後院通や西高瀬川のことなどを書いてきましたが、もう一度四条大宮交差点に戻りましょう。
阪急大宮駅は、1963(昭和38)年に阪急地下線が河原町まで延長されたため、終着・起点駅としての地位を失い、今は特急通過駅(通勤特急のみ停車)になっています。
ターミナルとしての賑わいという面でも、昔に比べるとやや寂しくなった?かもしれません。
大宮通を四条から少し上がったところの飲み屋街です。夜はもう少し賑わうのでしょうが・・。
ところで、四条大宮交差点を下がったところ(西側)に京都市立洛友中学があります。
ここは今全国で9都府県33校しかない夜間中学の一つです。
ずいぶん立派な校舎ですが、これは2007年に下京中学に統合され廃校になった郁文(いくぶん)中学の校地・校舎をそのまま引き継いでいるのです。
さらに郁文中学の歴史を辿ると、1869(明治2)年に全国に先駆けて64校開校された番組小学校の一つ・下京第七番組小学校(のち郁文小学校)に遡ります。
郁文小学校は戦後の学制改革で郁文中学になり、そして今は洛友中学と名前が改まりました。
http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=202008
この中学には「昼間部」と「夜間部」があります。夜間部は戦後の混乱期などに十分な中学教育を受けられなかった年配者やニューカマーの外国人がおもな対象ですが、昼間部は不登校などで形式的に義務教育を終えたことになっている若者の学び直しの場という位置づけで、このタイプの学校は2017年に制定された「教育機会均等法」により、全都道府県に最低一つ設置することが目指されています。
このような学校は、人にとって「学び」とは何なのか、その原点が見えるような場になっていると思います。
東大を出てエリートコースを歩み国会議員になったM氏などが、突発的に赤ちゃんのような行動をしてしまうのは、たぶん本当の意味での「学び」をしてこなかったからでしょう。
次の動画は、ちょっと長いですが、夜間中学に通う若者の表情とかがすごくいいと思うので、よかったら見てください。