2023年〜2025年に起こる劇的な変化

もしかしたら、2023年の今年は、既存の世界が本質的に転換する「シンギュラリティー」の過程の出発点になる年なのかもしれない。とすれば、これから約2年間、2025年くらいまでに我々は根本的に変化することを迫られることだろう。

2023年が「シンギュラリティー」の出発点

「シンギュラリティー」とは、人工知能や機械学習技術が急速に進歩し、人間の知能を超える機械やAIが登場するとされる未来の時点を指す概念だ。この「シンギュラリティー」が到来すると、AIや機械による自己改善が指数関数的に加速し、人間には予測や制御が困難な技術的進歩が続くとされている。要するに、「シンギュラリティー」のポイントを越えると、技術の進歩が飛躍的に加速し、その後どうなるのか予測できなくなるのだ。

「シンクロニシティー」が起こる

いま「シンギュラリティー」が始まる中、これとシンクロした変化は、世界秩序から経済や政治、そして我々の社会のあり方を根本的に変える変化が起こっている。

それらの変化には直接的な因果関係はないものの、それらは相互に刺激しあって変化をさらに加速させる。いわば、「シンギュラリティー」で起こった変化の振動が、他の領域にも同じ振動数で伝播しているかのような状態だ。

アメリカの覇権の失墜から多極型世界秩序へ

まず同時並行的に起こっている変化の中で最大のものは、アメリカの覇権の本格的な失墜と中ロを主軸とした多極型秩序の台頭である。

・新国際決済通貨
・一帯一路を基軸にした新国際経済秩序
・新しい国際機関による管理体制(新世界銀行、新IMFなど)
・国際紛争の調停機関としての新たな国際組織
・中ロを基軸にした新しい安全保障の体制
・中ロ基軸の新軍事同盟
・西側の民主主義とは異なる社会経済モデル

いま水面下でこうしたものの形成が進んでいるようだ

 

金融危機は必ず起こる

覇権の転換と同時平行に進行するのが金融危機だ。
要するにいまの金融危機は、極端な金融緩和とマネーのばらまきという、過剰な流動性の状態に依存している現在の資本主義の終焉を表すものとなるだろう。それは、現在の資本主儀に本質的な転換を迫るはずだ。

止まらない大量辞任の波と人手不足

フリーランス化の動きは加速しており、人手不足が慢性化する状態になっている。今後もこれは続くことは間違いない。アメリカだけではなく、すべての先進国にこの波はやってきている。
こうした、企業には依存しない自由な個人の出現という現象に、一カ所に集めた労働者を管理し、最大の生産性を上げるように強いる既存の資本主義の企業は、自由な個人となった人々から放棄される運命にある

多極型秩序で進む変化

これを見ると、中ロが主導する多極型の世界秩序という大きなプラットフォームの上で、金融危機で矛盾が一掃された資本主義が、デジタル技術と高度なAIで武装した自由な個人に対峙する過程で、本質的な転換と進化を経過するはずだ。その過程では、既存のシステムがどの程度生き残るのかは分からない。まったく新たな形態になるかもしれない。