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■ 名古屋妊婦切り裂き殺人事件、発生当日の不審者情報
(「その2」からの再掲)
1. 14時半~15時半の間にかけて、事件現場となったアパートの東側駐車場に見慣れない白い車がエンジンをかけっぱなしの状態で駐車しているのを、近所の主婦が目撃していた。
2. 15時10分頃、アパートの階段付近から、コートを着た30歳前後の中肉中背の男が飛び出してきた。男は北へ走り去り、アパートから約50メートル先の交差点を左折していった。
3. 15時10~20分頃、事件現場の階下の家に、30歳くらいの丸顔の男が訪れ、
「ナカムラさんという家を知りませんか」
と尋ねた。階下の住人の証言によると、まず玄関のドアノブがガチャガチャと回される音が聞こえ、続いてチャイムが鳴ったので出てみると、この男が立っていたという。
男は身長165センチ程度、ハーフコートっぽい黒いジャンパーを羽織っていた。
住人には近隣に「ナカムラ」という家の心当たりはなく、気味悪くもあったため、「知らない」と言ってドアを閉めると、男はすぐに立ち去ったという。
この男と思われる目撃証言は他にもあり、近鉄名古屋線「戸田駅」方面からアパートやマンションを訪ねまわっている姿が、何人もの人間に目撃されていた。
警察は、当日現場付近を通行した400人以上に聞き込みを行うなどして男の行方を追ったが、その足取りを掴むことはできなかった。
4. 16時半頃、ベレー帽をかぶり、コートの襟で顔を隠した男が、現場付近をうろついていた。
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さてこれらの不審者情報を受けて、思うところをまとめてみるとすると、1と4についてはよくわからないのでここでは検討しませんが、3は猛烈に怪しく、それに関連して2も怪しいかなと。
2のほうを先に検討してみるとすると、「アパート階段付近から飛び出してきた男が、北へ走り去り、約50メートル先の交差点を左折」とありますが、もしこれを「北」ではなく「南」へ走るとどうなるかというと、
(現場アパート東側の通りを、南へ向かった図)
こんな風に、(地図によれば)数百メートルは細くて人通りの少ない道が続き、そこを走ったり歩いたりしていると、人目につき、印象に残ってしまうと思うのですが、これを、男がしたように「北」へ向かって走ると、
(現場アパート東側の通りを、北へ向かった図)
50メートル先には交差点が見えており(画像奥、赤信号のところ)、そこを左折(右折でもOK)すれば県道29号線(の歩道)に入ることができ、そこは車の行き交いも多い道路なので、
(県道29号線)
「北へ走って、50メートル先の交差点を左折していった」
という男の行為は、見ようによっては、
「少しでも車や人の行き来の多い道に、素早く紛れ込みたい」
という心理の表れだったのかもしれない・・・
などと思えなくもないかなと。
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しかしそれよりなにより怪しさ満点なのは3だと思われ、この丸顔・黒ジャンパーの男は、犯行推定時間帯とほぼ同じころに、事件現場の階下の家を訪れ、ドアノブガチャガチャの次に呼び鈴を鳴らし、
「ナカムラさんという家を知りませんか?」
と尋ねたというのですが、そもそも、道を尋ねたいなら、そのへんの通行人かタバコ屋のおばさん、交番にでも訊いてみればいいだけのことであり、アパートの、しかも道路から奥まった方の一室を訪れて、呼び鈴も鳴らさずドアノブをガチャガチャやるとは、あまりに不自然ではないでしょうか。
(ドアノブガチャガチャの家を、道路から見た図。赤矢印の下に車が見えるが、そのあたりは柵で仕切られている。)
男はドアノブガチャガチャに止まらず、呼び鈴を鳴らして中の住人を玄関まで呼び寄せ、「ナカムラ家」の所在を尋ねる・・・という熱心さを見せているのですが、そうまでして「ナカムラ家」の所在を知りたいのであれば、例えば質問するに当たって、
「ナカムラさんというのは、このあたりのアパートに住んでおられる方で・・・」
「これこれのお仕事をされている、これくらいの年齢の方で・・・」
「下の名前はこれこれで、小学生のお子さんが二人おられる方なのですが・・・」
とかの補足的説明を、一言くらい加えてもよさそうなものだと思うのですが、
男は単に「ナカムラ」という、ごくありふれた名字”のみ”を持ち出して漠然すぎる質問をしたのみで、
住民から
「知らない」
