昨日『エゴイスト』観てきました。



タイトルの「エゴイスト」という言葉には、我儘であったり、自分本位なイメージがあるけど、この映画に出てくるエゴには全て愛があった。

浩輔さんのエゴ
龍太やお母さんに対して愛故とは言え、何処まで踏み込んでいいのかという難しさもあり
愛する人を思うが故ではあるけども、それをする事で自分が一番救われているし、それをしないときっと心が壊れてしまうのかもしれない
それをエゴイストという言葉で表現したのかなと思って観ていたけれど、最後のシーンでは弱ったお母さんのエゴも感じ

最後のシーンは意外なところで終わったなと思ったけれど、それによって「ああ、これは浩輔さんだけのエゴのお話では無かったんだ」と気付けた印象的なシーンでした。

何処までが愛か、思いやりかなんて言う境界線は無くて、相手の為であり、自分の為でもある。
その比重が自分に寄り過ぎると、我儘になってしまうけど、この映画に出て来るエゴは、純粋で優しいエゴだったなと。


俳優陣は、全編セリフを決めずに撮影したそうなので、常に役に入り込んだ状態で挑んでいたとの事
そんな作り方もあり、皆さんごく自然な会話が繰り広げられていました。
特に宮沢さんが全体通してとてもナチュラルな感じがしました。
ゲイを誇張する事無く、とても爽やかで透明感があり、役柄も相まって少し儚さもあるような…
幼い頃からの親友がゲイの方だそうなので、偏見無く自然に演じられたのかなと
笑顔がとても魅力的でした。

鈴木さんは序盤の飲み会シーンなんかはまだほんの少し役が馴染みきってなかったのかもと思いましたが(優しいキャラクターもあるかも)、それ以外は凄く浩輔さんを生きてる感じがして、葬儀のシーンなんかはかなり引き込まれました。

阿川佐和子さんもすっごく自然で、こういうお母さんいるいる、って思えるような。

ドリアンさんは実際浩輔さんのモデルである原作者さんと親交があったそうなので、リアルを知る方がいるというのは映画のリアリティの助けに相当なったんだろうなぁ。


家族や自分の健康も色々と気になってくるお年頃になってきたので、考えさせられる事も多い作品でした。

LGBT-Q+については、最近沢山取り上げられるようになってきたけれど、沢山取り上げなきゃ、理解しなきゃ、理解させなきゃ、というよりかは、それぞれ性格や性質も違うのは当たり前で、人を好きになったり好きになれなかったりするけど、性別より前にみんな一人の人間であるって思える事が大事だと思う。
私は性的マイノリティでは無いけど、最初から「女」としか見てないな、という人は人間としての内面を見てくれてない感じがして苦手で。
相手に対しても男女関係無く内面が面白いな、興味深いなと思う人にしか興味が持てないタイプでもあるので…
もっと性別関係無く、相手の内面を見ようとする、尊重出来る人が増えたらいいなと思っています。