『ブレードランナー2049』 | 狂気と正気の狭間

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『yahoo!ブログ』にて活動して来ましたが、突然の〝サービス終了〟と言うテロに遭い、止む無く移転して来ました。

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鑑賞日時:平成29(2017)年10月27日[金]/9:00~11:55
映画館名:TOHOシネマズ 新宿/SCREEN10
座席番号:J-17

映画館公開日:平成29(2017)年10月27日[金]
地上波初放送:

2049年、カリフォルニアは貧困と病気が蔓延していた。
2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのを切っ掛けに世界は食物供給が混乱する等危機的状況を迎える。
2025年、科学者ウォレスが遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。
労働力として人間と見分けの付かないレプリカントが製造され、人間社会と危うい共存関係にあった。
しかし、人類への反乱を目論み社会に紛れ込んでいる違法な旧レプリカントは、ブレードランナーと呼ばれる捜査官が取り締まり、2つの社会の均衡と秩序を守っていた。
LA市警のブレードランナー・Kはある事件の捜査中に、レプリカント開発に力を注ぐ科学者ウォレスの巨大な陰謀を知ると共に、その闇を暴く鍵となる男、かつて優秀なブレードランナーとして活躍していたが、ある女性レプリカントと共に忽然と姿を消し、30年間行方不明になっていたデッガードに辿り着く。
デッガードが命を懸けて守り続けて来た秘密とは?
二つの社会の秩序を崩壊させ、人類の存亡に関わる真実が明かされる・・・。
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演 ライアン・ゴズリング(K/ジョー)
ハリソン・フォード(リック・デッカード)
アナ・デ・アルマス(ジョイ)
ジャレッド・レト(ニアンダー・ウォレス)
シルヴィア・フークス(ラヴ)
カーラ・ジュリ(アナ・ステライン)

この先ネタバレの可能性有り

【PG-12指定】
【3D版/IMAX/字幕版】

ロードショー公開初日&初回(3D版/IMAX/字幕版)上映回鑑賞。

 ムビチケ・カード                       1,400円
 IMAX鑑賞料金                         500円
 3D鑑賞料金(3Dメガネ持参に付き-100円)          300円
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 合計                             2,200円

今回訪れたTOHOシネマズ 新宿もSCREEN10も初めてでは無い。
前回利用した時(『ゴースト・イン・ザ・シェル』)は、スクリーンに対して目線の高さとセンターが交差する座席をリサーチしてG列17番にて鑑賞した。
しかし、当時の記録には〝もう2列程後ろでも可〟との記述が有った。
SCREEN10の座席表を見ると、2列後ろだと、後もう1列しか残っていないので、思い切って最後列の今回の座席にしてみた。
実際に鑑賞してみて、とても都合が良かった。
視界にスクリーンが納まり、両サイドに若干の余白(スクリーンの両サイド)が有るので、言うなれば〝一般的な3D作品〟的な感覚だった。
確かにそれでは〝IMAX甲斐〟が無いかも知れないが、一般的な3D作品で十分と感じている身としては、何ら問題無し。

上映前、映画館の売店にてIMAX用3Dメガネの〝クリップ・オン〟のタイプが無いか確認したが無かった。
過去には有った様だが、現在は販売していないとの事。
普段〝眼鏡使用〟の身としては、過去に利用した時に映画館にて配布(代金100円)された物を使用すると、〝メガネonメガネ〟となってしまうのでとても煩わしかった。
それを解消し、快適に映画に集中したかったのだが、残念・・・。
後でネットで調べた所、通販にてIMAX用3Dメガネが市販されている事実が判明した。
レビューを読んでみると、映画館でも使用可能との事だ。

143分と言う上映時間、鑑賞前には体内の水分と言う水分を絞り出してから望む事をお勧めする!