と言われると、その種の補足的説明を一切試みずに立ち去っており、当初の熱心さ---道路から奥まった方の部屋を訪れガチャガチャピンポン---とは裏腹の、執着の薄さ~やる気のなさを見せており、このチグハグな行動を見ると、
「実は、男にはもともと道を尋ねる意図などはなかったのではないか」
「それとは別の、隠された意図のもとに、ガチャガチャピンポンをやっていたのではないか」
などとも思えてくるのでした。
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気になるのは、「この男と思われる目撃証言が他にもある」とのことで、それは、
「現場近くの近鉄名古屋線・戸田駅方面から、アパートやマンションを一軒一軒うかがいながら歩いている男の姿が、何人もの人間に目撃されていた」
とのことらしく、
(画像向かって左下が戸田駅、赤矢印の方向へ男は歩きまわっていたという)
「一軒一軒うかがいながら」の部分は「訪ね回りながら」としているサイトもあるのですが、要するに、
「アパートやマンションの敷地内をうろついたり、それとなく部屋を覗き込むそぶりを見せたり、場合によってはドアノブをガチャガチャやったり、呼び鈴を鳴らしているのが目撃されていた」
というたぐいの話ではないかと想像します。そこで、
「戸田駅方面から、アパートやマンションを一軒一軒うかがいながら---訪ね回りながら---歩いていた男」
「被害女性の階下の家を訪れ”ナカムラさんという家を知りませんか?”と尋ねた男」
この二つを仮に同一人物だとした場合、男は一体、何が目的で、そんなふうに歩き回っていたのだろうか?・・・ということを考えてみると、
どうやら男は、通行人やタバコ屋のおばさん、住民事情に詳しいであろう古くからの土地持ち~古い一軒家の住人を訪れて道を尋ねるでもなく、
逆に、「一般的には住民事情に疎いことが予想されるアパートやマンション(の住人)」をもっぱら訪ね回っていた(そういった敷地内をうろつきまわっていた)らしいということで、
そういった事実に加えて、「事件現場の階下の家で見せた男の言動」も考えてみれば、
この男には、最初から道を尋ねる意図などは毛頭なく、一部に言われているように、ドアノブガチャガチャ~ピンポンで、住人の在・不在を確認し、
「空き巣」
を働く機会を窺っていたのではないか・・・
とも思われてくるのですが、それにしても違和感を覚えるのは、男の行動は「空き巣狙い」というにしては執拗過ぎないか、何人もの人間に目撃されており、あまりに目立ちすぎていないか・・・ということなのですが、
この点については、ある仮定すなわち、
「この男は、妊婦を殺害し腹を切り裂いた犯人そのものだったのではないか」
という仮定のもとに、この男が最後に引き起こした結果(妊婦殺害)も併せて、全ての状況を俯瞰(ふかん)してみると、男の行動---アパートやマンション(住人)の執拗な物色---についても、けっこう腑に落ちてくるかもしれません。
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つまり---想像ですが---男は当初は「空き巣狙い」で近鉄名古屋線「戸田駅」方面から供米田あたりをうろついてみたものの、
途中から、この男が隠し持つ別の衝動が頭をもたげてきてしまい、その衝動に突き動かされる形で、人目も憚(はばか)らずに歩きまわっていたのではないか・・・ということであり、
アパートやマンションを訪ね回りながら、時に呼び鈴まで押して住人を玄関まで呼び出していたのは、その目的の半分は、空き巣狙いらしく「住人の在・不在を確認すること」であったものの、残りの半分は、この男の持つもう一つの欲望を、あわよくば満たしたい、という狙いのもとに、
「住人を玄関におびき出す」
ということであったかもしれず、そうまでして住人との対面を果たそうとした裏には、おそらく住人の何かを---多分に、その年齢・容姿などを---その目で確認しようとしていたのではないか、そして、
「アパートやマンションを、一軒一軒うかがうようにして歩いていた(訪ね回っていた)」
というのはおそらく、
「駐車場の車の有無、外に干された洗濯物や子供のおもちゃなどから、主人の在・不在や住人の年齢層などをある程度推測し、ドアノブガチャガチャ~呼び鈴ピンポンをやる家を品定めしていた」
ものと想像され(殺害された妊婦は、洗濯物を外に干したままだった)、また、「平日(金曜日)」に「アパートやマンション」を訪ね回っていた・・・というのは、おそらく、
「平日、その時間帯(午後3時ごろ)のアパートやマンションであれば、比較的若い世代の主婦が一人で(あるいは幼い子供とともに)在宅中だろう」
