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笠りつ子“逆転V”生んだトップスイング
夕刊フジ 4月10日(火)16時56分配信

 大荒れ天気で2日目が中止となり、2日間競技となったヤマハレディース。最終日には、雨はあがったものの強風は残っていた。そんな中でトップの服部真夕に4打差でスタートした笠りつ子が6バーディー、2ボギーの68をマークして逆転優勝を果たした。

 プロ入り6年目の25歳。昨シーズン、ニトリレディスでツアー初優勝し、一気にブレークした。昨シーズンは、優勝したニトリレディス以外にも日本女子オープンの2位タイはじめ6回のベスト10フィニッシュもあり、獲得賞金も5700万円余でランキング10位とめざましい活躍でその名を全国区に広めた。

 初優勝よりも難しいといわれる2勝目。今シーズンは「早いうちに、それを達成してさらに優勝を重ねていきたい」と意気込んで迎えていた。「自分のベストを尽くせば、結果もついてくる」と、自身の成長とオフの調整に自信を深めてもいた。

 強風の中での逆転劇。それを演出したのは、笠の早い時期での2勝目達成への強い思いとスイングだった。笠のスイングの特長は、まず、トップスイングにある。

 左肩が深くターンし、体が十分にワインドアップされていてグリップポジションも高い位置にあるのに、クラブはかなり立った状態に収まっているところだ。コッキングが少なく、右ヒジのたたみも深くしない。

 トップスイングの理想は「左肩が90度ターンし、右ヒジも直角にたたまれ、シャフトは地面と水平で、飛球線と平行になる」とされている。これを基本あるいは基準にしてスイング作りが行われるのだが、あくまでも基本であり、目安であって、実は、必ずしも理想ではない。

 笠は身体能力がかなり高く、ボディーターンのスピードが速い。そのため、右ヒジを深くたたんだり、コッキングを大きくすると、クラブヘッドがボディーターンのスピードについてこられずに振り遅れ現象を招いてしまう。

 男性アマチュアゴルファーにも、そうした傾向が見られる。それもかなり多く。ただし、男性の場合は、女性と比べて腕力も強いから、まだアジャストしやすいところが救いになっている。

 笠は、このトップスイングで振り遅れを防ぎ、ボディーターンのスピードとクラブの動きを同調させて飛距離とショットコントロールに生かしているのだ。

 こうしたスイングを身につけるには、基本からちょっと離れたことに挑戦してみることが大切だ。

 例えばグリップ。「右手は中指、薬指で軽く持つ」というのが基本だが、笠のようなトップスイングを作るのならピストルの引き金に右人さし指を引っかける格好で、しかも、緩みが生じないぐらい強めにグリップ部をホールドした方がいい。

 コッキングするには不自由だが、グリップ位置は高くなり、左腕がしっかりと伸びて左肩のターンも深くなる。それでいてクラブヘッドの遊びはなくなるから、速いボディーターンに連動する。力自慢の男性ゴルファーこそ、この笠りつ子流が役に立つ。