの販売を確認しております」

 

となっており、事実がどうなのか迷うところかと。

 

PDFやポリスチャンネルの言葉をそのまま受け取れば、

日本の市場に出回っていたのは「日本サイズ27cm」までのものであって、

それ以上のサイズ、つまり「日本サイズ27.5cm(韓国サイズ"280")」については、

日本市場で流通販売されていたことは確認されていない、

日本に居ながらこのサイズを入手するには、「個人輸入」するか、

あるいは、日本国内にはあるが「日本市場」ではないという、

一般の日本人にはアクセスしにくい「特殊なルート」から入手するしかなかったと、

この理解になるかと思うのですが、どうなんでしょうか。

 

そして後者(特殊なルート)が、いわゆる「在日米軍基地」であると。

ただし、「在日米軍基地で韓国製品が入手できた」からといって、必ずしも、

「在日米軍基地で、スラセンジャーのテニスシューズ(日本サイズ27.5cm、韓国サイズ280)が入手できた」とは限らないだろうなと。

(基地内でスラセンジャーの同サイズの取り扱いがあったかどうか、という話になるかと)

 

世田谷一家殺害事件

(警視庁PDFの英語版、「このサイズのものは、日本市場に出回っていなかった」)

 

このスラセンジャーについては、

10年前に、統一日報という新聞社が興味深い記事を掲載しており、

それによると、中国の吉林省でもこの靴を入手することができたとのことで、一部引用すると、

 

2007年1月17日発行版 統一日報

「捜査本部は昨年12月、ホームページで情報提供を呼びかけ、英語、中国語、ハングル版を開設した。

犯行現場で、韓国、もしくは中国語・ハングル圏とのつながりを思わせる物証を掴んでいるからだ。

初動捜査時から浮かびあがった有力な犯人像であったが、捜査本部は依然、この方面への捜査が続いていることを言外に匂わせている。(中略)

警視庁捜査一課と成城署捜査本部は事件の特徴のひとつに、犯人の履いていたスニーカーが韓国製であることを指摘する。

同じサイズのものは韓国でしか販売されていない。

室内に犯人が残した靴跡から判ったもの。靴は犯人が履いたまま出て行った。

メーカーはイギリスのテニス用品製造のスラセンジャー(Slazenger)。韓国・釜山の会社がライセンス生産した。

スラセンジャー製は日本では正規代理店がないためあまり有名でないという。

サイズは28センチ。

日本にスラセンジャー製を置く店はあるものの、28センチサイズは韓国サイズで、日本では販売されていない。

同じ靴枠のものとして、日本で売られているのは27.5センチサイズ。

28センチサイズは正規の輸入ルートでは日本に入っていないとのことだ。

個人輸入はありえるが、確認されていない。

販売元が安く放出し、それが日本に入ってきたというようなケースも考えられる。

捜査本部が気にしている点がもう1つある。

例の靴の出所が中国吉林省である可能性があることだ。

中国吉林省延辺朝鮮族自治州は韓国のメーカー品が多く出回ることで知られる。当地で韓国製は高級品というイメージが定着している

28センチサイズのこの靴は、韓国内で98年10月から00年8月まで4530足が販売された。

この点を質問すると、日本に留学中の延辺朝鮮族の一人は、『嫌な予感がする』とつぶやいた。

警視庁は、この靴に覚えがないか日本にいる韓国人業者などを当たっており、『輸入して販売した』『個別に仕入れ販売した』という人がいれば情報提供してほしいと呼びかけている。(中略)

一家が殺される2日前、江戸川区葛西で現金4700万円が強奪される事件が起きている。

中国に逃走した日本人と中国朝鮮族のうち、日本人犯人は逮捕され強制送還された。

事件との関わりは不明だが、捜査関係者は一家殺害の直前の事件として伝えた

捜査本部は、捜査情報の公開で事件を風化させず、解決の糸口を得たいと協力を呼びかけている。」

 

ちなみに、吉林省の絡みでは、世田谷事件の約2年半後(2003年6月)に、

福岡県で、夫婦と幼い子供の一家4人全員が殺害され金を奪われるという、

世田谷事件をほうふつとさせる事件が起きている。

 

いまのところ犯人は3人とされており、その内訳は、

 

吉林省出身の日本語学校生(21)、

吉林省出身の私立大留学生(23)、

河南省出身の専門学校生(23)。(年齢はいずれも当時)

 

世田谷一家殺害事件

世田谷一家殺害事件

 

