正欲(2023)



        〜あらすじ〜

   横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息   子が不登校になり、教育方針を巡っ   て妻と度々衝突している。
   広島のショッピングモールで販売員   として働く桐生夏月は、実家暮らし   で代わり映えのしない日々を繰り返   している。              ある日、中学のときに転校していっ   た佐々木佳道が地元に戻ってきたこ   とを知る。 
   ダンスサークルに所属し、準ミスタ   ーに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋   大也。                学園祭でダイバーシティをテーマに   したイベントで、大也が所属するダ   ンスサークルの出演を計画した神戸   八重子はそんな大也を気にしてい      た。
   同じ地平で描き出される、家庭環    境、性的指向、容姿     様々に異な   る背景を持つこの5人。        だが、少しずつ、彼らの関係は交差   していく。
   まったく共感できないかもしれな    い。驚愕を持って受け止めるかもし   れない。   
   もしくは、自身の姿を重ね合わせる   かもしれない。それでも、誰ともつ   ながれない、だからこそ誰かとつな   がりたい、とつながり合うことを希   求する彼らのストーリーは、どうし   たって降りられないこの世界で、生   き延びるために大切なものを、強い   衝撃や深い感動とともに提示する。   いま、この時代にこそ必要とされ    る、心を激しく揺り動かす、痛烈な   衝撃作が生まれた。     もう、観る   前の自分には戻れない。



普遍的なものが

正しさであるかのように

刷り込まれた社会で


そうではないものが

どう生きていくか


自分を押し殺してまで

社会に迎合する必要はあるのか


もうね、言いたいことが

次から次から湧いてくるんですが

程々にネタバレのないように

好きに書いていきますね


作中のガッキーと磯村勇斗の日陰者感

暗さが半端なくて

特に感情が死んでいるキラキラ成分ゼロの

ガッキーが見たい人は是非…見て…


でもそのジメッとした暗さがあったから

公園でのシーンがあんなに輝いた

私の知ってるガッキーだった


人は本当に好きなものの前では

無邪気な笑顔になれる


磯村勇斗も良かったなあ


口数の少ない二人がぽつりぽつり

呟く言葉には刺さるものが多く


共感と追体験の嵐で

私の心は大きく動かされました




普段私は自分のことを

透明な何かだと思っていて

自分一人くらい居なくたって

社会は回るじゃないですけど

それくらい軽い何か


だからって簡単に

リセット出来る訳でもなく

生きることは放棄出来ません


そんな透明な孤独と向き合って

絞り出した苦肉の策が

普通に擬態する

マジョリティに迎合する

(勘のいいガキは嫌いだよ(CV:永井誠)


普通に擬態する=自分を押し殺す事

でもあるんですが

社会を変えるよりも最も簡単な方法


そうやって誰にも理解されず

社会に溶け込んでいる人も

少なくない気がする


犯罪や社会に迷惑をかける行為であれば

理解どころか糾弾されて当然だと思いますが


そうではない嗜好を拒否されたり

批判される事ってありますよね


作中の稲垣吾郎演じる検事の

歪んだ正義感が

正にそういう社会を体現していて

見事なハマり役でした


「普通じゃない」

「変わってる」

あなたにとってはそうでも

私にはこれが“普通”



最後は深刻な事態になってしまいますが

ガッキーと磯村君

あの二人ならきっと大丈夫




最近見た映画はこれ

 

Ameba映画部