生身で宇宙!! その②
前回、
生身で宇宙!! その① で、
ただ宇宙空間は絶対零度に近いからフリーズドライの可能性も考えられます。。。低温だったら低圧でも液体のままとか・・・・」
というコメントをいただきましたので、まずはそれに答えたいと思います。
ゆっけさんが言われるように、宇宙は凄く寒いです。
地球上じゃありえないほど、寒いです。だいたい平均すると、マイナス百数十度くらいらしいです。
それじゃ、生きたまま、宇宙に放り出されると、凍りそうなんですが、実は凍らないらしいんです。
それは何故か?
ちょっと話が変わりますが、ところで熱いラーメン食べるとき、どうします?
普通、麺を持ち上げて、ふーふーと息を吹きかけますよね?
それじゃ、なんで、その行為で冷えるかというと、空気があるからなんですよね。
つまり、空気が麺の熱を吸収して、熱せられた空気がまた別の空気に熱を伝えることで、ラーメンは冷めるのです。
では、宇宙ではこれと同じ行為ができるかというと、当然、できませんよね?
だって、宇宙には空気がないんですから。
ということで、宇宙に生きたまま、放り出されても、カチンコチンに凍ったりしないんですよ。むしろ太陽の熱やUVでの火傷を心配した方がいいのかもしれません。
ということで、前回の話の続き。
宇宙空間に出たら、
確かに人体は爆発しないかもしれないけど、
血液が沸騰するんじゃない?
ということを言ったわけだけど、実はこれも起こらないらしいんです。
何故かというと、生きている人間は普通、心臓が動いているからなんです。
ところで、どうして血液は全身を循環するのでしょうか?
それは心臓がポンプの役目をして、圧力を生み出して、血液を押し出すだからです。
これを血圧といいます。
佐和は高血圧気味なんですが、普通の人は、下が70くらいで、上が110くらいなんでしょうか?
(佐和の記憶では下が80、上が130を超えると高血圧)
それじゃ、この上とか下は何かというと、ポンプが血液を押し出すときの強さなんです。つまり、思いっきり心臓が縮んで血液を一杯送り出すときが110くらいで、送り出す前に血液を取り込みながら心臓が広がるときが70くらいなんです。
ちなみに、この血圧の単位はmmHgといいます。
高校で化学を習った人は知っていると思いますが、普通、地面にいるときの気圧、つまり、1気圧は760 mmHgです。
話が少し逸れましたが、血圧という圧力が血管を流れる血液に、常にかかっているわけです。だから、体が真空に放り出されても、体内の血液には血圧がかかっているので、真空のような状況にはならずに、沸騰しないのです。
(少し細かい話を書きますと、体温を37度Cとして、そのときの水の蒸気圧は47mmHgだからだ沸騰しないんです)
まぁ、血液が沸騰したら、血管や体中の組織はズタズタにされると思うので、真空中に14秒いた宇宙飛行士が生きていたことからも起こらないといえるんですけどね。
まぁ、そんなわけで、生身で真空に放り出されても、破裂したり、血液が沸騰したりはしないらしいんですよ。
と思っていたら……
Japan Aerospace Exploration Agency (独立行政法人宇宙航空研究開発機構)こと、JAXAのHP に
人が宇宙服なしで宇宙空間に飛び出した場合、宇宙空間がほぼ真空であるため、体液・血液が沸騰し、体のいろいろな器官の機能が停止して死んでしまいます。
と書いていました。
これって、どういうことかな?
続く。