リチウムイオン電池は、現代社会でスマートフォンや電気自動車などに広く使用される一方で、
破裂や火災につながる危険性が指摘されています。
2024年1月9日にMicrosoftとパシフィック・ノースウエスト国立研究所(PNNL)は共同で、
既存のリチウムイオン電池よりも破裂しにくい可能性のある新たな固体電解質を用いたバッテリー材料を発見したことを
発表しました。
今回の発見には、Microsoftの量子コンピューティングサービス「Azure Quantum Elements」
が用いられました。
PNNLの研究チームはAQEに対し、「リチウムの使用量が少ない電池の材料はどれか」と尋ねました。
すると、AQEはただちに3200万通りもの候補を提案。その後研究チームは提案された候補の中から、安定して使用できる可能性のある約50万個の材料をピックアップしました。
さらに研究チームは、それぞれの材料がエネルギーをどの程度伝導するかの推測や、
各材料内で原子や分子がどのように動くかをシミュレートしました。また同時に、コストや入手の容易さを含めて、
各候補がどの程度実用的であるかの推測も行いました。
研究チームは最終的に残った23個の候補の中から、バッテリーとして使用できる可能性の高い候補を1つ合成し、テストを行いました。その際に製造されたバッテリーを用いて、電球や時計に電力を与えることに成功しています。