正欲(2023)
〜あらすじ〜
普遍的なものが
正しさであるかのように
刷り込まれた社会で
そうではないものが
どう生きていくか
自分を押し殺してまで
社会に迎合する必要はあるのか
もうね、言いたいことが
次から次から湧いてくるんですが
程々にネタバレのないように
好きに書いていきますね
作中のガッキーと磯村勇斗の日陰者感
暗さが半端なくて
特に感情が死んでいるキラキラ成分ゼロの
ガッキーが見たい人は是非…見て…
でもそのジメッとした暗さがあったから
公園でのシーンがあんなに輝いた
私の知ってるガッキーだった
人は本当に好きなものの前では
無邪気な笑顔になれる
磯村勇斗も良かったなあ
口数の少ない二人がぽつりぽつり
呟く言葉には刺さるものが多く
共感と追体験の嵐で
私の心は大きく動かされました
普段私は自分のことを
透明な何かだと思っていて
自分一人くらい居なくたって
社会は回るじゃないですけど
それくらい軽い何か
だからって簡単に
リセット出来る訳でもなく
生きることは放棄出来ません
そんな透明な孤独と向き合って
絞り出した苦肉の策が
普通に擬態する
マジョリティに迎合する
(勘のいいガキは嫌いだよ(CV:永井誠)
普通に擬態する=自分を押し殺す事
でもあるんですが
社会を変えるよりも最も簡単な方法
そうやって誰にも理解されず
社会に溶け込んでいる人も
少なくない気がする
犯罪や社会に迷惑をかける行為であれば
理解どころか糾弾されて当然だと思いますが
そうではない嗜好を拒否されたり
批判される事ってありますよね
作中の稲垣吾郎演じる検事の
歪んだ正義感が
正にそういう社会を体現していて
見事なハマり役でした
「普通じゃない」
「変わってる」
あなたにとってはそうでも
私にはこれが“普通”
最後は深刻な事態になってしまいますが
ガッキーと磯村君
あの二人ならきっと大丈夫