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さてこれまでのような見方(改ざんの可能性・・・)に立つとすれば、
「メモのどの部分が、どう改ざんされたのか」
ということも、一応は考えてみたいのだった。
そこで、再びこのメモに目をやると、
(このメモ)
まず一見して、文章全体がやたら(向かって)左に寄っているように思える。
普通、全3行の文章を構成するのであれば、
そのレイアウトは、上の画像でいえば、向かって右側(位置修正済み)のようになるのではないかと思うのだが、実際のメモは、向かって左側(修正前)のように、文章全体が、妙に左に片寄っているように見えるのだった。
しかし、よく見るとそれは、3行目「この男の人わるい人」がレシートの左隅に窮屈そうに押し込まれているため、全体のバランスが崩れて、全てが左に片寄っているように見えるだけで、
3行目を無視して1~2行目だけに着目すれば、この2行は、紙面の中ほどにバランスよく配置されているのがわかる。
ここから、問題の3行目を取り去ってみると、
これでレイアウト的な違和感が消えたかなと。
加えて3行目は、1~2行目と比べると全体的に文字が小さく(ひらがなの部分は特に)、縦のラインもぶれている(斜めになっている)。
3行目のこの異質感、不調和な感じ、そして、3行目を除去することによって得られるバランスの良さ・・・
このことから、
「もしかすると、Aさんはもともと、この文章を”2行のもの”として構成したのではないか」
という風に思えてくるのだった。
もしそうだとすると、Aさんによるオリジナルの部分は「最初の2行のみ」であったかもしれず、さらに
これまでも触れてきたように、黄色の部分の乱れっぷり、例えば、文字の大きさのばらつきであるとか、字間の不統一、誤字による訂正、縦のラインのぶれ、
そして、画像中の文字の濃淡を見る限りでは、「筆圧」ということについてもばらつきが見て取れるのであり、
一方で、赤色の部分にはその種の乱れがほぼ見て取れず、ひいき目かもしれないが、赤色の部分は、自分には落ち着いた丁寧な筆跡に思える。
また、この3行の文章の不気味さ、恐ろしさを演出する核となっているのが、実はもっぱら黄色の部分つまり、
「オワレ(て)」
「たす(け)」
「この男の人わるい人」
の部分なのだ、ということも見て取れる。
とすると、この黄色の部分と赤色の部分は、それぞれ別人が、別の意図をもって書いたのかもしれず、例えば、
「Aさんが(おそらくは職場の机の上で)落ち着いて書いたのが、赤色の部分だ」
と仮定すれば、
「捏造者が、誤字やカタカナを織り交ぜながら、それらしく乱れた筆跡で後付けしたのが、黄色い部分だ」
と見ることができるかもしれない。
とすると、もともとAさんが書いていた原文というのは、
この空欄の部分に適当な文字が入った、全2行の、おそらくは、職場の同僚に向けた業務上のメッセージか何かだったかのもしれない、と思う。
一例を挙げれば、それは、
こういった文面が考えられるだろうか。
一部を空欄のまま残してしまったが、単に適当な語句を思いつかなかったせいなので(苦笑)、もしよければ、このブログをご覧いただいている方で、各空欄に当てはまる適当な語句を、お暇なときにでも考えてみてください。
ともあれ捏造者は、Aさんによって書かれた上のような2行の文面に、おそらくはまず、捏造の核心的内容を含む3行目(この男の人~)の全文を書き加えた。
「悪い男に追われ、身の危険に晒されている女性」が、その「悪い男」を称して
「この男の人」
などと書くのは、あまりに不自然ではないか、普通は、「この男」「こいつ」などと書くのではないか・・・
と、人々は思うであろうし、そう思って当然なのだが、
しかし、そこらあたりに配慮して「自然な捏造文」に仕上げようという思慮は、この捏造者には働かなかったのだと思う。
いやむしろ捏造者は「女性による文章」を心がけるあまりに、ついうっかり「この男の人」という、物柔らかな表現にしてしまった、と思う。
それはちょうど、あまり上手くないネカマが、ネット上で
「~~だわ」
「~~だわよ」
などと書いて馬脚を現してしまうのと同じで、逆に言えば
「3行目を書いたのは、男だった」
からこそ、「女性風に、女性風に・・・」と意識するあまりに、
「この男の人」
という、いかにも女性風な、物柔らかな表現にしてしまったと想像する。
(本当にこの部分を女性が書いたのなら、「この人」「この男」「こいつ」等の、もっと素っ気ない~粗い表現になったのではないだろうか。)
それはともかくとして、捏造者は次に、3行目の内容に合わせようとして、1~2行目に改ざんを施し、全体として切迫した、恐ろしげな雰囲気にしたのだと、このような流れを妄想するのだが・・・
しかし、このメモの仕上がり具合の悪さからすると、おそらくは、細かい部分にはあまり配慮せず、その時の気分で即興的に仕上げたものか、
あるいは、誰かに命じられて嫌々やった”やっつけ仕事”だったのかな・・・という気がしないでもない。