吉林省出身の2人は事件直後に日本を出国し、

中国で身柄を拘束されて、1人は死刑執行済み、1人は無期懲役が確定。

日本で逮捕起訴された河南省出身の男は、死刑が確定し、

2016年の時点では、福岡の拘置所に収監されていた。

https://www.youtube.com/watch?v=FkiofZ_52DQ

 

世田谷の事件について、外国人による犯行とは限らないにせよ、

遺留品やDNA型から、「実行犯 = 外国人」という線も捨てきれない中、

世田谷事件と近い時期に、現にこうして外国人(留学生)による一家皆殺しも起きているということは、

事実として押さえておくべきなのかなと。

 

また、「スケートボーダーでは?」とも噂される世田谷事件の犯人ですが、

このスラセンジャーのテニスシューズからスケボーとの関係を考えてみると、

スケボーではデッキへの接地面積の大きい平底の靴が好まれるようで、

その意味では、スラセンジャーのテニスシューズは、

いわゆる「スケボーシューズ」とは、かなり異なるタイプかと。

 

世田谷一家殺害事件

(スケボーシューズ一例)

 

世田谷一家殺害事件

(スラセンジャーのテニスシューズ。デッキテープを自分で切り貼りするようなスケーターなら、なおのこと、これは履かないような気もするが・・・しかし、単に犯行時はスケボー用の靴を履いてなかっただけということも考えられ、また、スケボー時にこういう靴でも履くというスケーターがいるかもしれず、靴だけでスケボーとの関連を判断するのは難しいところ)

 

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6. ジャンパーのポケットから発見された砂その他の遺留物

 

これらについて、ウィキペディアの記述を、少し整理して引用してみると、

 

ジャンパーのポケットからは、砂や植物の花粉、葉片、鳥の糞が採取された

砂は三浦半島の海岸のもので、馬堀海岸、北下浦海岸、三浦海岸のいずれかのものと推定されるという。被害者一家が事件の2年前に、三浦半島の海岸のホテルで宿泊していたという情報もある。

花粉は、ヒメザクロ(観賞用植物)またはケヤキの花粉、

葉片は、ケヤキとヤナギ(シダレヤナギ以外)の枯葉とみられている。

『バッコヤナギ』など数種類にまで限定して絞られたヤナギは、街路樹に多い『シダレヤナギ』とは違い、主に水辺に生息している特徴がある。

鳥の糞は『飼育用の飼料を食べていたとみられる、スズメより小さい鳥の糞』であるという。」(ウィキペディア)

 

ここで気になるのは、砂について

 

「三浦半島の海岸のもの」

「馬堀海岸、北下浦海岸、三浦海岸のいずれかのものと推定される」

 

となっている点で、

警察がこういう表現でリークをしたのだろうと想像しますが、

鑑定者が地上のすべての砂をサンプルとして持っているとも考えにくいことから、

自分としては、このポケットの砂については、

 

「砂を鑑定した研究室の分析によると、ジャンパーのポケットから採取された砂は、日本国内では、三浦半島の馬堀海岸、北下浦海岸、三浦海岸、この3か所の砂に構造が似ているので、日本国内で言えば、その3か所の砂である可能性が比較的高いが、日本のその他の場所や、外国の砂である可能性もある」

 

というくらいの、

あまりどこの砂と決めないような理解にしておこうかなと。

(とても有名な世田谷事件本の一つには、この砂について、「後の捜査で、犯人が現場に着てきたジャンパーのポケットから、韓国・京畿道、特に、道都・水原市から仁川市にかけての土砂粒によく似たものが検出された」とさえあります。)

 

ただし、これを言われるように「三浦半島の砂」との前提で考えてみると、

三浦半島の馬堀海岸の近くには、日本におけるスケートパークの元祖ともいわれ、

スケボーの大会もよく行われているという「横須賀うみかぜ公園スケートパーク」があり、

ヒップバッグから検出されたスケボーデッキテープの削りカスとみられる微物(後述)とともに、

この鑑定結果(三浦半島の砂)もまた、

事件とスケートボーダーとの関連を考えさせるものだ、と言えるのではないかと。

 

世田谷一家殺害事件

(中央向かってやや左、赤丸のところが世田谷区上祖師谷3、事件現場)

 

一方で、「被害者一家が、事件の2年前に、三浦半島の海岸のホテルで宿泊していたという情報もある」とのことで、

これは、ジャンパーが宮澤みきおさんのものであった可能性を示唆するものかもしれませんが、

まず、2年前の、ジャンパーを羽織るような時期に、三浦半島の海岸のホテルに宿泊したのかという点(宿泊したのは、夏休みの時期だったとの情報がある)、

またそもそも、ジャンパーは事件直前ともいえる2000年10~11月以降に発売された新しいものだったという点を考えれば、

事件の2年前だったという宮澤さん一家の三浦半島旅行は---その旅行の際に三浦海岸で拾った何かを、事件直前にジャンパーのポケットに入れていた・・・等のトリッキーな展開を考えないとすれば---ジャンパーポケットの微物とは無関係という気がしますが、どうでしょうか。