という見込みの下の行動だったのではないか、だとすれば、事件現場の階下の家で、呼び鈴におびき出されて玄関で男と対面した主婦は、
「単に容姿や年齢などの点で、男の食指をそそらなかった(それゆえに襲われずに済んだ)」
というだけのことであって、一方のMさん(被害女性)は、「容姿や年齢などの点で、男の食指を動かしてしまった」がゆえに(美人だったとのこと)室内に押し込まれてしまったのであり、絞殺後の遺体損壊など、好き放題やっているにもかかわらず、
「強姦の形跡はなかった」
ということを考え合わせると、この事件は、
「”成人女性を絞殺~扼殺すること”、そして、”成人女性の死体に加虐し、損壊を加えること”・・・この二つに性的快感を覚える者による、年齢や容姿などからある程度対象を選んだうえでの、快楽殺人だったのではないか・・・」
(強姦目的や怨恨などは一切なし)
とも思えてくるのでした。
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最後に、この事件における次の点、すなわち、
1. 妊婦を狙っていること
2. 殺害後の腹部切り裂き~胎児取り出し
3. 腹部への物品(受話器とミッキーマウスのキーホルダーに付いた車の鍵)詰め込み
など、他の事件にはあまり見られない、特異とも思える犯行態様については、どう考えるべきなのだろうか・・・ということについて、素人的な感想をまとめてみると、
まず1の「妊婦狙い」については、自分的には、この犯人は例の、
「戸田駅方面から、アパートやマンションを一軒一軒うかがうように歩いていた(訪ね回っていた)男」
「事件現場の階下の家でドアノブをガチャガチャやり、呼び鈴を鳴らして、住人に”ナカムラさんの家は?”と尋ねた男」
と同一人物ではないか、と想像しているので、そこから無理矢理に結論付けさせてもらうとすれば、この男は、別に妊婦を物色して歩いていたわけではなく---「あちこちを訪ね周りながら妊婦を物色していた」という設定には無理があるかと---単に、空き巣狙いで昼下がりのアパートやマンションを窺う中で、隠し持っていた別の衝動が起きてしまい、
その衝動に突き動かされる形でガチャガチャピンポンを繰り返し、中の住人を玄関に誘い出しながら、自分の好みに合う容姿や年齢の女性を物色していただけではないか・・・という気がします。
つまり、妊婦が襲われたのは偶然であり、もしこの妊婦(Mさん)が、容姿や年齢的に犯人の嗜好に合わなければ襲われずに済んだものと思われ、
逆に、男がアパートやマンションを訪ね回る中で、一人でも男の好みに合致し、しかも襲いやすそうな状況にある女性がいた場合は、(たとえ妊婦でなくても)その女性が犠牲者になっていたのではないか、と考えます。
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次に2の、「殺害後の腹部切り裂き~胎児取り出し」については、
「腹の中の赤ん坊に対しては特に恨みがあるわけでもなく、憐憫の情が湧いたので、咄嗟(とっさ)に腹を切り、取り出して生かしてやった」
という見方もあるかと思いますが、
「被害女性の足を大きく広げて、その間に、血まみれの赤ん坊を裸で放置する」
という、一見して分娩を連想させるようなポーズをあえて取らせているところなどは、
「赤ん坊だけは助けてやりたい」
などという心情の表れというよりはむしろ、
「死体に(分娩の)ポーズをとらせて面白がる」
といったたぐいの、悪い意味での子供じみた心理の表れと見えなくもなく(赤ん坊は血まみれのまま裸で放置、自分の手だけは台所でしっかり洗い、指紋を拭き取り、被害女性の財布を奪って逃走---犯行に用いたナイフは持ち去っている---)
だとすれば、殺害後に遺体の腹部を切り裂いた行為については、単に犯人の有する
「死体加虐愛好癖」
の一つの表れに過ぎなかったかもしれず、「取り出した赤ん坊を殺害しなかった」というのも、単に犯人の嗜好が
「好みのタイプの成人女性の首を絞めて殺害し、その死体に加虐し、損壊を加えること」
にあったがゆえに、取り出した赤ん坊は、犯人にとって
「興味の対象外(ピクリとも食指動かず)」
だったのであり、「これを殺害したい」という欲望も含めて、何の感慨も湧いてこなかったために、(赤ん坊に対しては)あえて積極的な殺害行為を行わなかった、そして、
「成人女性を絞殺~扼殺すること」
「成人女性の死体に加虐し、損壊を加えること」
この二つのみを楽しみ面白がっていた犯人が、手元にある「妊婦」の死体や「赤ん坊」を見て、なんとなく思いついたのは、
「分娩」