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ストーリー
『ブレードランナー』(1982年公開/以後:『前作』)の正当なる続編にて、それから30年後の話し。
『前作』の〝解答編〟と言った意味合いも有る様に思う。
やはり、『前作』を観ていないと、根本的な謎の解明に迫るには難しいと感じた。
143分と言う長尺の上映時間も気にならず、終始飽きさせない。

ラスト・シーンは突然に。
Kは死んだのか?
意味深な終わり方だったので、更なる続編のフラグか?
まぁ、『前作』でも抽象的な終わり方だったから、『ブレードランナー』らしいのかな?
設定
レプリカントが、生殖からのまさかの妊娠・出産!?
ここが今作の〝肝〟と言った所でしょうな。
『前作』のレイチェル【ショーン・ヤング】は、デッカードとの逃避行の末、彼の子供を身籠り出産していたとは驚いた!
レプリカントは、もう少し機械っぽいのかと思っていた。
〝ターミネーター〟の様なイメージを抱いていたが、どちらかと言うと〝クローン人間〟若しくは〝人造人間〟と認識を改めるべきか?

レプリカントって、そこ迄緻密に人間に近付ける必要が有るのかな?
ラヴの最期なんて〝溺死〟だよ!
Kだって、殴られれば傷付いて出血もするし。
とても地球外の惑星の開拓に耐えられるとは思えない。
・・・と、それを言ってしまえばお終いか!?

デッカード失踪の真相が良く理解出来なかった。
彼のセリフに「それが自分の役割だった!」的な発言が有るが、その辺が良く分からなかった。
レイチェルの妊娠・出産の可能性を隠蔽する事?

2049年のロサンゼルスが主な舞台だが、『前作』に比べると洗練されてしまった感有り。
もっと雑多な感じが欲しかった。
それに、余り街中の描写も無かったのも残念。
『前作』の様な〝日本色〟演出は、有る事は有ったのだが控えめだった。
30年を経て、日本企業は衰退してしまったのか、日系住民が居なくなってしまったのか、それともトレンドに変化が?
邪推をすれば、〝中国迎合〟のハリウッドの政治的配慮かと・・・。
流石に『前作』の世界観を完全に覆す訳にも行かない〝ギリギリの落とし所〟と言った感有り。

今回は他にもサンディエゴやラスベガスにも舞台が移る。
キャラクター
Kはレプリカント。
レプリカントがレプリカントを〝解任〟するのか!

アナ・ステラインが、デッカードとレイチェルの間に産まれた〝奇跡〟の存在。

ジョイは実体のある存在では無い!
ホログラムの仮想恋人。
言うなれば、〝AI搭載の初音ミク〟と言った感じ。
但し、〝大人のサービス〟も可。
レプリカントの身体とリンクすれば××も・・・。

ウォレス社長の処遇がハッキリと描かれていない。
〝続編〟への伏線か?
彼が健在なら、今後、幾らでもストーリーを膨らませる事が出来るだろうからね。
デッカードと娘のステラインとの今後もどうなるのか。

『前作』に登場の「2つで十分ですよ!」の板前さんは、流石に登場しなかったな・・・。
デッカードの同僚として登場したガフしは、今や現役をリタイアして老人ホームで余生を送る身。
相も変わらず折り紙を折っていた。
歳の割には指先が器用で何より。
老化防止の為の折り紙?
同じくレイチェルも登場するが、過去の映像にて。
キャスティング
ハリソン・フォードとジャレッド・レトしか知らない。

その他のキャスティングは以下の通り。
出演 ロビン・ライト(ジョシ)
マッケンジー・デイヴィス(マリエッティ)
デイヴ・バウティスタ(サッパー・モートン)
ヒアム・アッバス(フレイザ)
エドワード・ジェームズ・オルモス(エデュアード・ガフ)
ショーン・ヤング(レイチェル/ローレン・ペタ)
映像
映像はとても美しかった。
廃墟マニアや工場マニアに受けそう。
『前作』に比べると、全体的な明るさが増した。
相変わらずLAは雨が降り続いていたが、今作では雪模様も。
それがラストのKのシーンで美しい効果を発揮している。

レプリカント製造の最終工程って、あんな〝出産〟を想起させる様なシステムなの?
天井からブラ下ったビニール袋からズルズルって!
〝出来立て〟のレプリカントも、産まれ立ての草食動物の様にプルプル震えているし。

レイチェルの2049年に再現されたモデルがデッカードの前に登場するシーンは、過去の映像のCG処理でしょうな。
それにしても、ラヴに頭を打ち抜かれるシーンは現実の映像としか思えなかった。

