情熱の国・スペイン。


 前回大会では、情熱の精神を持ったシャビなどの芸術的/詩的なプレイに加え、全体としてはシステム・サッカーとしてのパスサッカーをみごとに完成させ、優勝という責務を果たして見せた。


 なぜ、そのスペインが、今回もっともはやく一次リーグ敗退を決めてしまったのか。


 それは、やはり結論から言うと、主にはメンタルの問題がある。


 オランダのあまりの5バックの体制に、スペインはたじろいでしまった。


なんとチリにいたってさえ、オランダのかたすぎる守備を守ることができなかった。


 そしてパスサッカーを超え得る5バックの守備に、スペインは情熱と詩的な心を忘れて、完全に打ち砕かれてしまったのだ。


 今回のワールドカップの開催国は、ラテンの国・ブラジル。


日本の80年代的(ディスコブーム的?)、スコールと蒸し暑さを繰り返す”狂った”ムードで、全ては混乱する。破壊する。酔いしれる。


 その中で、不屈の精神と、見事な統一を見せた国が、優勝するのだろう。



 ヨーロッパからの期待の綱は、もうドイツとフランス、もしかしたらイタリアの意地があるのかもしれない。


アフリカからはナイジェリア、そして中田英寿の友人たるラムシ監督率いるコートジボワール。


南米からは、ブラジル・アルゼンチン・チリ・そしてコロンビア。



アジアにいたっては、もうイランくらいしか頼みはないだろう。



残りの枠を、誰がどう取っていくか。とても楽しみである。


 ちなみに、スペインはオーストラリアを相手に、3戦目にしてようやく落ち着きを取り戻し、自分達の強い、そして芸術的なサッカーを見事に果たしてみせた。


ういろう