最初のHDLコレステロールの例では、
帰無仮説H0:「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」(μ1=μ2)
対立仮説H1:「HDLコレステロールの平均値に男女差はある」(μ1≠μ2)
を仮説として立てました。
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例題:[HDLコレステロール値の標本(男女別)]
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女性(16人): 平均値x1=56.4 , 標準偏差s1=7.3
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男性(12人): 平均値x2=50.4 , 標準偏差s2=7.6
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もし、この仮説の立て方を
帰無仮説H0:「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」(μ1=μ2)
対立仮説H1:「HDLコレステロールの平均値は女性のほうが男性よりも高い」(μ1>μ2)
となったらどうでしょうか??という問題です。
この場合は「t分布の右すそのみに棄却域が設けられる」となります。
なので、検定統計量の計算は一緒で比較する棄却域が変わってきます。
このような検定方法を「片側検定」と言います。(先の例は「両側検定」)
逆に
帰無仮説H0:「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」(μ1=μ2)
対立仮説H1:「HDLコレステロールの平均値は男性のほうが女性よりも高い」(μ1<μ2)
というに仮説を立てた場合には、
「t分布の左すそのみに棄却域が設けられる」となります。
両側検定では、「両すそ合わせて有意水準」(α/2)でしたが
片側検定では、「片すそが有意水準」(α)なので、
t分布表の見方を間違えないようにします。
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例題で考えてみたいと思います。
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検定統計量 t = (X-Y) / (s×√(1/m+1/n))
2 2 2
s = ( (m-1)s1 + (n-1)s2 ) / (m+n-2)
より、
2 2 2
分散 s = (15×7.3 + 11×7.6) / (16+12-2)
= (799.35 + 635.36) / 26
= 1434.71 / 26
= 55.18
検定統計量 t = (56.4-50.4) / (√55.18 × √(1/16+1/12))
= 6 / (7.43 × √(0.0625+0.0833))
= 6 / (7.43 × 0.3818)
= 6 / 2.8368
= 2.1151
となり、ここまでは一緒です。
帰無仮説H0:「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」(μ1=μ2)
対立仮説H1:「HDLコレステロールの平均値は女性のほうが男性よりも高い」(μ1>μ2)
の場合は、「t分布の右すそ(有意水準)のみに棄却域が設けられる」なので
t分布表の値は「t(0.05)(26)=1.706」で、「検定統計量tが1.706を上回ったら棄却」です。
以上より、「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」は棄却され、
「HDLコレステロールの平均値は女性のほうが男性よりも高い」という仮説が
採択されます。
逆の
帰無仮説H0:「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」(μ1=μ2)
対立仮説H1:「HDLコレステロールの平均値は男性のほうが女性よりも高い」(μ1<μ2)
の場合は、「t分布の左すそ(有意水準)のみに棄却域が設けられる」なので
「検定統計量tが-1.706を下回ったら棄却」です。
以上より、「HDLコレステロールの平均値に男女差はない」は棄却されず、
「HDLコレステロールの平均値は男性のほうが女性よりも高い」は
採択されませんでした。
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両側検定を選ぶか、片側検定を選ぶかは検定の目的によって変わります。
通常は両側検定を行いますが、「μ1>μ2」が確実であることがわかっている場合は
片側検定が利用できます。
参考書の例より、
ダイエット前とダイエット後の体重の標本から検定を行う場合、
「ダイエットしたのだから絶対ダイエット前の体重の方が重いはず!」(μ1>μ2)
と言い切れるのであれば、
片側検定で行った方が帰無仮説を棄却できる確率が高まります。
(=「ダイエットしたのだから絶対ダイエット前の体重の方が重い!」という仮説が採択)
が、ちょっと弱気で
「ダイエットしたけどリバウンドする可能性もあるし、必ずしも痩せたとは言い切れない・・・」
という時は、片側検定の条件には当てはまらないので両側検定を行います。
対立仮説は「ダイエット前とダイエット後の体重は異なる」(μ1≠μ2)となります。
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いやダイエットって口で言うほど簡単じゃないですよ~。
お菓子くれる人がいると食べたくなっちゃうし、誘惑だらけの社会です。
そしてそれをきっぱり断れない自分に甘い自分。。。
テレビのドキュメントとか見ると、
どれだけ素晴らしい技術があっても本人のやる気なしにはダイエットはできないので
エステ店の方も大変そうだなぁ~と思いました。