Kのポリス・スピナーが、空を飛んでいるシーンばかりだったのが残念だ。
もっと地上を走るシーンや、そこから飛び立つシーンを観たかった。
2049年のポリス・スピナーは、武装やドローン装備の所は目新しい。

本作の公式サイトに以下の様な記事がアップされていた。
2017年10月21日
*26%増で**を【目撃】できるのはIMAXⓇだけ*

多くの著名人から【美しくも切ない世界観】を大絶賛される『#ブレードランナー2049』
IMAXⓇ上映でのみ、全本編の画角を1.9:1に拡大!その映像美をフルパノラマ、通常スクリーン比26%増のサイズで体験*
映画『ブレードランナー2049』10月27日(金)そのすべて**をIMAXⓇで【目撃せよ】*

(公式サイトよりそのまま参照/〝**〟は絵文字)
何の事?
一般のスクリーンより、シーンの写っている割合が〝増量〟でお得って事?
音楽
重低音が腹の底に響き渡る!
IMAX映画館の恩恵を実感。

エンディング曲は物悲しい感じが『前作』を彷彿とさせる。
期待感
以後のSF映画へ多大な影響を与えた『ブレードランナー』の35年振りの続編と来れば、否が応にも期待は高まる。
ロードショー公開時、リアルタイムで観賞している身としては実に感慨深い。
一方、続編となると失速するジンクスが・・・、全米公開じの評判も芳しく無かったし・・・。
満足度
観終わって、143分と言う長時間を感じさせない充実した時間を得た満足感。
終始飽きさせない。
諸々、スッキリしなかった点は幾つか有ったが、前評判で感じていた事は杞憂に終わった。

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アクション
Kの格闘戦。
序盤でのモートンの解任劇や、終盤のラヴとの死闘。
デッカードとも殴り合いしてた。
ポリス・スピナーが撃墜されたり、時にはドッグ・ファイトも。
SF
2049年だが、現在よりそう遠くない未来。
テクノロジー的にはSF要素は大きいが、市井の生活感は現在の感覚とも通ずる物が有るので身近に感じる。
コメディ
該当要素無し。
ホラー
人間とレプリカントとの境界が、『前作』にも増して曖昧となった世界。
もしかした隣人が、人間に反旗を翻そうとしているレプリカントなのかも知れない・・・。

ウォレス社長はレプリカントの生殖能力を利用しの生産性向上で、何かしらの野望を燃やしている節が有る。
グロテスク
いくら食糧難とは言え、動物性タンパク質の元が昆虫とは・・・。
モートンの〝解任〟を認証する為の証拠品として、彼の眼球を抉り出して押収するK。
サスペンス
何かに導かれる様に、徐々に核心へと近付くK。
知られては不味い事実を隠蔽しようとするロサンゼルス市警察。
謎解き
レプリカントに生殖機能が!?
不可思議
もう、レイチェルの妊娠・出産を〝奇跡〟と言ってるから・・・。
奇跡なのか、それとも科学の粋なのか?
〝究極の人造人間〟だから、生殖機能も発達して?
ラヴ
孤独なKはヴァーチャル・リアルティのジョイを、丸で人間の恋人の様に愛している?
デッカードとレイチェルは、30年前の愛の逃避行の末に娘を授かった。
エロス
巨大ホログラム広告のジョイのヌード。
悲劇
ラヴにより、データを破壊されてしまったジョイの〝死〟(消失)。
出産時の事故で命を落としたレイチェル。
自分の記憶は、デッカードの娘を守る為に植え付けられた疑似的な物と知ってしまったK。
感動
レプリカントの生殖能力の秘密と、産まれて来た我が子を守る為、事実を隠蔽し隠遁生活を送り続けて来たデッカード。
ラスト・シーン、娘と再会を果たすデッカード。
ドキュメンタリー
2049年だが、実在の都市のロサンゼルス、サンディエゴ、ラスベガスが舞台となる。
デッカードの隠遁するラスベガスのカジノで、エルビス・プレスリーやフランク・シナトラが、ホログラムで登場。
歴史
該当要素無し。