目次 [非表示]

  • 1 気づかぬうちに“透明人間”になる現象
  • 2 米アリゾナ州ツーソン:ジーンさん
  • 3 英グロスターシャー:ピーターさん
  • 4 米カリフォルニア州ベンチュラ:メラニーさん
  • 5 米ミネソタ州ミネアポリス:ジャニスさん
  • 6 米カリフォルニア州フラートン:ジョーさん
  • 7 自由電子の“雲”で身体が不可視化する?
 
昨今の人手不足の中、飲食店に入って席に着いても誰も注文を取りにこないまま放置されることもじゅうぶんあり得ることだが、あまりにもそんな体験が続いたり、隣の椅子に掛けていた上着を持っていかれるなどの体験がある場合、それは「自発的無自覚不可視性(Human Spontaneous Involuntary Invisibility、HSII)」が起きているのかもしれない。
その時、当人は自覚のないままに“透明人間”になっているというのである。
 
 ハイビー氏が雑誌やネット掲示板でHSII体験談を広く募ったところ、考えられていた以上に多くの人々がこのHSIIを体験しているのだ。その一例を下記に紹介する。
 

米アリゾナ州ツーソン:ジーンさん

 ジーンさんは図書館や衣料品店、レストランなどで日常的に“放置”されているという。自分の存在になかなか気づいてもらえないということだ。
 ジーンさんは長身175センチで髪を赤く染め、派手な色使いのファンションを好む目立つビジュアルの女性なのだが、どういうわけかそうした場所で無視されている。

 

英グロスターシャー:ピーターさん

 友人の屋敷で行われたプライベートパーティーに参加していたピーターさん(当時37歳)はトイレを使おうと2階に上がったのだが、同じ目的の女性が後ろからついてきた。
 譲ろうかとも思ったピーター氏であったが、女性から「お先にどうぞ」と言われて先に用を足した。トイレを出て会場の部屋に戻ったのだが、さっきまで談笑していた友人たちの反応がどういうわけか鈍いのだった。

 

いったいどういうことなのか、怒りの感情すらこみあげてきたピーター氏は、そういえばまだトイレから戻っていない女性からタバコを貰えないものかと思い、2階に上がってみたのだった。
 ところが女性は、トイレのドアの少し前に立っていて、ピーター氏が出てくるのまだ待っている様子だったのだ。

 

 

米カリフォルニア州ベンチュラ:メラニーさん

 ある日、メラニーさんは自宅リビングルームのソファに座り、壁を見つめて物思いにふけっている間に透明人間になったと話している。
 夫は彼女を探して名前を呼び家の中を歩き回っていたが、わずか数フィートしか離れていないところに座っているのが見えていないようであった。
 この状態は約10分続き、その後突然、夫が彼女の姿に気づいたのだ。夫はなぜ隠れていたのだと彼女に腹を立てたが、メラニーさんはずっとここにいたとしか答えられず、この時の話は今も平行線のままだという。

 

 

米ミネソタ州ミネアポリス:ジャニスさん

 10代の頃に“やんちゃ”な友達グループにいた少女・ジャニスは、ある日の放課後に仲間たちとデパートに行って集団で万引きをしたのだが、店員に見つかり、駆けつけた警察官によってグループ全員が署に連行された。

 連れて行かれた警察署で1人ずつ尋問されたのだが、どういうわけかジャニスには声がかからず、誰も彼女のことを気にしていなかった。