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「存在感のなさ」が武器

日刊ゲンダイ 4月20日(金)10時0分配信

<前川清(歌手・俳優)>

 福井県の市や企業が出資して製作される映画「旅の贈りもの~明日へ~」(前田哲監督、10月から全国ロードショー)で、酒井和歌子、山田優らと共演する。映画は32年ぶりで、しかも主演だ。還暦を過ぎてもますます活躍の場を広げている。  1948年、長崎県佐世保生まれ。高校を2年で中退して、佐世保のキャバレーで歌っていたところをスカウトされる。69年に「内山田洋とクール・ファイブ」のボーカルとしてデビュー。「長崎は今日も雨だった」でヒットを飛ばす。実は、勧誘は内山田からではなく、メンバーの小林からだった。当時、大人気だったクール・ファイブに誘われてうれしかったが、すでに別のグループで歌っていたため仲間のことを考えて迷ったという。  米軍の佐世保基地の兵舎から流れてきたジャズに影響を受け、中学、高校とジャズに熱中。デビュー前は歌謡曲には全く興味がなく、洋楽にはまっていた。プレスリー、クリフ・リチャード、ポール・アンカ、ニール・セダカなどを聴き、歌っていた。  71年に藤圭子と結婚したが、翌年離婚した。離婚会見で、2人とも「離婚の理由がよくわからない」と発言して周囲を驚かせる。数年後「欽ちゃんのドンとやってみよう!」(フジテレビ)でレギュラー出演の時に、萩本欽一が「会わせたい人がいる」とこの人をひとり置いて舞台からいなくなり、何の前触れもなく藤が登場した。ボケキャラだったこの人が、いきなり元妻・藤と2人きりにされたため、絶句した。

 父親の酒癖の悪さを子供の時から見ていたせいか、40代ぐらいまで酒を一滴も飲まなかった。飲むようになったのは、ソロになって、細川たかしや吉幾三、鳥羽一郎、山本譲二ら演歌の人と付き合うようになってから。カラオケ好きの彼らだが、この人はまるでダメ。ほとんど歌わないが、たまに高山厳の「心凍らせて」、サザンの「真夏の果実」などを歌う。  酒を飲まなかった時期、女に走った。付き合った女は300人以上で、モテたというより、遊んだ人生と自ら語る。  楽しみは各地にニシキゴイや競走馬を見に行くこと。競馬との関わりは、30年ほど前に春日八郎(歌手・故人)に誘われたのがきっかけ。川崎競馬で初めて自分で選んで買ったキヨノタモツという馬が(1)着になってから快感を覚えて、ついに馬主にまで及ぶ。  馬主歴20年以上。コイウタが2007年5月にヴィクトリアマイルで優勝した。それまで馬主席に見に行くと勝てないので、この日は北海道で馬関係者とゴルフ。さすがに結果が気になり、中断してテレビを見たら、あれよあれよと優勝。急きょ東京へ。羽田に着いたが、大勢のマスコミ陣が気づかない。ジーパンで頭がぼさぼさでオーラのかけらもなかったと苦笑する。そういう人だ。

(日刊ゲンダイ2012年4月17日掲載)

春日八郎の世界
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