の構図だったのであり、その構図を---おそらくはこれも死体加虐の一環として---実現させるべく、被害女性の両足を広げ、その両足の間に取り出した赤ん坊を配置しようとしたものの、
「へその緒」が---平均50センチ程度といわれる---距離的にやや邪魔と思われたので、それをテキトーに切ってみたところ(長めに切られていた)、それがあたかも、
「赤ん坊についてはへその緒を切ってやり、積極的に生かす処置を施した」
かのような外観を生み出した・・・
ということに過ぎなかったのではないか、と想像します。
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続いて3、「腹部への物品詰め込み」について、
(詰め込まれていた物品、実物ではなく、イメージです)
これは、受話器と車の鍵をあり得ないところに詰め込んでいるので、一見、それらの物品を「隠した」かのようでもあり、だとすると、
「電話での早期通報」
「車での警察署への駆けつけ」
などを遅らせるための
「時間稼ぎ」
だったと思えなくもないですが、しかし、受話器については「コードを切断した時点で、使用不能になる」のだから、いまさらそれを隠す必要は---いわんや遺体の腹の中に隠す必要は---ないのであり、
また、車の鍵はポケットにでも入れて持ち去ればいいだけの話だから、これもやはり、遺体の腹の中に詰め込む必要はないのであり、
これらの物品をあえて遺体の腹に詰めていたことを、
「隠していた」
「時間稼ぎをしようとした」
と解するのは、やや無理があるような気がします。
この行為(遺体の腹への物品詰め込み)が、犯人のどのような心理の表れであったのか、
それは、素人的には、死体にさらなる侮辱を与えて世間を騒がせ、それを陰から見て面白がりたいという、放火犯にも似た心理であるとか、
あるいは、死体の腹を切り裂いてみたり、分娩のポーズをとらせてみるといった行為の延長線上の行為、つまり例の”死体加虐愛好癖”の表れの一つ?・・・という気がしなくもないのですが、
そういった皮相的な感想よりもさらに深い分析---世間を騒がせたいという心理や、死体加虐愛好癖のさらに奥には何があるのか---は、精神分析学や犯罪心理学の専門家による知見を仰ぐのがよいと思われ、
さらに言えば、犯人自身の口から直接、その時の気持ちを語ってもらうのが手っ取り早い、と思われるのですが、「犯人その人に、その時の心理を訊いてみる」ということができない以上、
「似たような猟奇殺人を犯したことのある人間」
にインタビューして、そのあたりの心理を紐解いてもらうのがよいと思われ、その場合は、
●「2006年に愛知県豊川市で偶然見かけたベトナム人女性、レ・ティ・リーさん(当時24)に一方的に好意を持ち、その後、何度かレさんの部屋を外から覗いたり、ドアを開けようとしたりした後、たまたまドアの鍵が開いていた日に部屋に押し入り、レさんを鈍器で殴り付けた上で、首を絞めて殺害し、その後、遺体の腹を切ってみることを思いつき、レさんの腹部をナイフで切ってその様子を携帯電話で撮影し、ナイフは自宅に持ち去った(朝日新聞、2011年8月27日付)。後の裁判で本人は”強姦目的であった”旨述べたが、レさんの遺体には強姦の形跡はなかった」
●「2011年4月、岐阜県下呂市の山深い林道でコンビニ店員・長瀬まゆみさん(当時44)の白骨遺体が見つかった事件で、遺体が発見される1週間前に”山林に遺体がある”旨の非通知の電話を警察(下呂署)に掛け、積雪などのため下呂署が発見できずにいると、今度は”白骨死体がこの下にあり。110番通報を願う”と書いたコーヒーフィルターを車載用の三角表示板に貼り付けて遺体発見場所すぐ上の林道上に置いてみせた」
(詳しくは「その1」を参照ください。)
という、
「成人女性への絞殺~扼殺願望」
「成人女性への死体加虐愛好癖」
「世間を騒がせて、それを陰から観察してみたいという欲望」
などをどうやら併せ持ち、しかも、表ざたになったものだけでも数件の窃盗の前歴を有している元中川区民、
後藤明弘受刑者(現在51)
を刑務所に訪ねて訊いてみれば、この名古屋妊婦切り裂き殺人犯の心理についても、合点のいく答えが得られるかもしれない・・・と思うのですが、どんなもんでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=sapa9StfTVA
https://www.youtube.com/watch?v=7H-pxRfp7tg
(豊川と下呂の2事件を報じるニュース動画、Youtubeより。他にも、後藤受刑者の顔はググれば出てきます。)