降りしきる雨の中、
有希ちゃんの遺体が遺棄された常陸大宮市三美の現場で、
逮捕された勝又拓哉容疑者(32)を伴い現場検証が行われた。
その様子を、テレビカメラが捉えていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140609-00000197-fnn-soci
遺棄現場に向かう林道の入り口には
警察により、規制線が張られていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140609-00000030-jijp-soci.view-000
テレビのスタッフは、
規制線の張られた入り口とは違った場所から森に侵入し、
機材を担ぎ、やぶ蚊の襲撃を掃いながら遺棄現場に接近し、
遠巻きにカメラで撮影したのだろうか。
テレビでもおなじみになったあの
ヒノキの植林された現場だ。
急傾斜ではあるものの下草は少なく、
遺棄のために足を降ろすには都合がよかったらしい。
容疑者の両脇には、
捜査員らしき二人の人物が見える。
雨よけのためか、テントも張られている。
容疑者は無表情に思える。
心なしかどこかを見つめているようだ。
有希ちゃんが遺棄されていた、
ヒノキの根元の方向かもしれない。
2005年12月1日、
月明かりのない新月の夜、
彼は一人でこの地に降り立ったのだろうか。
両腕には殺めた女児の遺体があった。
重みに体のバランスを崩さぬよう、
一歩、また一歩と
地面の感触を確かめるように
急な斜面を下っていく。
足音だけが闇にこだました。
木々は一部始終を見ていただろう。
8年半前、辺鄙なこの地に警察車両が集結した、
場違いで物々しい、冬の夜の風景を忘れない。
捜査は迷走した。
「迷宮入り」
誰もがこの言葉を連想したと思う。
「まさかこの時が来ようとは・・・」
雨の中、捜査員に伴われ
現場にたたずむ容疑者の姿を見て、
心からそう思わずにはいられない。