 

また、ヤナギについては、バッコヤナギなど数種類にまで限定されており、

それらのヤナギは、街路樹に多いシダレヤナギとは違い、主に水辺に生息している特徴がある、

とのことですが、バッコヤナギについて調べてみると

 

「水辺から離れた、比較的乾燥した場所でも生育している」

「バッコヤナギは葉幅が広いことと、葉裏に白い毛が密生している点で見わけやすい。岸和田市では前述の塔原林道の周辺、塔原町モツ谷で見かける。水辺よりも、谷の斜面のような場所に生育する」

 

といった記述もあり、

必ずしもその生息地は水辺に限らないことがうかがえるかと。

 

 

7. ヒップバッグの中(や表面)から発見された砂その他の遺留物

 

バッグの表面からは、硬水によく溶ける洗剤の成分

バッグの内側には、赤色系の蛍光染料の付着(この蛍光染料は、ラグランシャツや宮澤家車庫内戸棚の一部にも付着していたという)、

バッグの中からは、犯人のDNA型と一致する短めの毛髪や、

先の、「三浦半島の砂」、外国のものとみられる砂、1億4千万年前のモナザイト、

その他ガラスビーズなどの微物が検出され、その微物というのはどうも

スケボーのデッキテープ(グリップテープ)の削りカスの成分である可能性があると。

 

話が込み入っているので、

細かい部分は、ウィキペディアの該当箇所をご覧いただくしかないと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%94%B0%E8%B0%B7%E4%B8%80%E5%AE%B6%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6#.E3.83.92.E3.83.83.E3.83.97.E3.83.90.E3.83.83.E3.82.B0

 

ヒップバッグ表面に硬水用の洗剤が使用された形跡がある、とのことで、

犯人が外国人である~または外国への渡航歴がある可能性が指摘されているところ。

 

ちなみに水の硬度ですが、

日本の水道水の硬度は、平均50~60らしく、これは「軟水」だそうです。

(ただし日本でも、地域によっては欧米並みの硬度の場合もあるらしい。諸外国でも、その地域地域によって違うらしく、「あの国は軟水(硬水)」と、一言で言えるものではないらしい)

分類としては、(8月8日追記: 下の分類、間違いがあったので訂正します)

 

硬度0~60未満が「軟水」

硬度60~120未満が「中程度の軟水」

硬度120~180未満が「硬水」

硬度180以上が「非常な硬水」

 

アメリカだと、

シカゴ市内120(硬水)

ニューヨーク30(軟水)

ロサンゼルス90(中程度の軟水)

サンフランシスコ55(軟水)

ラスベガス300~400(非常な硬水)

 

中国だと、

北京360(非常な硬水)

 

韓国だと、

ユソン150(硬水)

ソウル55(軟水)

釜山100(中程度の軟水)

慶州550(非常な硬水)

 

しかし、こうして各国の地域別の水の硬度を見るよりは、

その国で主に使用されている洗剤の成分を調べたほうがいいのかな、という気もします。

(「軟水の国か、硬水の国か」を見るより、「軟水用洗剤がメインの国か、硬水用洗剤がメインの国か」を見る。洗剤の成分なら、地域によるブレはそこまでないのでは?・・・と想像しますが)

 

ヒップバッグ表面から出た洗剤が、どこの国の、なんというメーカーのものか、

それについての確定的な情報は見当たりませんでした。

 

また、バッグ内から採取された砂について、

モハーヴェ砂漠とか、エドワーズ空軍基地の砂であるとかについては、

「三浦半島の砂」と同じで、

そこまで言えるのかな、という気がするのですが、

 

しかしあえて、「カリフォルニア州の砂」という前提に立ったうえで、

 

・カリフォルニア = スケートボードのメッカ(一説にはスケボー発祥の地)

・往年のカリスマスケーター、クリスチャン・ホソイや、そのライバルだったトニー・ホーク = カリフォルニア出身

・ヒップバッグ内から検出されたガラスビーズなどの微物 = 「スケボーのデッキテープの削りカスである可能性」

・ヒップバッグ内に付着していた蛍光染料 = スケボーのデッキを蛍光ペイントした際に付着したもの(蛍光デッキってあるようです)

 

こう解釈してみると、

やはり犯人像として、「スケートボーダー」は、

有力な選択肢の一つになりうるのかな、と思います。