昨年の8月、東京都中野区弥生町の自宅マンションで
劇団員、加賀谷理沙さん(当時25)が殺害された事件で、
警視庁中野署捜査本部は12日、事件当時近所に住んでいた
福島県矢吹町中町の職業不詳・戸倉高広(37)
を殺人の疑いで逮捕したとのこと。
少し長くかかりましたが、さすが、警視庁
というところなんでしょうか。
逮捕されたのが、事件当時被害女性宅の近所に住んでいた人間であったこと、
事件後すぐに福島の実家に引っ越していたこと、
この事件が起こる少し前にも、容疑者が住んでいたアパートで、
女性宅へ不法侵入の上、
”強姦してやりたかった”という意味のメッセージを玄関のドアに書き残し、
エアコンのリモコンを盗む・・・という事件が起きていたこと、
逮捕の決め手はDNA型の一致であったこと、
去る2月24~25日ごろでしたか、
「もう、手詰まりなんですわ」
と言わんばかりに警察が「被害女性の新たな防犯カメラ画像」や、
「被害女性宅から盗まれたとみられる数々の物品」の公開に踏み切り、
一部からは、
「いまさら遅いよ」
「なぜもっとはやく公開しない?」
「この事件も迷宮入りか」
等々の批判も見受けられたこと、
にもかかわらずその約半月後には
容疑者を電撃逮捕してしまったこと等々・・・
いろいろ見るべき点が多いように思いますが、
特に最後の警察の動きはトリックプレーのようでもあり、
昨年夏に高槻市番田の事件で見られた大阪府警の動きにも似て、
意表を突かれた方もおられたのではないかと想像しますが、どうでしょうか。
「DNA型の一致が判明したのは、逮捕のほんの数日前なんだよ」
と、警察は言っているようですが、ホントかどうか。
警察ってたまにああいう動きをしますから、
事件を見る側も要注意と思います。
ところで、「遅いよ」と言われた画像公開といえば、
例の、島根女子大生バラバラ殺人事件を思い出すわけですが、
昨年の10月、事件から6年たって公開された被害女性の画像は、
島根県警による敵を欺くトリックプレーではなく、
本当に手詰まりによるものであったようで、
あちらは、いまだに未解決のままです。
当時の大橋亘・島根県警本部長が、この事件を解決できるかどうかは、
「警察の存在意義を懸けた闘いだ」
と言ったというのを、くどいようですが、
我々は忘れるべきではなく、捜査の行方をしっかりと見ていくべきだと、
今回、警視庁による重大事件の容疑者逮捕を受けて、
改めてそんな風に思いました。